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「ある限界集落の記録 昭和二十年代の奥山に生きて」新見市上熊谷指野へ2023/12/09

 自転車でルーラルなエリアを旅するのが好きです。人の手が加わって先人の労働の集積で形成された景観に感じ入ります。
 そこにどんな人が住んでいて、何をして暮らしているのか、かつてどんな暮らしだったのかを知りたくて、関係する本を購入することもしばしばあります。

 そんな日々を過ごす中で、朝日新聞の1面書籍広告に小谷裕幸「ある限界集落の記録 昭和二十年代の奥山に生きて」富山房インターナショナル2023 を見つけ、早速買い求めました。
ある限界集落の記録

 帯のコピーには「消えゆくふるさとへの思い 岡山県中国山地、山あいの小さな集落ーー戦中・戦後、家族が辿った人生と、高度経済成長期以前の生活を、ドイツ文学者が鎮魂の書として綴った貴重な記録」とあります。

 農山漁村をフィールドにした生活歳時記的なエッセーや聞き書き、ルポルタージュや民俗学的記録や論考はこれまでも様々な形で刊行されていますが、リアルにそこで暮らしていた方が学業や就職で巣立った後に、育った集落や人々について他者にわかりやすい形で、主体的具体的に記した本というのに、これまで私は出会ったことがありませんでした。

 筆者は鹿児島大学教授を勤め、ドイツ文学が専門。専門外のテーマだからか、学術書や大学のテキストのようにはなっておらず、自由な立場で伸び伸びと自分の育った集落や人々について書かれています。かといって自分史のようになってしまってはおらず、テーマを外れることなく抑制の効いた構成だと思いました。

 そんな感想をもち、これはぜひ、書かれたフィールドを訪問したいと思い、現地へと向かいました。岡山県新見市(にいみし)上熊谷(かみくまだに)指野(さすの)へ。

*走行日:2023年12月6日(水)
*自転車:グランボア55号ランドナー
*行程:京都自宅6:10=(名神ー中国道)=大佐スマートIC=9:35JR姫新線岩山駅(車デポ)9:50〜11:00指野〜11:40草野〜12:30平吹〜12:45東山〜13:00本誓寺入口〜13:22養鶏場〜13:37大下〜13:55東前寺14:10〜14:45小坂部ダム〜15:25新見市役所横〜16:00岩山駅=(中国道)=17:15津山・あけぼの旅館(泊)
*走行距離:52km
*宿泊:あけぼの旅館(津山市)

岩山駅
写真:JR姫新線岩山駅。1929年に建築され当時の姿を多く残しているとのこと

岩山駅改札
写真:岩山駅改札

岩山駅
写真:岩山駅プラットホーム

岩山
写真:岩山の駅前通り ガソリンスタンド

岩山駅前通り
写真:岩山の駅前通り

岩山駅前メーンストリート
写真:指野へと向かう道

蔵
写真:土壁で窓の大きな蔵があった

岩山駅前で出会った方に、この本のことを話したところ、筆者の同級生の人をよく知っていて「(その人に)電話してあげようか」とおっしゃってくださったが、「お忙しいでしょうし、そこまでは、ありがとうございます」と返答したが、指野への坂道を走っていたところ自動車が止まり(先ほどの方から電話があった)、「自転車ではこの先の坂道はとても登れないだろうから車に乗せてあげる」とその同級生の方。

筆者について、「とても苦労して新見高校から大阪大学に進学し、ドイツ留学もしたが、いまでも帰省したときにはウチに必ず立ち寄ってくれる」と。
何度も車に乗るようにすすめられたが「自転車に乗るのが好きで、坂道も大丈夫ですから」と言って固辞した。
筆者の同級生の方
写真:筆者の同級生の方

指野への道
写真:指野への道

指野道路記念碑
写真:指野道路記念碑

 「指野道路記念碑」があった。指野に電気がついたのは昭和21年(1946年)、道路が通じたのは昭和35年(1960年)。道路はそこそこ傾斜があるが、グランボア55号の28X28ギアで、問題なく走れた。

指野道路記念碑
写真:指野道路記念碑

集落の入り口に石仏が鎮座されていた。
指野の石仏
写真:指野の石仏

指野の集落景観
新見市上熊谷指野

指野
写真:新見市上熊谷指野
指野からみえる山々
写真:指野から望む山々

地形図をみると、指野よりも更に標高の高いところに「草野」という集落があるので行ってみることにした。

草野への道
写真:草野への道
草野への道
写真:草野への道

草野
写真:「草野」耕地の潰廃が進んでいる

もしかして廃村になっていて通い耕作になってしまっているかもしれないと心配したが、郵便配達のバイクと出会い、杞憂であった。近代国家である日本では、全国どんなところにでも人が居住している限り郵便制度を利用できる。

草野
写真:草野、郵便配達。

草野
写真:草野:郵便配達が向かったお家

筆者が盆には訪ねた「東前寺」が山を越えた小坂部川の斜面にあるので、そこにも行ってみることにした。
地形図で実線の道路は、未舗装で落ち葉に埋もれていた。かつて使われた歩きの道とは違って後年にできた道であろうが。

東前寺への道
写真:東前寺への道

途中に平吹という集落がある
平吹
写真:平吹
平吹から下る道には自動車のタイヤ跡は見当たらず、日常的に行き来はないのかもしれない

平吹からの道
写真:平吹からの道

東前寺
写真:東前寺
東前寺
写真:東前寺
東前寺
写真:東前寺
東前寺
写真:東前寺
東前寺
写真:東前寺の石像物

東前寺から新見市街への小坂部川ダム美穀湖(みよしこ)沿いの道が、法面崩壊で通行止めになっていたが、通過。通行する車がないからか道路が落ち葉で深く覆われていて、落ち葉に隠れた岩片や石でタイヤのサイドを切らないように緊張しながら走った。
ダム横で、人の気配が全くなく、とても心細かった。

小坂部川ダム沿いの道
写真:小坂部川ダム沿いの落ち葉に埋もれた道

小坂部川ダム
写真:小坂部川ダム
小坂部川ダムからは、断崖絶壁のワインディングロードを走って新見市街へ出、岩山駅に戻った。
小坂部川ダムからの道
写真:小坂部川ダムからの帰路

翌日の行動を勘案し、宿は津山市の「あけぼの旅館」。津山市内で一番古い旅館とのこと。料理も美味しく、誠に良い宿であった。

津山 あけぼの旅館
写真:あけぼの旅館(津山市)

あけぼの旅館
写真:あけぼの旅館の部屋


 走行ログ 走行距離52km(Trail Noteソフトで制作)

おしまい

吉備から因伯の旧道、造り酒屋2023/02/16

還暦の年、京都の自宅から出生地の鳥取市へワンデイツーリングを帰省を兼ねて実行した。
その時と同じコースを走って帰省するのでは、比較して定量的な走りになってしまいそうなので、別ルートを考えた。今度は泊まりがけでのんびりと。

鳥取県の米子から倉吉までの海岸沿いを、実はこれまで走ったことがない。地形図をみると、国道を外した旧道でなかなかよさそうな道が続いている。岡山から米子へは吉備高原をメインに走るプランとした。

走りやすそうな道を選ぶと旧道であったりして、そこでは造り酒屋との出会いもある。清酒を宅配便で土産にし、蔵元の方と話す機会を得ることで旅が豊かになる。

吉備津駅
写真:JR吉備線、吉備津駅まで輪行

フォーク抜き輪行
写真:今回はオーソドックスなフォーク抜き輪行

地蔵院
写真:備中高松、地蔵院。旧松山往来沿い。

湯本屋旅館:吉備中央町
写真:吉備中央町、湯本屋旅館の部屋

芳烈酒造:有漢
写真:「芳烈」 芳烈酒造 有漢

多和山峠
写真:多和山峠

大正の鶴 落酒造場
写真:「大正の鶴」落酒造場 呰部

後醍醐天皇御腰掛岩の山陰道
写真:後醍醐天皇御腰掛岩のところの山陰道にて 御来屋

伯陽長 江原酒造
写真:「伯陽長」江原酒造 八橋

「美人長」西本酒造場
写真:「美人長」西本酒造場 青谷

魚見台
写真:魚見台:鳥取市街に近づく。砂丘まで見渡せる。

◇走行日:2022年5月21日(土)〜23日(月)2泊3日

◇使用自転車:グランボア650Bランドナーoyakata

◇行程:5/21(土):京都6:55=(のぞみ75号)=7:55岡山8:11=8:26吉備津駅9:25〜10:10備中高松城跡10:23〜11:24西塔坂峠〜12:45豪渓〜13:21岨谷上〜14:05妙本寺〜15:16 吉備中央町竹荘 鷺巣温泉 湯本屋旅館 (泊)
5/22(日):宿8:00〜9:05有漢〜9:40多和山峠〜10:00北房町〜10:29呰部〜10:50きよとうカフェ11:30〜12:28阿口小学校〜12:52岩井畝の大桜〜14:00傍示峠〜14:08刑部〜14:39大佐ダム〜15:46伯備国境〜17:51ホテルαワン米子(泊)
5/23(月):宿8:35〜9:35皆生温泉〜10:30大山口駅〜11:06御来屋〜12:49赤崎駅〜13:13八橋〜14:05天神橋〜14:40泊〜15:03青谷駅〜15:31魚見台〜16:05水尻池〜16:30鳥取大学前〜16:47鳥取市内

◇峠:西塔坂峠(164m)、多和山峠(339m)、傍示峠(ぼうじがたわ389m)
◇宿:鷺の巣温泉 湯本屋旅館(吉備中央町竹荘)、ホテルαワン米子

※ 走行ログ

還暦記念に京都から鳥取 クロモリスポルティフで220㎞2021/05/30

 歳は誰でも何をしていてもとれるもので、不肖還暦になりました。還暦誕生日の前日、記念に京都の自宅を5時過ぎに出て、国道9号でなく交通量の少ない道、遠坂峠、若杉峠、戸倉峠経由で出生地鳥取へ約220km走りました。特に疲れたりどこかが痛むこともなく、まあ特筆すべきことでもないですし、普通に走って、記念撮影。カーボンのロードレーサーで走った時よりも、断然気持ちよかったです。グランボア700cデモンタ(スポルティフ)。

ちなみに鳥取へは、ほぼこのルートで56歳の時に実行、57歳時にも走って毎年走ろうと思っていましたが58歳時は天候不順で中止、59歳時は新型コロナで自粛しました。

[写真] 2021年5月22日(土)5:12 京都の自宅を出発

[写真]篠山 7:52
篠山
[写真]篠山 7:54
柏原
[写真]柏原陣屋 8:49
柏原
[写真]柏原 8:52
柏原高校
[写真]柏原高校 8:53
水分れ
[写真]水分かれ=本州で最低標高の日本海と太平洋の分水界 9:04
青垣
[写真]青垣 9:51 つばめやさんの看板が新調されていた。
青垣
[写真]青垣 9:54(トイレ休憩)
遠阪峠
[写真]遠坂峠 10:47
大屋町
[写真]大屋町 12:22 六地蔵が街道沿いに多い
大屋町
[写真]大屋市場 12:33 まさかシェルと出光が合併するとは想像もしていなかったろう。小さな町で隣り合うガソリンスタンド。
大屋町
[写真]大屋町 12:43 いつもこの六地蔵の横で、パン昼食をとる。
日の出ホールディングス但馬醸造所
[写真]日の出ホールディングス但馬醸造所 13:15 小学校跡。仕事で2回おじゃまさせてもらった。地元の朝倉山椒でつくった「但馬のゆず山椒」は絶品。
若杉峠
[写真]若杉峠 14:15 そこそこ急坂。
戸倉峠
[写真]戸倉トンネル 14:47 2桁国道29号線だが、鳥取自動車道ができてからは交通量激減。トンネルから若桜まで出会ったクルマは5台以下。
若桜橋
[写真]若桜橋を渡ったところ 15:26
若桜
[写真]若桜 15:28
若桜鉄道隼駅
[写真]若桜鉄道隼駅 16:12 スズキのオートバイ「隼」の聖地になっているらしい。
河原
[写真]千代川 16:48 今回は河原(地名)で千代川に合流するまで走り、千代川右岸を鳥取市街へ。千代川の清流が美しい。個人的には四万十川よりも美しいと思う。比較する必要もないけれど。
鳥取城址
[写真]鳥取城址 17:23 卒業した高校への通学に使っていた橋が木製にかけ替えられ、大手門も復元されたというので、立ち寄ってみた。右後ろに見える体育館は在学当時のままの外観だ。
[写真]出会橋 17:35 小学校の通学に使っていた橋を渡って帰ることにした。後ろの山が久松山(きゅうしょうざん)で、鳥取の街を目指す時のランドマーク。
[写真]鳥取自宅  17:38 91歳父と還暦息子で記念撮影。メータ読みの平均速度20.7㎞/h。
[写真]走行ログ ※クリックして拡大
  ○ルート解説
 ・篠山への国道372号線(デカンショ街道)は、バイパスではなく山沿いの旧道。
 ・篠山から柏原への国道176号線沿いには走り良い旧道が並行して存在(大山街道)。
 ・柏原から青垣は、前回までは加古川の左岸を走ったが、今回京橋を渡って丹波市役所甲賀山の右岸にしたところ、とても良かった。
 ・山東町はJR梁瀬駅前の道を走る。
 ・和田山駅前を過ぎてすぐ、円山川沿いに降りる旧道があり、実に快適にジャスト大屋橋に出られる。
 ・若桜からは八東川左岸に実によい道がある。国道29号線も交通量少ないが、左岸がおすすめ。若桜鉄道の駅舎が渋い。
------------------------------------ 
これまでの3回のタイムを比較してみました。
最初の2回はカーボンのロードレーサー(トレック エモンダ5.2)で走り、今年はクロモリの700Cデモンタブル(スポルティフ)で走りました。

走る前は、ロードレーサーで走ったほうが速くて楽なのかな、となんとなく思ったりもしていましたが、実走後はそんなことはないと実感し、タイムを比較しても有意な差は感じられません。

もちろん、タイムトライアル的に走っているわけではありませんし、3回とも微妙に走る道が違います。同じ道を走っている区間でも、写真をとったり休憩の違いがタイムの違いという感じです。

大きく違うのは疲れ方。クロモリのデモンタで走った今年は、走り終わっても疲れを感じませんでしたが、これが自転車、その年の体力や体調、気候条件等どの因子の影響が大きいかを掴むことはできません。結果として、クロモリのデモンタで走って、とても気持ち良かった、それ以上でも以下でもないということです。

京都鳥取220㎞比較
(表)京都-鳥取220㎞ 走行タイム比較(クリックして拡大)

表をみて驚いたのは、このルートの核心部ともいえる、大屋橋--若杉峠 区間のタイムが3回ともほぼ同じなこと。2時間31.32分です。3回ともこの区間でパン昼食をお地蔵さんの傍らでとっているので、休憩時間も含めたタイムですが、それでもほぼ一緒なのは信じられません。タイムは、GPSでログをとったものを「カシミール」に落として地図上から計測しています。

▼2017/6/17走行時  TREKエモンダ5.2
若桜鉄道八東駅
▼2018/5/26走行時 TREKエモンダ5.2

○走行日:2021年5月22日(土)
○使用自転車:グランボア700Cデモンタブル(スポルティフ)
○峠:老ノ坂(219m)、天引峠(トンネル)262m、鐘ヶ坂(トンネル)267m、遠坂峠(376m)、若杉峠(729m)、戸倉峠(トンネル)731m
○行程:京都(自宅)5:12~5:49老ノ坂~7:08天引トンネル~7:50京口橋~7:58篠山城~8:37新鐘ヶ坂トンネル~8:51柏原~9:07水分かれ~9:47青垣~10:46遠坂峠~11:43大屋橋~14:15若杉峠~14:47新戸倉トンネル~15:25若桜橋~16:15隼駅~17:37鳥取自宅 合計12時間25分(休憩・観光含む) 平均速度(サイクルコンピュータ計測)20.7㎞/h

新見から根雨へ、中国山地の旅(2018/10)2019/02/11

”グランボア650Bランドナーoyakata”の納車後、初めての宿泊ツーリングにでかけた。

前から行ってみたかった、鳥取県日野郡にある「根雨」という町。「根雪」という言葉は聞いても「根雨」という言葉には馴染みがないかもしれない。

シトシトと雨がいつでも降っている暗い町、と想像されがちかもしれないが、”陰翳礼讃”というか落ち着いてしっとりとした味わい深い町、なのかもしれない。自転車ツーリングには雨よりも晴れがいいのであるが。

それと、私の母方の祖母から、婦人会の活動でご一緒だった「根雨の近藤久子さん」の話を子どものころに何度か聞いていて、幼いころの思い出の片隅に「根雨」という地名が印象付けられていた。近藤久子(1911~2004)さんは鳥取県連合婦人会長を永らく務め、郷土の環境や平和問題に熱心な方だったとされる。その昔、高等女学校から日本女子大に進み、帰省の時は人力車。根雨の近藤家はたたら製鉄ルーツの大山林地主で明治44年の「時事新報」の「全国五拾萬圓以上資産家表」1018名の中に、鳥取県から4名ランクインされている中の1人である(他は東郷・市橋、智頭・石谷、東伯郡・涌島、米子・阪口)。

根雨 近藤家前にて
写真:根雨・近藤家前にて
根雨
写真:山陰合同銀行根雨支店跡(ほんの少し前まで現役だった)
根雨
写真:根雨の町並み
根雨
写真:根雨、祇園橋

○走行日:2018年10月27日~28日
○宿泊地:鳥取県日野郡日野町根雨  旅館「朝勝館」
○使用自転車:グランボア650Bランドナーoyakata
○峠:[法ケ峠鍵掛峠、川面峠(324m)、[]=国土地理院地形図に表記の無い峠
○行程:10/27 京都=(中国道)=新見駅9:00~10:05岩山駅~11:08天原の峠~山田方谷記念館12:00~12:25方谷園~14:30四十曲トンネル鳥取県側出口~14:55根雨 泊
10/28 根雨8:00~8:47別所~9:37黒坂駅~10:26生山駅~12:00多里(昼食)~13:05鍵掛峠(広島県境)~14:05東城町頭地~14:35岡山県境の峠~15:23備中神代駅~16:00新見=(中国道)=19:36京都自宅
○走行km 10/27:65.8km(ルートラボ)、10/28:99.5km(ルートラボ)

早朝、京都の自宅を出発。中国道で新見駅前のパーキングにクルマをデポ。
新見駅にはかつてD51三重連で名をはせた新見機関区があったが、跡形もなく消えていた。駅周辺は「整備」された雰囲気だが、町には渋い建物も残っていた。
新見の糀屋さん
写真:新見市内、糀屋さん

姫新線のなかなかよい味を出している駅舎に立ち寄ったり、
姫新線岩山駅

江戸時代の有名な儒者である山田方谷の記念館に偶然出くわして見学させてもらったり、
山田方谷記念館
写真:山田方谷記念館
方谷園
写真:方谷園

ムラの平穏を願ったのであろう先人に思いを馳せたり、
地蔵堂?
写真:お地蔵さん?安置されている

スバル360が朽ちていくのを物悲しく思ったり、
スバル360
写真:スバル360

映画「八つ墓村」のロケ地になった集落を通ったり、
横溝正史 八つ墓村 映画ロケ地

地元の高校の先生が高校の神楽部を通じて地域を盛り上げたお話と出会ったり(”日本一小さい蔵美術館”で著書を購入)、
小谷博徳「世の中逆さが面白い」

しながら、岡山、鳥取、広島3県の中山間地を走った旅でした。
鍵掛峠
写真:鳥取県日南町と広島県境の鍵掛峠
阿哲峡
写真:新見の阿哲峡
新見駅
写真:新見駅に到着

○走ったルート
1日目:新見~根雨 ※詳しくはルートラボで
2日め:根雨~新見 ※詳しくはルートラボで

◎写真の続きはグーグルフォトで

物見峠、黒尾峠旧道、因美線沿線の旅 (2018/5)2018/09/30


因美線沿いを走る
写真:津山からほぼ因美線沿いに走る

これまで自転車に乗っていて、競技中と練習会の集団落車以外で公道で落車したのは2回だけ。最初は、高校生の時、岡山から鳥取に帰る途中、県境の物見峠、当時は未舗装だった、のダウンヒルで石にハンドルをとられて、あっと思った時には落車していた。特に怪我や自転車の故障もなく、すぐに走り直した。
 2回目は厳冬期、クラブの練習会で能勢の山中の峠の下り、アイスバーンになっていて問答無用で転倒、ヘルメットがアスファルトに擦れたが、ヘルメットのお陰で無傷。

 最初に転倒した物見峠にもう1回行ってみたくて、2018年の5月に津山に車をデポして日帰りサイクリングをしてきた。物見峠は舗装され、40年以上も前のことでもあるし、転倒した場所がどこなのか、全く見当も付かなかった。高校生のころは集落景観とか民家とか全く興味がなかったのだが、今走ると、その景観が心に染みた。

因美線の駅は渋く、転車台も残っていたりして、鉄道好きのサイクリストには一石二鳥のルートであろう。
因美線知和駅
写真:因美線知和駅

因美線
写真:因美線の鉄橋

【走行日】2018年5月12日(土)
【使用自転車】TOEI650Aランドナー
【峠】物見峠(626m)、黒尾峠(652m=新道トンネル)、杉ヶ乢(357m)
【行程】京都=(中国道)=津山城址公園駐車場(デポ)9:05~10:36美作加茂駅~10:52美作知和駅~11:22美作河井駅~11:52物見トンネル上12:25~12:56物見峠~13:32物見トンネル東口~14:25黒尾峠(旧道)~14:50杉ヶ乢~16:30津山城址駐車場=湯郷温泉=京都
【走行キロ】88km(メーター)
【走ったルート】
 ☆詳しくは、ルートラボ

黒尾峠旧道
写真:黒尾峠旧道

自転車で帰省。京都-鳥取(2018/5)2018/05/30


 写真:自宅を5:20に出発

昨年、京都の自宅から鳥取に自転車で帰省し、なかなか良かったので、今年も実行することにした。日照時間が長くて気温も適当な5月~6月がベスト。

去年と基本的に同じルートとしたが、相違点は下記の通り。
1)篠山から柏原に向かう鐘ヶ坂トンネル手前の「大山川」沿いは全て旧道。雰囲気、走りやすさとも、とても良かった。
2)和田山付近を円山川左岸。去年は右岸の道路を走ったが、けっこうクルマの交通が多く、イマイチだったから。和田山駅を過ぎたあたりから旧道に入ると、実に自転車に快適な道が、大屋橋まで続き、大正解であった。

今回もマイペース走行で、スピードは意識しないようにしたが、カメラ撮影は自粛して停車する時間を減らすようにして、走りを楽しんだ。摂取食物も去年より少なかったが、意識してそうしたわけではない。

【行程】
2018年5月26日(土):自宅5:20(去年5:18)~5:59(5:55)老ノ坂~7:16(7:10)天引トンネル~7:55(7:51)篠山京口橋~8:00(8:00)篠山城址~8:37(8:50)新鐘ヶ坂トンネル~8:47ファミマ柏原下小倉店(コーラ・トイレ)~8:55(9:08)柏原~9:08(9:17)水分(日本一低い分水界)~9:43(パン小休止)(10:19)青垣9:59~10:36(10:57)遠阪峠~10:51(11:15)簗瀬駅~11:02和田山駅~11:26(12:06)養父市場~11:33(12:14)大屋橋~12:27(13:11)大屋市場~14:04(14:45)若杉峠~14:40(15:15)新戸倉トンネル~15:13(15:50)若桜橋~16:32(17:10)東郡家R29~16:58(17:33)鳥取県庁~17:13(17:45)自宅
【走行距離】214km 平均速度20.5km
【峠】老ノ坂219m、天引峠324m、鐘ヶ坂219m、遠阪峠368m、若杉峠729m、戸倉峠731m
【使用自転車】TREKエモンダ
【摂取】パン3個、バナナ2本、コーラ300ml、アクエリアス300ml、水500ml
【ルート】
詳しくは ルートラボで。

篠山城址
 写真:篠山城址 8:00

柏原
写真:柏原の大ケヤキ 8:55

水分(分水界)
写真:水分 9:08

写真:青垣で一休み 9:43-9:59

遠阪峠
写真:遠坂峠 10:36

写真:大屋市場の先のお地蔵さんで小休止

若杉峠
写真:若杉峠 14:04

戸倉峠
写真:戸倉峠 14:40

鳥取城址
写真:鳥取城址=卒業した高校の前 16:58

去年よりも地図を見る回数も減り、30分程時間短縮になりました。
特に身体で痛む箇所もなく、気持ち良く走り終えました。

自転車で帰省。京都-鳥取(2017/6)2017/06/19

 月に1度、鳥取に帰省している。いつもはクルマなのでその週末は自転車に乗ったり山に登ったりできないのだが、考えてみれば、自転車で帰るという方法がある、と今更ながら気づいた。

 20歳代の時に、主として国道9号線を通って(峠のトンネルは嫌なので、迂回したり旧道)自転車で帰ったことがあるが、それ以来で、ほぼ30年ぶり。クルマの交通量が多い道を避け、京都から亀岡、篠山、柏原、青垣、遠坂峠、養父、大屋市場、若杉峠、戸倉峠、のルートにした。戸倉峠の国道29号線は、鳥取自動車道が開通してからは交通量が激減し、とても走りやすくなっているので、ノープロブレム。私が子供の頃は、国道29号線は、大幹線という感じであったが。

 偶然、日本で一番低い分水界に遭遇したり、丹波や但馬の静かで穏やかな景観の中を走り抜けることができて、とても楽しく、心地良かった。暑くもなく寒くもなく、飲食もペットボトル2本弱と小ボトル水、おにぎり2個とパン5個 とゼリー2個で済んだ。ワンコインでその日は鳥取まで帰れたことになる。20歳代の時より、56歳になった今回のほうが、断然楽に走れた。タイムトライアル的な走りではなく、マイペース省エネ走法ではあるが。

【行程】
2017年6月17日(土):自宅5:18~5:55老ノ坂~7:10天引トンネル~7:51篠山京口橋~8:00篠山城~8:10ローソン篠山東岡屋店(紀州南高梅おにぎり¥110+持参したパン2個+ウイダーゼリー)~8:47鐘ケ坂トンネル(旧)閉鎖で引き返す~8:50新鐘ヶ坂トンネル~9:08柏原~9:17水分(日本一低い分水界・パン2個)9:36~10:19青垣~10:57遠阪峠~11:15簗瀬駅~11:33ミニストップ和田山寺谷店(紅鮭おにぎり\140)~(道を間違える)~12:06養父市場~12:14大屋橋~13:11大屋市場~14:45若杉峠~15:15新戸倉トンネル~15:50若桜橋~16:25若桜鉄道八東駅(ポカリスエット+せんべい)~17:10東郡家R29~17:33鳥取県庁前~17:45自宅
【走行距離】217km
【峠】老ノ坂219m、天引峠324m、鐘ヶ坂219m、遠阪峠368m、若杉峠729m、戸倉峠731m
【使用自転車】TREKエモンダ

5:18出発。ブラックバーンの大型サドルバックを初使用。

天引トンネル

篠山 河原町商店街
篠山 河原町商店街

篠山城址
篠山城址

鐘ヶ坂旧トンネルは閉鎖
鐘ヶ坂トンネル旧道は、完全閉鎖されており、引き返す

柏原
柏原の大ケヤキ

水分
氷上回廊 分水界
「日本で一番低い分水界」モニュメント と説明板

青垣
青垣
青垣にて。渋い酒屋さん。

遠坂峠
遠坂峠

大屋市場
大屋市場:旧但馬銀行の建物。今は設計事務所が使用。

大屋市場 六地蔵
大屋市場の六地蔵ベンチで、小休止

奥若杉
奥若杉の集落
奥若杉の民家
奥若杉の民家。土壁仕様。

若杉峠
若杉峠

戸倉峠
戸倉峠

若桜橋
鳥取県若桜町、「若桜橋」

若桜の町並み
若桜の町並み。走行しながら撮影。

八東駅
若桜鉄道八東駅

鳥取市出会橋
鳥取市内、出合橋。家の近く。

角島大橋・油谷、長門の半島を巡る(2017/5)2017/05/20


角島大橋
写真:角島(つのしま)大橋
角島灯台
写真:角島灯台
俵島
写真:俵島 ※天然記念物
油谷の棚田
写真:向津具半島(むかつくはんとう)の棚田


村上春樹「1Q84」1巻P462より
「地図を眺めているうちに、『何があっても、ここに行ってみなくっちゃ』という気持ちになってしまう場所がある。そして多くの場合、そこはなぜか遠くて不便なところなんだ。そこにどんな風景があるのか、そこでどんなことが行われているのか。とにかく知りたくてたまらなくなる」

同感! 「何があっても」とまでの熱意はないが、地形図を眺めていて、山口県の日本海側の半島群を巡りたくなった。上にある地図は、その主たるエリア。というわけで2017年のGWに角島(つのしま=橋で繋がっているので半島みたいなもの)、油谷島(ゆやしま=今では砂州で繋がっている陸繋島)や俵島、全般的には向津具半島(むかつくはんとう)を巡ってきた。

【ルート】
2日め
2日め

【走行日】2017/5/5~5/6
【行程】
2017/5/4 自宅17:20=19:30(滝野社から中国道)=19:46加西SA(夕食)20:30=22:45帝釈峡PA=24:30吉羽SA(車中泊)
5/5 吉羽SA6:05=7:30美祢市営駐車場(車デポ)8:05~8:50小杉9:05~9:43西市~10:13蕎麦屋10:40~11:30田耕神社~12:10沈下橋~12:30長門粟野駅~13:50角島大橋~14:20角島灯台~15:05角島大橋(本土側)~15:54長門粟野駅~16:18油谷大橋~16:57久津(錦波旅館 泊)
5/6 泊地8:15~(雨宿り)~9:24本油谷~10:08俵島~11:07久津~11:49川尻岬灯台~12:19畑峠~12:30川尻~13:30東後畑棚田(昼食)14:20~14:30津黄峠~14:45千畳敷~15:08茅刈~15:47長門市観月橋~15:57長門湯本駅~16:56山中峠~17:56美祢市デポ地18:30=(中国道)=美東SA(夕食)19:30=21:40七塚原SA=24:03上月PA=25:03赤松PA=26:30自宅

【自転車】グランボア700Cデモンタブル
【峠】 畑峠(160m)、津黄(つお)峠(198m)、山中峠(やまなかたお)(330m)

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三原から浜田、旧庁舎巡りをしながら中国山地を縦断(2012/7)2017/05/07


沼田川。広島空港大橋
写真:沼田川上、広島空港大橋

天磐門別神社(あまのいわとわけじんじゃ)
写真:天磐門別神社(あまのいわとわけじんじゃ)

亀谷峠
写真:安芸と石見の国境「亀谷峠」

町村の広域合併で、かつて町役場があった地区がそのエリアの中心性を失ってしまうケースがしばしばみられます。今では地図を眺めていても、そこに独自の行政区、領域が存在していた痕跡もわかりにくくなっています。皮肉なことに、国土地理院の5万分の1地形図は更新がストップしているので、5万図をみることで、過去を知ることができます。中国山地の5万図を眺めていて、かつてあった役場所在地を巡ってみようと思いたち、2012年の夏に走ってきました。

町村役場の旧庁舎は、広域合併前に起債して、豪華建築に建て替わっているところがほとんどでした。合併後は大きな建物をそこにつくることは難しいでしょうから、有効に活用されることを祈るばかりです。

【走行日】2012年7月13日~16日
【使用自転車】グランボア650Bデモンタブル
【峠】馬通峠(うまどおしとうげ:357m)、印内峠(いんないだけ:385m)、亀谷峠(かめたにだお:643m)
【行程】7/13夜:京都=(新幹線)=三原(ビジネスホテル泊)
7/14:三原8:10~8:41井屋峠~9:50三原市本郷~11:43旧川内町役場~13:30福留ダム~14:08旧豊栄町役場~15:00旧大和町役場~15:49旧世羅町役場~16:35旧三和町役場~吉田町「いろは家」泊
7/15:宿8:15~毛利墓所9:30~10:47旧美土里町役場~13:30亀谷峠~15:09邑南町「矢上駅」~16:07「旧山崎家住宅」~17:22美又温泉「みくにや」泊
7/16:宿9:00~10:17浜田ダム~10:46浜田高校~浜田郷土資料館11:24~12:07浜田駅=(山陰本線)=益田(途中下車)=(山口線)=新山口=(新幹線)=京都

【ルート】

三江線 全駅コンプリート(ランドナーで)2016/10/01

JR三江線<広島県三次(みよし)-島根県江津(ごうつ)間>が廃止されることになりました。廃止予定日は2018年4月1日。

2007年に江の川と三江線沿いを走り、かねてより、もう一度訪ねたいと思っていましたが、廃線の動きの報道に接し、今度は、全35駅を訪問することにしました。

1日の運行本数は少ないのですが、駅は綺麗に掃除され、花の手入れもきちんとされていて、三江線は、本当に地域の人に愛され大切にされている存在なのだと感じました。

三江線の維持にどれくらいのお金が必要なのか知りませんが、鉄道が無くなることで地域の衰退に拍車が掛かることにもなりかねません。地域の誇りを保ち、それこそ「国富を守る」ためにも、鉄道が存続できるようにオルタナティブな道がとれないのでしょうか。災害が生じても道路は税金で治しますが、鉄道は基本的には事業者負担。国土を守る費用として、原発関連に使われる費用とは比べものにならない小さな金額で、鉄道を生かして地域振興をはかることはできないものなのでしょうか。狭義での経済合理性の枠内で考える限り、赤字ローカル線の廃止は「やむを得ない」ことになりがちですから、パラダイムの変革で活路を見いだせないものでしょうか。

ルートは、基本的に下りで交通量も少なく、実に走りやすくて気持ちの良い道です。写真を撮りながらなので止まることも多く、走行距離はメーター読みで140km、ツーリングとして1日に走る距離としては長いのですが、楽ちんでした。

江津駅前のビジネスホテルに泊まり、翌朝は三江線に乗車しました。窓の外、自分が走ってきた道を眺めながら。

【使用自転車】 TOEI700Cランドナー
【行程】
2016年9月9日(金) 京都市内五条葛野大路GS21:10=(中国道)=24:40七塚原SA(車中泊)
9月10日(土)七塚原SA6:15=6:35三次駅近くの駐車場(車デポ)7:12~7:15三次駅~8:16長谷駅~9:40作木口駅~10:04口羽駅~10:40宇都井駅11:05~12:07潮駅~12:55沢谷駅~13:09浜原駅~14:47石見川本駅~16:04川戸駅~17:06江津本町駅~17:18江津駅~ビジネスホテル(泊)
9月11日(日) ホテル~江津駅6:00=(三江線423D)=9:21三次駅=デポ地10:00=(中国道)=16:00京都(自宅)

三江線 粟屋駅
三江線粟屋駅:綺麗に花が生けてある。この後、他のたくさんの駅でも一緒だった。

江の川と三江線
三江線と江の川に沿って走る

三江線 潮駅
潮駅

三江線 江津本町駅

三江線コンプリート