”四国一周サイクリング”にエントリーして東半分(前編) ― 2024/09/10
”四国一周サイクリング”とは愛媛県の観光スポーツ文化部が推進しているプロジェクトです。
せっかくなので、登録してみたのが、コロナ前のこと。
コロナの大波にも負けず、ちゃんとプロジェクトが続いているのは喜ばしいことです。
四国には何度かツーリングで訪れており(足摺岬、祖谷、とびしま海道しまなみ海道、四万十川沈下橋)ほんと良いところだと常々思っていることもあり、2023年の秋、四国一周サイクリングにエントリー実走しました(東半分)。
四国一周を35時間切りでこなす凄い(日本のロングライド第一人者ですから)走り方もありますが、のんびりと観光しながら。なるべく国道を外して旧道や脇道を地形図アプリ(スーパー地形)を活用して走りました。
◎日程:2023年10月31日(火)〜11月6日(月)6泊7日
(自転車走行は11/1〜11/5の4泊5日)
・[移動日]10月31日(火)晴れ:
京都7:13=7:40新大阪7:56=(のぞみ273号)=8:41岡山9:05=(マリンシティ15号)=9:58高松10:13=(南風リレー号)=11:25観音寺11:40 =15:13松山、松山駅〜道後温泉、オールドイングランド道後山の手ホテル(泊)
・Day1:11月1日(水)晴れ
松山(道後温泉)8:30〜三津浜〜(しまなみ海道)〜馬島〜大島椋名(ピストン)〜(しまなみ海道)〜16:30今治、今治プラザホテル(泊)、96km走行
・Day2:11月2日(木)晴れ
今治8:30 〜西条〜17:30観音寺、観音寺グランドホテル(泊)、111km走行
・Day3:11月3日(金)晴れ
観音寺8:30〜高松〜16:25志度、たいや旅館(泊)、95km走行
[峠]加嶺峠
・Day4:11月4日(土)晴れ
志度7:50〜大坂峠〜徳島〜15:45阿南市、ルートイン阿南(泊)、101km走行
[峠]小方峠、大坂峠
・Day5:11月5日(日)晴れ後雨
阿南市7:20〜14:50室戸岬、岬観光ホテル(泊)、115km走行
・[移動日] 11月6日(月)雨
室戸岬=奈半利(輪行)=京都
◎使用自転車:グランボア650×42B Oyakata55号ランドナー
道後温泉のホテルにて、”四国一周サイクリング”公式ジャージ
◆Day1:11月1日(水)松山〜今治 96km
*走行ログ(クリックして拡大)
ホテルを出て、まずは愛媛県庁、四国一周モニュメントに表敬訪問
松山の外港、三津浜へ。
祖父が戦前、「愛媛県女子師範学校」の教員だったことがあり、三津浜は母の出生地でもある。祖父は晩年になっても当時の教え子に招かれて松山を訪問していた。写真は女子師範学校跡。
三津浜は漁師町でもある
小林一茶も利用したという「三津の渡し」(松山市高浜2号線の一部80m)で三津浜から対岸に渡った。
大西町というところの旧道を走っていたところ、天水瓶が屋根の上にある家があった。大庄屋の家で本陣にもなり、後年役場としても使われたと説明板にあった。
松山から今治までだと距離が短く時間が余るので、しまなみ海道にちょっとだけ寄っていくことにした。
しまなみ海道を全部走る時間があるわけでもないので、途中の「馬島」に降りてみた。
橋から島に降りるエレベーターを出ると、橋梁工事の慰霊碑があった。六字名号を唱えた。
馬島。島民居住エリアには外来者は入り込まないようにとの看板。
橋から島を見下ろすのとは、正反対のアングル。
馬島の先端の「ウズ鼻灯台」まで行ってみた。
神社に隣接しており、そこでは音楽アーティストを名乗る若者が、「音楽活動へのインスピレーションを得るためにここに来た」と言って佇んでいた。
大島まで行って引き返し、今治へ。大島からみた本四架橋、しまなみ海道。
今治市内、今治プラザホテルに泊。フロントロビーに自転車ラックが用意されている。
晩ご飯を食べに出た。道路には巨大なスクリューがライトアップされていた。造船の街、今治。
◆Day2:11月2日(木) 今治〜観音寺 111km
*走行ログ(クリックして拡大)
快晴の下、今治城の外周を経て、旧道を繋いで今日は観音寺まで。写真は今治城。
菅原道真が太宰府に配流される途中、嵐に逢って漂着。この地の漁民が助けた場所に建立された「綱敷天満宮」に立ち寄る。
大灯籠には「伊万里仲間」とあり、当時の物流の大動脈である瀬戸内航路の安全を願う思いとその財力が伝わる。
菅原道真公の衣を干したとされる岩
指定された道の駅でスタンプを集めるのがミッションなので、指定箇所には全て寄るようにした。写真は「今治湯ノ浦温泉」道の駅。
Googleマップに「西条のベネチア」とあったので、どんなところか行ってみた。
西条市難波、これがベネチアか!? 確かに水路が走っているが、、。
ベネチアからそのまま走った堤防沿いからは、石鎚に連なる山々がよく見えた。
西条市、県立西条高校の隣にある「愛媛県民芸館」を見学。やはり西条という地にはこういうものを設立できる文化力があったのだろう。
愛媛民芸館にて。
写真のような「旧街道」が残っており、今治から観音寺まで、国道を走る区間はほんの僅かで済んだ。讃岐街道。
今回の一周プロジェクトがなければ、四国の瀬戸内側の都市間を自転車で走ることはなかったと思う。やはり、実際に現地に入らないとわからないことは多い。
観音寺グランドホテルに宿泊。11月いっぱいで営業を終了するとフロントの人から聞いたが、経営企業が変わり、営業が続いたようだ。
”四国一周サイクリング”にエントリーして東半分(後編) ― 2024/09/11
・Day3:11月3日(金)観音寺〜志度 95km
*走行ログ(クリックして拡大)
観音寺のホテルを出て、加嶺峠、宅間を経て”四国一周サイクリング”のスタンプポイントのひとつである「ふれあいパークみの」道の駅へ。
地元のライオンズクラブが韓国のライオンズクラブと姉妹クラブになった記念碑があり、その縁でかどうかは知らないが、韓国ナンバーの大きなキャンピングカーが止まっていた。
気持ちの良いダウンヒルを経て、海に出るとなにやら海の中に神社があった。
津嶋神社という。この鳥居のあるところは遥拝所。
本殿は海の中にあり、年に2日だけ渡れるそう。普段は遥拝所から拝む。橋の床板は外してある。
すぐ近くにJR予讃線「津島ノ宮駅」がある。1年に2日だけ、8月の大祭の日に列車が停車するという駅。普通列車が通過するので不思議に思い、地元の人に聞いたところ、そのことが判った。
旧道を走り続ける
五色台の海沿いを走る。
高松市内を通過。東西に長い街並み。こんなことでもなければ走り抜けることはなかっただろう。起点や終点になることはあっても。
本日の宿泊地、志度の「たいや旅館」に到着。平賀源内の出生地で、なかなか渋い町。
・Day4:11月4日(土)志度〜阿南 101km
*走行ログ(クリックして拡大)
宿を出てすぐ、四国霊場八十六番札所補陀洛山志度寺に参った。
海沿いに与治山の北側を走った。
与治山からの小さなダウンヒルを経て安戸池。
池と海が一体になったような安戸池。ラグーンで、小さな小さなサロマ湖のようなものか。
引田の町へ入る。かつて醤油と酒造で財を成した商家の建物が、自治体の所有になり修復公開されていたのでじっくり見学。「讃州井筒屋敷」。
船のような屋根裏
旧 引田郵便局が、喫茶軽食のお店として使われていた。天井が高く、石貼りの内装で残響効果が出るからか、小さなスピーカーから流れるバッハの無伴奏チェロ組曲が、重々しく響いていた。
今回のコースは主として海沿いの平野部を走るので、唯一の峠らしい峠は、讃岐と阿波の国境の大坂峠のみ。国境の山を、国道11号線は海岸沿いに迂回し、JR高徳線と高松自動車道はトンネルで抜けている。
大坂峠は昔からの道で、地形の弱点をついたカーブを重ねて標高を稼ぐことから、誠に優しい勾配で、自転車でとても気持ちよく走れる。最近のバイパス道路にありがちな、えげつない直線勾配とは正反対。
感動しながら走っていると、後ろから自転車の気配。
なんと、クロモリのシングルスピード車に乗った若者。
徳島ー松山往復をワンデイでこなしたり、”エベレスティング”と銘打って、エベレストと同じ標高を、徳島の眉山を何十回も走ることで達成するトレーニングをしたりとか、なかなかの走り屋さん。
自分のペースで気にせず抜かしていってもらうように話したが、絶妙のペースで徳島市街まで引っ張ってくれた。お陰で、私のは42Bのランドナーで荷物も多いが、自分でも驚くようなハイペースで徳島平野を通過できた。ありがたや。
下の写真の「道の駅いたの」以外で唯一信号待ち以外で止まったのは、吉野川に架かる四国三郎大橋。吉野川、なんともビッグスケールなので写真を撮らせてもらった。
お陰で、予定よりも早く、阿南市のビジネスホテルに着いた。
・Day5:11月5日(日)阿南市〜室戸岬 115km
*走行ログ(クリックして拡大)
天気予報は午後から雨。距離も長いし、早めに出発。
室戸岬へは、高校2年の夏休み、友だちと2人で自転車で来た。ユースホステル泊で。自転車は通学用ロードマン(友だちはBSダイヤモンド キャンピング)、装備は今思い起こすとものすごく貧弱だったが、当時はそんなことを気にすることもなかった。旧道や脇道を走る、といった感覚もなく、ひたすら国道を走ったが、なんとも思わなかった。四国の東半分を走ったが、一番印象に残ったのは、やはり室戸岬。初めて見る太平洋がずっと左手に広がり、だんだんと岬へと近づいていく高揚感。
宿を出発して、ひたすら室戸岬を目指す。基本的には国道55号線を走った。
日和佐を通過し、牟岐を過ぎると海沿い。下の写真は那佐湾。
このあたりはサーファーが多かった。
野根の町が北から下って最後の町という印象。野根の先、佐喜浜までの間は、山が海に迫る隘路。室戸岬への道のハイライト。
旧道の野根橋で
旧道の野根川橋で、パンの昼食。国道の野根大橋にはお遍路さんが2人歩いていた。
遠く、室戸岬方面が見える。
海が、ドドーンと広がっている。
室戸岬に到着
今日の宿は「岬観光ホテル」。建物は登録有形文化財。写真に写る後ろ姿は、アメリカから来た歩き遍路さんだった。
宿に荷物を置いて、岬の探索。
室戸は漁業の町で、これまで何度も漁船の遭難が発生した。遭難の度にお地蔵さんが安置され、船名と遭難した日時や場所、遭難者名などが掘り込まれている。
なんともいえぬ気持ちになり、六字名号を唱える。
四国霊場第二十四番札所最御崎寺へと登る。お寺より少し低いところに室戸岬灯台があった。
最御崎寺。遍路ツアーのフランス人団体と出会った。雨が降ってきた。
翌日は激しい雨。予定を変更して輪行で帰宅した。写真は土佐くろしお鉄道の終着/始発駅である奈半利駅。
室戸岬から高知、そして高知から足摺岬、松山へは、改めて走りに来て、四国一周を成就したい。
WINDCOG(ウインドコグ)小径折り畳み自転車のこと ― 2024/09/15
写真:リクセンカウル・オールラウンダーツーリングバッグ、純正シートチューブバッグ用専用ケージ、前マッドフラップ(社外品)、CAT EYEランプホルダー装着例。
折り畳み自転車で目にしがちなのは、ホームセンターや通販で売られているような粗悪品が錆だらけで放置されていたり、そんな元々走らなくてしかも整備されてないものをギコギコ苦しそうに無理やり漕いでいる姿。
時々、輪行ツーリングする人にも出会うが、ランドナーを愛用している私は、つい「もっとツーリングに適した自転車があるのに」と思ってしまう。こんな私の方が世間的には少数派で、ランドナーの輪行を知る機会もなく、知っても敷き居が高いように思い、相談や購入できるショップも近くになく、折り畳み車を選択する人が多いのだと推測する。
折り畳み車とは、似ているようで別だが、「ミニベロ」と称される小径車というジャンルがあり、こちらのほうは、自転車趣味の人が1台は持つのがたしなみのように思われていた時代があったかもしれない。例をあげると、有名フレームビルダーが手がける小径車など。
私も、ランドナー、スポルティーフ、レーサー、MTBとそれぞれ楽しむ中で、小径車が欲しくなり、BSモールトンを20年以上前に購入した。
あと、この方たちが小径車、折り畳み車の本流であってほしいが、折り畳み小径車のメカニズム的なものや制限がある中でのパフォーマンス最大化を探求して、小径車を究めようとする人たち。
そういうスピリットを感じたのが、今回とりあげる「WINDCOG」。
折り畳み小径車について尋常になく探求している人が作り上げた逸品だと、直感的に思った。
ツーリングを念頭につくられ、泥よけが標準装備というのが素晴らしい。前後キャリアも専用品が日東の制作で存在しているなど、レベルの高さが推測される。
こういう製品は、あるうちに購入しておかないと、採算的に最初のロットが終了したら再生産はないかもしれないという心配もあって、購入することにした。
ちょうど、会社員時代にある意味縁のある「ナニワ銀輪堂」が扱い店だということもあるし。
想定用途としては、例えば京都から阪神間の美術館を巡るとか、走行時間以外をそこそこ費やすミニトリップ。一日に何回も輪行する場合とか。もちろん、気楽なワンデイ輪行ツーリングも。
いくら苦でないといってもランドナーで輪行して駅前で組み立てると、もっと長距離、峠の向こうまで走りたくなってしまうのは目にみえている。走行時間以外が長いと、フラストレーションがたまりそう。
と前振りが長くなってしまったが、とにもかくにもウインドコグという折り畳み小径車を購入し、いつものルートを走ってみたので、そのインプレッション。
コースは京都の保津峡から愛宕山の裏を走る山間の道で、途中に急勾配の峠がある。
その峠での上り下りで、これまでも多くの自転車を評価してきた。ロードレーサーからMTBまで。もちろん、ランドナーも。
ウインドコグについては、一言、何の不満もありません、ということ。
とても良心的な価格で販売されているので、パーツはこれまで私が使ったことのないようなメーカーのものばかり。
ブレーキがテクトロというメーカーで、ダイアコンペ製品に交換したかったが、購入時にその旨を頼んだところ、メーカー在庫を切らしている、とのことでそのまま使っている。
クランクも聞いたことのないメーカーのもので、どうかなあ、と思ったがシルバーパーツというのが今や絶滅危惧種になっていて、デフォルト製品のデザインも決して悪くないので、そのまま使っている。デフォルトのサドルも快適。
変速関係も、デフォルトで全く問題ないので変更する気持ちはない。ギア比も、いつもの急勾配の峠を登るのにも適切(最大ローが42x28、20インチ)で、全く問題ない。
ペダルだけは、三ケ島製品に替えた。
パーツの選定もよく考えられていて、「失礼しました、ほんと良く考えられていますね」というのが感想。専用輪行袋もよく考えられていて、感服した。
ライディングポジションも、ばっちり(私の身長は175cm)。
小径車にありがちな、短いホイールベースということはなく、実測で97cm。私のロードレーサーのひとつ(700C)と1.5cmほどしか変わらない。車輪の大きさが違うので、その差が有意なものなのかどうか、フレーム設計の知識がない私にはわからないが、乗車感覚としては違和感がない。視覚的にはホイールベースはもっと短いかと思ったが、そんなことはなかった。
というわけで、散々自転車三昧してきたけれど、このウインドコグの場合、完成車状態で全く問題なく、気持ちよく走れる。
唯一、手を入れたいのは、やはりブレーキ。実用上テクトロのデフォルト製品で問題ないが、感触という点では、感動がない。
私にとってカンパ・コーラスのブレーキフィーリングが大好きで(ブレーキ単体で決まるものではなくフレーム・ホイール・タイヤ等とのマリアージュではあるが)、峠の下りでコーラスのブレーキを使用する度に、この感触のためにもう一度坂を登りたいと思ったりするが、そこまで求めることはなくても、もう少しジワっと効く感じ、入力に対するリニア感が欲しい。ブレーキシューだけでも替えてみたい。
写真:いつもの場所で。WINDCOG。
写真:ウインドコグ。この位置のボトルケージで、舗装路走行中にロングサイズのボトルが落ちてしまった。通常サイズなら問題ないか。
写真:ウインドコグのドライブトレインと折り畳み機構
写真:ウインドコグのリアエンド廻り
<追記>
フロントハブのところの凸部(磁石付)とリヤハブのところの凹というか穴とを合わせて折り畳んだ後、組み立てるときになって、その2つがなかなか外れない事象が生じた場合には、アーレンキーで後ろハブのアクスルをちょっとだけ回すと結合部の角度が変わり、スムーズに折り畳み、外しができます。
「外れやすい」というクレームがあったからか輪行袋にはそれ対応用の小さい部品が付いていましたが、私は使っていません。かえって面倒ですし、私は古チューブ(細いラッテクスチューブが最高ですが、ブチルチューブでもOK)でハンドルと折り畳み状態の前と後ろを結んで、かっちりズレないようにしています。チューブで結ぶなどほんの10秒位のものですから)
<追記2>
ナニワ銀輪堂に、ウインドコグ純正のシートチューブバッグを受け取りに往復自走で行ってきました。京都から大阪大正区には、桂川、淀川のサイクリングロードを走って不快な道を走ることなく行けます。往復で120km。
往路は凄い向かい風。インプレッションには最適です。上り坂は先日の走りで体験して、全く問題ない受け止めでして、平地の向かい風はどうなのか興味がありました。
走らない自転車というのは、自分の入力に対して、期待よりも前に進まない自転車。後ろタイヤがスローパンクしてるんとちゃうか、とかチューインガムが張り付いているんとちゃうか、みたいな感じ。軽量なカーボンロードフレームでも、その点で気持ちが良くなく、すぐに手放したものもあります。
ただ、体感的には遅いようでも、タイムを計ってみたら実は速かった、という自転車もあります。そういう自転車は私の経験上ではフレームやホイールが自分にとって固い自転車。ブリヂストンのアンカーのロードレーサーがそうでした。
競技に使うわけではなく、ツーリングで使う分には、踏んで気持ちよく、踏み続けても疲れない、一生懸命踏むと速いけど筋や筋肉が痛くなる自転車でない、のが良いです。
強烈な向かい風できついけど、踏む分には不快でない、そういう自転車が良いです。
その意味では、今回のウインドコグは、大丈夫でした。
GPSのログを帰宅後に解析すると、今回、平地を往復120km走ったのですが、帰りは追い風の区間が少しあった程度ですが、実は時速30km以上は、ほとんどありませんでした。
踏み味は軽く、スムーズに走っているようでも、それが小径車だからどうかはわかりませんが、ウインドコグは時速20km〜30kmで巡航するには気持ちよい、実は30kmで走っていてもそれ以上スピードが出ているような気にさせてくれる自転車です。
時速30km以上で巡航したいという用途ならば、やはりロードレーサーでしょうが、荷物を積むとか諸々考えるとツーリングにはどうかな、と思います。サポートカーがつくスポーツライドならいいのでしょうが。
誤解のないように記しておくと、ウインド・コグが時速30km以上出ないとかそういうことではなく、私の脚力との関係でそうであったということ。下りでは時速40km以上でもしっかり走りますし、高速安定性に問題があるわけではありません。小径車であることのネガは感じません。
ランドナーならロードレーサーほど高速巡航に特化しているわけではないけれど、あらゆる面で守備範囲が広いと思います。
ところで、小径車でいうと、ブロンプトンが有名で、走っている人に時々会いますが、ブロンプトンの巡航速度というのは独特というか、押し並べてのんびりのように思います。だからといって、本人がそれで楽しんでいるのを他人がとやかく言う必要はないですし、それが自転車のせいなのか、そもそもブロンプトン愛好家というのがのんびり走る嗜好性をもった人ばかりなのか、そのへんはわかりませんが、出会う度にそうなので、不思議に思います。旅の手段にブロンプトンを選択するのではなく、愛用のブロンプトンで走るのが目的であるのかもしれず、その気持ちはよくわかります。
平地と坂道を走った、私なりのインプレッションとしては、時速30km位で走るのにはウインドコグは気持ちよく、アゲンストな状況でもペダルが踏める。荷物の搭載も工夫されているので、ロングツーリングにも対応できるのでは、小径車なのでフロントサイドバッグにすれば重心が低く、地をはうような走行感覚が得られるのではないか、というところです。タイヤがやはり小径であるのと、太くないので、42Bランドナーのような、どっしりした安定感は得られませんが。
写真:大阪・与謝蕪村生誕地
写真:大阪・中之島公会堂
<追記3>
その後の改造
1)ブレーキシューをシマノ アルテグラ用 に交換・・・テクトロのブレーキシューはシマノのとほぼ同サイズなのか、特に調整することなく簡単に替えられました。シマノのシューは屋根裏収納庫にあった取得時不明のものですが、問題なく使え、ブレーキング時の感触もくいつきのじわり感が出てよくなりました。
2)サドル交換・・・ウインドコグ純正のシートチューブバッグを装着する際には、サドル下にストラップを通すのですが、デフォルトのサドルはその部分がスリムでストラップを通すのに少し手間取る(ちゃんと通りますが)こともあり、これも屋根裏収納庫から救出したベルトゥの革サドルに交換しました。デフォルトのサドルで不満はありませんでしたが、やはり革サドルのほうがしっくりきます。イデアルやブルックスよりもスリムなのでウインドコグには似合うと思っています。
3)ボトルケージ・・・20年以上前に購入したミノウラのペットボトル用のケージにしました。飲み口のところにゴム製のストッパーがあるので確実にボトルを保持できます。
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