ミレーのザック 「シェルパ」-スキー用に買ったのが沢登りで活躍 ― 2016/09/23
写真:ミレー「シェルパ」 made in FRANCE
1986年1月、就職して最初のボーナスをもらった後、当時、京都の木屋町御池の阪急ビルの1Fにあった「らくざん」という山とスキーの店で購入。枚方の香里園にあった独身寮から出かけて。
ホイチョイ・プロダクション原作の「私をスキーに連れてって」というバブル期スキー全盛時代を象徴する原田知世主演映画の公開が1987年。その直前、バブル経済前夜の、まだ地味な時代ではあったが、スキーブームというのは既に始まっていた頃のことである。
会社の健保組合の保養所が志賀高原にあり、職場や関連企業の女子社員も一緒になってスキーに繰り出しており、私も誘われたのがきっかけ。
当時、一般的に使われていたキャスター付きでゴロゴロ引っ張る普通のスキーバックを買おうと思っていたのだが、店員さんから「スキー場では転がせないので背負う方がいいし、登山用のなら1年中使える」「このザックは良いものだから、これを買ったらよい」と言われて、素直にそうした私であった。
それまで大きな登山用ザックというのは所有したことも背負ったこともなかったのだが、試しに背負ってみると、自分にジャストフィットしていると、すぐにわかった。
それから10年間、スキーをけっこう一生懸命やり、いつもはリフトが止まる夕方ギリギリまでガツガツ滑っていたのだが、その日に限って、なぜか早く切り上げたくなって、路線バスと長野電鉄を乗り継いで志賀高原寮から京都の自宅に帰ったことがあった。その翌朝が阪神大震災で、それを機会に、スキーは止めた。
それからずっと、屋根裏収納庫に眠っていたミレーのザックであったが、山を始めてから大活躍している。ミレー本来の使い方で、ザックも喜んでいるだろう。
登山用のザックも、いろいろ買ったが、最初のこのミレーのザックが一番フィットする。有名バックパッカーが絶賛しているザックメーカーの定番商品でも、私には今イチだと感じたものもある。
シンプルなザックで、単なるズタ袋のよう。ポケットも上蓋にあるだけ。背負いベルトもウエストベルトやフレームも単純。最近のザックのように凝った形状や造りは見当たらないが、肩紐や背面の弾力・しなり具合が良く、とても背負いやすい。
冬のテント泊縦走に使うには小さいが、シビアな山行、例えば沢登りや岩などには、ジャストフィット。これ以上大きい容量だと、バランスと厳しい立ち込みを求められるシビアな山行では、私の実力では背負えない。
「MADE IN FRANCE」時代の製品。その後、ミレーはアジア各国での生産に切り替えている。それだからどうこういうことはないが。
金具も独自のもので、メーカー毎に個性のある時代の最後の良品かもしれない。
購入後四半世紀経ってから、一番使用頻度が高いザックになるとは、不思議なものである。
写真:ミレー「シェルパ」の背面
写真:タグ
写真:肩ベルトの長さを調整するミレーオリジナル金具
写真:底には、沢登り用に水抜き穴を開けた。東急ハンズで道具を買って加工。
※もっと大きい穴のほうがよかった
※もっと大きい穴のほうがよかった
写真:アイゼン等固定用バンドのミレーオリジナル金具
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