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国東半島、姫島2023/02/08

国東半島(くにさきはんとう)には何故か惹かれるものがあり常々訪問したいとは思っていたが、半島は一つの山のようで、侵食されてできた谷ごとに集落があり、道路は海岸沿いと谷の中ぐらいしかなく、なかなかコースがとりにくい。

宇佐駅を起点に、宇佐神宮、安心院(あじむ)の佐田京石(さだきょういし)、熊野磨崖仏、富貴寺(ふきじ)、田染荘(たしぶのしょう)、両子寺(ふたごじ)、杵築(きつき)の城下町を巡り、姫島に渡ってから宇佐駅に戻る3泊4日の旅とした。多くの石造物と出会えた。
<コース実走図> 青線が走行ログ (クリックで拡大)

◇走行日:2021年4月28日〜5月1日
◇使用自転車:グランボア650Bランドナーoyakata
◇行程:4/28(水)京都6:55=(のぞみ75号)=9:23小倉10:10=(ソニック11号)=10:57宇佐〜11:46八十八体の仏11:58〜12:08宇佐神宮12:48〜13:33安心院京石13:40〜15:05熊野磨崖仏15:42〜16:00本宮磨崖仏〜16:15「旅庵 蕗の薹」
4/29(木)宿(富貴寺)10:15〜10:50田染荘展望所〜11:07朝日観音・夕日観音11:37〜11:46真木大堂12:28〜12:39鍋山磨崖仏12:46〜13:27財前家宝塔13:40〜14:13走水峠〜14:34両子寺15:22〜15:48三浦梅園旧宅〜16:42安岐橋〜17:37杵築市 ホテル「いな里」(泊) 
4/30(金)宿7:50〜(杵築市内ポタリング)9:15〜9:58城ケ谷峠〜11:33走水トンネル〜12:28国見町野田の寺12:44〜13:10国見港(姫島行きフェリー乗場)13:35=(フェリー)13:55姫島港〜14:16観音崎〜15:12姫島灯台15:26〜16:22安西旅館(泊)
5/1(土)宿7:25〜姫島港7:55=(フェリー)=8:20国東港〜8:42妙見隧道〜9:08竹田津隧道〜10:33真玉寺10:53〜11:43豊後高田市昭和の町11:54〜12:19JR宇佐駅13:49=(ソニック32号)=14:37小倉14:55=17:22京都

◇峠:走水峠(474m)、城ケ谷峠(240m)
◇宿:旅庵「蕗の薹」、ホテル「いな里」、安西旅館

宇佐神宮
写真:宇佐神宮

熊野磨崖仏
写真:熊野磨崖仏

国東塔
写真:富貴寺の国東塔

田染荘展望所
写真:田染荘展望所

杵築城
写真:杵築城 遠望

杵築の城下町
写真:杵築の城下町

姫島灯台
写真:姫島灯台

真玉寺
写真:真玉寺

水俣から椎葉村、諸塚村2022/12/17

九州新幹線を利用すると、私の住む京都と九州は、以前では考えられないくらい近い。
九州山地の奥深く、椎葉村(しいばそん)を訪ねるのが今回の旅のモチーフ。
出発地には早めに着いて、帰路にしみじみと車窓風景を楽しむのが好きなので、新幹線の通る熊本側から九州山地を横断して宮崎側に抜けるプラン、出発地は水俣とした。

新水俣駅は雨。水俣に来た以上、やはり水俣病資料館に行かねばと思い、レインウエアを着込んで出発。水俣湾を望む小高い丘に、周囲を圧迫しない白い建物があった。

水俣病資料館
写真:水俣病資料館
水俣湾
写真:水俣病資料館近くで望む水俣湾

もし自分が水俣病の加害企業であるチッソの社員だったら、もしお得意先がチッソでその担当だったとしたら、どう考えて、どう振る舞ったのだろう、と思ったりした。

しかし、帰宅してから関係資料に目を通したりしたところ、そんな甘いものではないと気付いた。会社のスタンスに疑問を感じたりするようであれば、勤めあげるのは困難な事象に満ちた状況だったのではあるまいか。事実の隠蔽と策動、差別に立脚した大企業の存在とその社員の待遇。

チッソは2011年に事業を子会社の「JNC株式会社」に全面的に譲渡し、持ち株会社になっている。「JNC株式会社」の会社案内・沿革をみたところ、水俣病について一文字も触れていない。どうしてこの会社が現在の形で存在しているのか、まったく説明がないのは奇異に感じる。負の歴史は親会社のチッソに全部置いてきました。今の私たちの会社にはもう関係ないです、とでもいいたいのであろうか。

水俣駅
写真:水俣駅

”2014年歌会始の儀”の御製
「慰霊碑の先に広がる水俣の海青くして静かなりけり」
水俣をめぐっての二首の御製
「あまたなる人の患ひのもととなりし海にむかひて魚放ちけり」
「患ひの元知れずして病みをりし人らの苦しみいかばかりなりし」

水俣病についてこれまでほとんど知らずにきたことを恥じた。
高山文彦「ふたり」講談社文庫2018を一気に読み終えての反省。
高山文彦「ふたり」


水俣市内を通って、1988年に廃線になったJR山野線跡地利用の「日本一長い運動場」を走って京町温泉を目指した。
日本一長い運動場
写真:「日本一長い運動場」=山野線跡 起点
山野線跡
写真:水俣川にかかる鉄橋
山野線
写真:山野線プレート
山野線跡
写真:いかにも鉄道跡の道
日本一長い運動場 終点
写真:「日本一長い運動場」終点。旧山野線は、まだまだ続いていたが。
水俣市大川
写真:このような普通の商店も絶滅危惧種か。水俣市大川。

水俣市と伊佐市の境の峠を下り、伊佐市布計。雨足は強まり、手が冷たい。全体に寒くなってきてダウンヒルがつらい。寒いときは上りの方が体が温まり、楽。

走り続けたかったが、なぜか写真を撮りたくなり、伊佐市布計で止まる。雨のせいもあってすごく暗くて寂しい集落に感じられたが、以前は山野線の駅や学校もあった。
伊佐市布計
写真:伊佐市布計

峠を降りて「麓」という町に出た。薪を並べたお店があった。かつてメジャーな存在だったのが薪炭業。
伊佐市麓

すぐ近くに山野線山野駅跡があった
山野駅跡
写真:山野駅跡
山野駅跡
写真:山野駅記念碑

平地を走り、伊佐市街を抜けてえびの市境の峠を超えたところで雨は止んだ。
京町温泉の「あけぼの荘」泊。
えびの市峠道
写真:京町温泉への峠

翌日は、快晴。宿泊した宿。
京町温泉 あけぼの荘
写真:京町温泉あけぼの荘

全く知らなかったが、京町温泉というのは田舎の鄙びた温泉ではない。昭和の時代は華やかな温泉地であったのであろう。
京町温泉
写真:京町温泉
京町温泉
写真:京町温泉。ストリップ劇場と思われるものが現存していた。

京町温泉からえびの市の農村地帯を走る
えびの市
写真:えびの市
えびの駅
写真:えびの飯野駅

川内川(せんだいがわ)上流のクルソン(狗留孫)峡から温迫(ぬくみさこ)峠を経て今日の宿泊地水上村湯山温泉へ行く予定をたてていた。

クルソン峡
写真:クルソン林道
ところが、災害通行止めだった。道路情報には載ってなかったようだが。
工事箇所は通過させてもらい(工事の人たちはとても紳士的かつ親切でいっぺんに宮崎県のファンになった)、行けるところまでいってみようと進んだが、結構シビアな崩壊箇所が現れた。1箇所通過しても、その後どれだけ崩壊箇所が現れるかわからないのと、迂回路も人家もない山間地でなので、引き返すことにした。大きく迂回することになるがやむを得ない。

クルソン林道通行止め
写真:クルソン林道 災害復旧工事箇所
クルソン林道
写真:通行止め箇所を通過させてもらったものの、しばらく行って、シビアな崩壊

クルソン林道を引き返していたところ、頭上に巨大な橋梁がみえた。
クルソン大橋
クルソン大橋という看板があったので、通ってみることにした。
写真:クルソン大橋案内看板

クルソン大橋
写真:クルソン大橋の上。高度感があり、けっこう怖い。
クルソン大橋より見下ろすクルソン林道
写真:クルソン大橋から眺めたクルソン林道

山沿いに旧道の堀切峠を経て球磨川流域に入り、水上村湯山温泉へ。

堀切峠
写真:堀切峠

峠を下ると、球磨川エリアになる。くま川鉄道(旧国鉄湯前線)に沿って沿って走る
くま川鉄道
写真:くま川鉄道
湯前駅
写真:くま川鉄道の終着駅「湯前駅」

湯前を過ぎると高度を上げ、市房ダム沿いに水上村へ。
写真:市房ダムに上がるループ橋

翌日も快晴。宿泊した「水上荘」
水上荘

水上荘
写真:水上荘
湯山峠を越えて椎葉村へ
椎葉村

椎葉村
写真:椎葉村

飯干峠を越えて、椎葉村役場のある中心集落を目指す
飯干峠へ
写真:飯干峠へ
飯干峠へ
写真:飯干峠途中からの展望
飯干峠
写真:飯干峠
椎葉村
写真:飯干峠下り、椎葉村を望む
椎葉村
写真:椎葉村上椎原へ
椎葉村・使い込んだトラック
写真:使い込まれたトラックがあった。ウインカーが破損しているので公道不可か。
椎葉村立小崎小学校
写真:椎葉村立小崎小学校

柳田國男が1908年(明治41年)7月、椎葉村に1週間滞在し、「後狩詞記(のちかりのことばのき)」を記すきっかけとなった、当時の村長、中瀬邸。
中瀬邸
写真:中瀬邸
日本民俗学発祥の地碑
写真:「日本民俗学発祥の地」碑
椎葉村教育委員会
写真:椎葉村教育委員会の説明
中瀬邸
写真:中瀬邸

中瀬邸には現在の当主がいらっしゃったので挨拶をして辞する

椎葉村
写真:中瀬邸付近、椎葉村の景観

上椎原ダム
写真:上椎葉ダム

ダム側に中学校があった。椎葉中学校には寄宿舎「醇和寮」があり、全生徒の8割が入居しているとのこと。村内には高校もないので小学校を卒業したら親元を離れることになる。

椎原中学校
写真:椎葉村立椎葉中学校
椎原中学校
写真:椎葉中学校 寄宿舎「醇和寮」標柱

椎葉村の中心、椎葉厳島神社。平家の残党を追ってきた那須大八郎(那須与一の弟)ではあるが、椎葉で隠棲する平家一門を赦免し、厳島神社を勧進したとのこと。

椎原厳島神社
写真:椎葉厳島神社

椎葉民俗芸能博物館
写真:椎葉民俗芸能博物館:なかなか見応えがあった。

那須家住宅
写真:重要文化財 那須家住宅
那須家住宅
写真:那須家住宅
椎葉村中心部
写真:椎葉村中心部
椎葉村
写真:椎葉村上椎葉
椎葉村
写真:商店には「オガライト」があった
椎葉村
写真:上椎葉

天気が崩れてきており、追い立てられるように走り、諸塚村へ

椎葉村
写真:下椎葉の旧道トンネル

写真:諸塚村の宿

翌日は激しい雨となり、予定を短縮して民宿の車でバス停まで送ってもらい、バス輪行で日向駅へ出て、帰宅した。

諸塚村バス停
写真:諸塚バス停
写真:諸塚からバス輪行
写真:日向市からの切符

◇走行日:2022年3月23日(水)〜26日(土)
◇使用自転車:グランボア650Bランドナーoyakata
◇行程:3/23:京都駅6:07=6:37新大阪=(さくら543号)=10:33新水俣駅〜12:00水俣病資料館12:57〜13:08水俣駅〜14:14「運動場」終点〜15:11伊佐市との峠〜14:50山野駅跡〜17:10えびの市との峠〜17:46京町温泉「あけぼの荘」走行:84km
3/24:「あけぼの荘」8:00〜9:13「えびの飯野」駅〜9:40クルソン峡〜10:23クルソン峡引き返し地点〜11:32クルソン大橋〜12:53堀切峠〜14:46大畑町〜15:15球磨川沿い〜16:24湯前駅〜16:50市房ダム〜17:05水上荘  走行:112km
3/25:水上荘7:56〜8:30市房山キャンプ場〜10:00湯山峠〜11:31飯干峠12:15〜13:06中瀬邸〜14:00上椎葉15:12〜15:32那須橋〜16:06岩屋戸〜16:38諸塚〜16:47「森の民宿 樹の里」 走行:74km
3/26:諸塚バス停9:21=10:51日向駅11:21=にちりん8号=13:40大分13:45=ソニック74号=15:03小倉=15:10=のぞみ40号=17:38京都

◇峠:堀切峠(720m)、湯山峠(942m)、飯干峠(1045m)

◇宿:3/23 京町温泉「あけぼの荘」、3/24 湯前温泉「水上荘」、3/25 諸塚村「森の民宿 樹の里」

*走行ログ

紀勢線サイクルトレイン、御坊から牛廻越で十津川・木本・新宮2022/12/04


JR西日本 紀勢線 サイクルトレイン
写真:紀勢線サイクルトレイン車内

JR西日本の紀勢線(御坊ー新宮)で電車に自転車をそのまま載せられる「サイクルトレイン」が実施されている。特別の日のイベントというのではなく、地元の人が軽快車で日常的に使えるようなコンセプト。
シンプルな仕組みで、最初はこんなんで大丈夫なのか、と思ったが、輸送事業者側と利用者側の労力が最小限で済んで、お互いにメリットのある方式だと考えられる。利用者がマナーを守れることが前提。
提案した職員の人たちと、それを認めた管理者層には感謝。

自転車と列車を組み合わせた旅は、楽しい。自転車で走り終えた後、しみじみと車窓風景を味わいながら、列車のリズムに身を任せるのは至福の時。

今回のコースは、JR御坊駅から龍神村、牛廻越(うしまわしごえ)で十津川、白谷トンネルを抜けて木本、新宮。新宮駅からサイクルトレインで御坊駅に戻るというもの。

紀伊半島を横断する牛廻越は、高校生の時、まだ白黒の5万分の1地形図をみて、おどろおどろしくクネクネで人煙まれなエリアを通る、すさまじい道があるものだと驚いた記憶がある。

行程上、御坊駅を朝早く出発したいので、京都の自宅からはクルマで御坊駅まで行き、駐車場にデポすることにした。

御坊から新宮

JR御坊駅をスタートして、日高川左岸を走る。右岸は国道だが、左岸は細い道。伝統的な稲架があったりして、味わい深く期待通りの景観。途中で一旦対岸に渡り、道の駅で朝食。
蟷螂(かまきり)峠は、トンネルではなく旧道を行く。ダートが混じったりして、予想よりハードだった。
かまきり峠
写真:蟷螂峠

日高川から離れ、龍神村へは川合峠(地形図には峠名の記載がない)。クルマはほとんど走っていないみたいで、路面も荒れていた。普通乗用車では厳しそうなギャップや道路の割れが生じていた。

龍神村からはメインディッシュの牛廻越。ガードレールや路肩の白線もなくて、横は崖、落ちると重篤な結果をまねくであろう箇所がそこかしこにある。龍神から十津川へは山側走行なので怖くはないが、反対向きのダウンヒルだとリスクが大。

牛廻越への道
写真:国道425号、牛廻越。
牛廻越
写真:牛廻越のピーク。和歌山県龍神村と奈良県十津川村の境界。

無事、十津川温泉に到着。「平谷荘」泊。晩御飯に海魚の刺身が出て、「(山深い)十津川で刺身とは」と思ったが、女将さんがいうには新宮や勝浦からクルマで1時間ほどなので、とのこと。昔なら考えられない。

平谷荘
写真:十津川温泉 平谷荘。いい湯だった。

翌日は、芦廼瀬川(あしのせがわ)に沿って白谷トンネルを目指す。
芦廼瀬川には沢登りで3回きており、思い出深い場所。山深い紀伊山地でもその中核といえる場所。

芦廼瀬 白谷
写真:沢登り時、遡行終了後のデポ地広場。とても貴重な思い出の場所。
白谷トンネル
写真:白谷トンネル。

その後は不動トンネル、新大峪(しんおおさこ)トンネルと、長大トンネルを2つ抜けて熊野市へ。交通量が少なく、トンネル内でも不快な印象はなく済んだ。

熊野市駅前に地元の本屋さんがあり、立ち寄ってみた。地元の本を3冊買ったところ、年配の店主さんが話しかけてくれて、木本(熊野市の中心部)の街並みについて学んだ。いつ閉店になってもおかしくないような(失礼!)印象を店に入ったときには受けたが、志をもって続けられてきたことがわかった。本屋をやって、こども2人を大学に出した、としみじみ話してくれた。

熊野市駅 西書店
写真:熊野市駅前「西書店」
写真:購入した本

木本
写真:木本の街
木本の洋服屋さん
写真:木本の洋服店。ミシンを通りから見えるように配置しているのが印象的。料亭に対する割烹と相通じる精神か。

木本「紀南荘」泊。自転車ロードレースのチームも合宿で利用したりするとのこと。魚ではなく肉料理だった。

翌日は、木本の街並みをゆっくりポタリングした後、七里御浜。国道42号線ではなく、海沿いの管理道路を主に走って、新宮へ。
獅子巌
写真:獅子巌(天然記念物)
七里御浜
写真:七里御浜

新宮駅からはサイクルトレインで御坊駅へ戻り、帰宅した。
紀勢線 サイクルトレイン
写真:サイクルトレインの説明
新宮駅 サイクルトレイン
写真:新宮駅ホーム
紀勢線 車窓風景
写真:紀勢線、車窓


◇走行日:2022年10月14日(金)〜16日(日)2泊3日
◇使用自転車:グランボア650Bランドナー
◇行程:10月14日(金):京都自宅5:03=(自動車)=7:32御坊駅近駐車場、JR御坊駅7:55〜9:00サンピン道の駅9:20〜9:57蟷螂峠〜11:20椿山ダム〜11:52糠越トンネル〜13:05不老長寿の水〜13:34川合峠〜13:50龍神郵便局〜15:05牛廻越〜16:40十津川温泉「平谷荘」走行距離:117km
10月15日(土)平谷荘8:25〜9:30芦廼瀬川分岐〜10:41葛川隧道方面分岐〜11:49白谷広場12:18〜12:43白谷トンネル〜13:51不動トンネル〜15:13新大峪(おおさこ)トンネル〜15:40JR熊野市駅〜(ポタリング)〜16:30南紀荘(泊)走行距離:78km
10月16日(日)南紀荘7:20〜(木本ポタリング)〜8:10獅子巌〜9:16阿田和〜9:50鵜殿〜(新宮ポタリング)〜10:48JR新宮駅:11:44=(サイクルトレイン)=14:21紀伊田辺14:45=15:28JR御坊:駐車場15:42=(自動車170km2時間28分)=18:10京都自宅
走行距離:35km
◇宿:10/14 十津川温泉「平谷荘」、10/15 熊野市木本「紀南荘」
◇峠:蟷螂峠(237m)、川合峠(707m:地形図記載なし)、牛廻越(792m)、
白谷トンネル(864m)、不動トンネル(288m)、新大峪トンネル(428m)

鎧駅、浜坂から城崎へ但馬御火浦(たじまみほのうら)2022/11/27


鎧 集落
写真:兵庫県香美町鎧:自転車の道路はJR鎧駅で行き止まり。下の道路は集落の中を通って海で行き止まり。

宮本常一編「僻地の旅」修道社1960 という本を以前古書店で入手し、時々読み返したりしている。その中で写真・文筆家の大竹新助が「山陰の辺境」と題して城崎から鳥取にかけての海岸沿いのエリアについて描いている。

リアス式海岸の湾奥に集落が立地。自動車の走れる道路は高度経済成長期を経てようやく開通。それまでは船と歩きの細い道、隣の集落へは鉄道線路を歩くことが移動手段だった。

船と徒歩に頼る生活は、なにも兵庫県北部から鳥取県にかけての漁村に限ったことではないのだが、鉄道の本線(山陰本線)が走っているすぐ側の集落がそうであることが東京に住む大竹新助には意外だったようだ。「鎧駅」のある「鎧」集落や、鉄道が通過していても1959年(昭和34年)まで駅がなくて「陸の孤島」といわれた余部(あまるべ)集落がその典型。

かつて「日本の僻地」といわれたこのルートを帰省の行き帰りに何度か自動車で通過しているが、その度に今度は自転車で走りたいと思うのであり、このたび実行した。

城崎浜坂ルート
図:浜坂から城崎へのルート。
赤線は登りで青線は下り基調(Mac”Trail Note”ソフトで作成)

JR浜坂駅をスタート
写真:JR浜坂駅をスタート

浜坂 岸田川
写真:浜坂の街並みを抜け、岸田川を渡る


三尾
写真:尾根を越えて、ダウンヒルで「三尾(みお)」の漁村

但馬御火浦
写真:「三尾」「但馬御火浦」碑があった

但馬御火浦

但馬御火浦

但馬御火浦
写真(上3枚):人けのない海沿いの道を走り続ける。天気が良いので安心。

余部埼灯台
写真:余部埼灯台。国内で一番標高が高いところにある灯台とのこと。
遠くに灯台が見えた時、歩きでないと行けないかと思ったが、灯台まで舗装路だった。

余部埼灯台からの眺め
写真:余部埼灯台付近からの眺め

御崎 集落
写真:「御崎」集落。海面から150m以上高い孤立した立地。平家の落人部落。漁村的ではない。

坂を下って余部の集落
写真:海沿いのクネクネ道を下って、余部(あまるべ)集落手前。余部鉄橋が見える。

余部鉄橋
写真:余部集落内からみた、余部鉄橋、余部駅。かつては東洋一の高さを誇った。

余部鉄橋
写真:コンクリ製の2代目鉄橋に架け替えられた余部鉄橋

余部鉄橋を渡っていた回送客車列車の客車部分が強風で落下し、カニ加工場で働く地元の主婦5名と車掌が亡くなったのは1986年12月28日。私は、ちょうど年末の出勤当番で会社にいて、事故の一報を聞いて驚愕した。

余部鉄橋が竣工したのは1912年(明治45年)。それをもって山陰線が全通。
明治の早い時期に鳥取から京都へ出た私の本家の方のアルバムに余部鉄橋完成時期の写真が残っていた。
余部鉄橋
写真:余部鉄橋、竣工時期に撮影されたものと推察される

余部鉄橋の上り香住側、トンネルをいくつか抜けたところにあるのが鎧駅。
ホームから海が望め、ポスターで紹介されたりロケ地に使われたりしている。列車で通過する度に訪問してみたいと思っていた。道路は駅で行き止まり。生活道路に、車で乗り入れるのは憚られ、自転車だと好都合。

鎧駅へ
写真:自転車の道は鎧駅で行き止まり。下の集落の道は海で行き止まり。
鎧 集落
写真:鎧の集落
鎧駅手前
写真:鎧駅へ
私の受験や帰省、母の疎開、父の出張、祖父が御大典で上洛する時もこの鉄路を通ったのは確かで、同じような車窓風景を見たかもしれない。

鎧駅
写真:鎧駅
鎧駅
写真:鎧駅 ホームより海を望む

鎧駅
写真:鎧駅

鎧から県道へ上がる道には、文化年間のお地蔵さんがあった。
鎧 地蔵

香住の街を抜け、何度か海沿いのアップダウンを繰り返す。
海沿いの県道開通記念碑があった。難工事、住民の悲願だったのだろう。香住区相谷。
県道香住久美浜線開通記念碑
写真:「県道開通記念 香住久美浜線 昭和45年7月」

但馬の海岸をひた走る。

写真:香住ー竹野間
竹野からは鋳物師戻峠で城崎へ
鋳物師戻峠
写真:鋳物師戻峠

城崎温泉
写真:城崎温泉
このまま旅館に泊まれば最高なのだが、輪行で浜坂に戻り、帰宅することに。

城崎駅から輪行
写真:城崎からデモンタブル方式で輪行。キハ47の車内。

浜坂駅に到着
写真:浜坂駅に到着

夕方5時過ぎにはすっかり暗くなった浜坂駅に到着。京都の自宅へはクルマで帰る。

◇走行日:2022年11月21日(月)
◇使用自転車:グランボア650Bデモンタブル
◇行程:京都自宅4:15=(自動車)=6:40ローソン豊岡福田店(朝食)7:00=7:43浜坂駅8:06〜8:54三尾〜10:08余部埼灯台10:20〜10:45余部(昼食)11:30〜11:47鎧駅12:10〜12:30香住〜14:10竹野〜14:30鋳物師戻峠〜14:42城崎(輪行)城崎駅16:21=17:18浜坂駅17:25=(自動車)=20:30京都自宅
◇峠:鋳物師戻峠(248m)

余部の道の駅で購入した小冊子 余部鉄橋架替記念事業記念誌「余部鉄橋」兵庫県香美町2007年2月発行1100円、が大変参考になった。

コンセントレーションおにゅう峠(2022/11)2022/11/05

コンセントレーションの日本語訳は「集中」。
江若国境の「おにゅう峠」に11月3日の12時から13時の間に各人が集まるというイベントに参加してきた。

京都のツーリング自転車専門店「I’s Bicycle」のお世話で、感染症のため3年ぶりの実施。
好きなコースでバラバラに集まるのだが、私は、オーソドックスに花折峠(トンネル)、梅ノ木経由の自走。峠からは小浜に下って、輪行。走行距離は92km。

走行ログ(クリックして拡大)

走行ログの断面  ※走行ログはスマホアプリ「スーパー地形」で計測し、macの「Trail Note」で表示したものを使用

京都から大原、花折峠を越えて朽木谷から若狭へと繋がる国道367号線は、京の都へ若狭から鯖を運んだ「鯖街道」の歴史を持つルートだ。

私が自転車ツーリングを始めた頃、この道には路線バスと乗用車がすれ違うにも苦労するような箇所があちこちにあり、地形と折り合いをつけてなんとか通させてもらうような謙虚な道で、趣きがあった。近年改修されてしまって、トンネルと橋脚で直線的に車がビュンビュン飛ばして走るバイパスのようになってしまったが、今回、久しぶりにしみじみと走ってみることにした。

自宅を6:40に出発。自転車はグランボア700Cデモンタブル。
堀川玄以のコンビニで食料を買い、静原、8:08に江文峠で出発してちょうど1時間半。

江文峠
写真:江文峠

大原の旧道を走って8:38途中越。付近は霧に覆われていた。
花折トンネル9:03、止まって写真を撮る。

花折トンネル
写真:花折峠(トンネル)

国道は改修されているが、旧道が残っているところは、そこを選んで走る。

葛川木戸口町
写真:朽木谷:葛川木戸口町

葛川町居町
写真:朽木谷:葛川町居町・・・司馬遼太郎「街道をゆく」第1巻にも朽木谷は登場

梅ノ木で国道367号を離れ、朽木の西谷、針畑川沿いを走る。
惚れ惚れするほど、サイクルツーリング向きのエリアだと思う。
幸せを感じながら、ペダルを踏む。

朽木平良の民家
写真:朽木平良の民家

朽木桑原の神社の銀杏が色付いていた。

朽木桑原
写真:朽木桑原

蛭子神社
写真:蛭子神社(朽木桑原)

簡易郵便局のある朽木古屋。

朽木古屋
写真:朽木古屋:簡易郵便局

朽木古屋
写真:朽木古屋

おにゅう峠の登り口の集落「生杉」にある山村都市交流施設「山帰来」に10:45着。
カップヌードルでエネルギー補給。それにしても、快適な空間で食して200円というのは安すぎると思う。

山帰来
写真:朽木生杉にある「山帰来」

11:00に「山帰来」を出発しておにゅう峠到着11:42。私の場合、鞍馬神社から花背峠に登るのとほぼ同じ所用時間。傾斜は花背峠ほどきつくない。

おにゅう峠
写真:おにゅう峠

おにゅう峠への道
写真:おにゅう峠手前にて

生杉側
写真:朽木生杉側を望む

グランボア700cデモンタブル
写真:グランボア700cデモンタブル

おにゅう峠ではアイズバイシクルの皆さんにお迎えいただき、お菓子など、いろいろ頂く。総勢40名ほどが集まり、13時に記念撮影をして解散。

2022コンセントレーションおにゅう峠
写真:コンセントレーションおにゅう峠2022

写真:おにゅう峠・若狭側

小浜へのダウンヒルでは、遠くに上根来の集落と日本海が見えた。

写真:若狭側。上根来の集落と遠くに日本海。

上根来
写真:上根来

奈良・東大寺の「お水取り」のための水を採取して送る「若狭井」の神社は通過して、「遠敷(おにゅう)」の町へ(13:59)。

遠敷
写真:「遠敷」旧丹後街道
遠敷
写真:「遠敷」旧丹後街道

南川を渡り、小浜駅へ。南川沿い、国道27号線との交差点まで、京都・高雄から毎年、周山街道往復180kmタイムトライアルをチームで実施していたのが、懐かしい。6時頃出発して昼ごはんは高雄に戻って食べていたので、平均速度28km位だった記憶。もう30年程前の話。

南川
写真:国道27号線、南川の橋より、遠く丹波・京都方向を望む。

14:15小浜駅着。
今回は、久々にデモンタブル輪行。
輪行方法はフォーク抜きに美学を感じていたが、デモンタブルが実に簡単で手も汚れないと再認識。昨年、デモンタブル方式に「開眼」して、実践するのはそれ以降今回が初めてなのだが、想像以上の楽ちんさだった。以前の練習時よりもスリムに収められた。デモンタブル、恐るべし。

小浜駅
写真:小浜駅

小浜線で東舞鶴経由で京都へ。車窓からは若狭の海が広がる。

若狭の海
写真:小浜線の車窓より、若狭の海。

若狭湾の半島にある原発からの送電線。大阪や京都は、その恩恵を受けてきた。
水上勉の故郷の駅の近くにて。
原発からの送電線

嵯峨嵐山駅18:07、輪行組立スタート
デモンタブル輪行
写真:デモンタブル輪行袋を開けたところ

18:25には組立て、前後バッグも装着。特に急いだわけではないのだが、18分で完全に走行状態に復帰した。


おしまい。

◇走行日:2022年11月3日(木)
◇使用自転車:グランボア700cデモンタブル
◇行程:自宅6:40〜8:08江文峠〜8:38途中峠〜9:03花折峠〜10:45朽木生杉11:00〜11:43おにゅう峠13:05〜14:15小浜駅(デモンタブル輪行)15:29=16:16東舞鶴16:26=(まいづる12号)=17:49亀岡17:53=18:03嵯峨嵐山(輪行組立)18:25〜自宅
◇峠:江文峠(311m)、途中越(375m)、花折峠(トンネル)480m、おにゅう峠(833m)

五島列島(上五島)天主堂巡り2022/09/23


頭ヶ島天主堂
写真:頭ヶ島天主堂(世界遺産の「構成資産」)

猪ノ浦教会堂
写真:猪ノ浦教会堂

2018年に世界遺産に登録された「長崎と天草地方の潜伏キリシタン関連遺産」。

構成要素のひとつである五島列島の教会群を訪ねた。

博多からのフェリーの船中で、カトリック長崎大司教区認定の「五島巡礼手帳」を購入し、巡礼地が五島列島に53もあることを知った。巡礼の記録として各教会にはスタンプ印もある。

地図をたよりに教会(教会堂/天主堂)をいかに効率よく回るか、いわばロゲイニングやスタンプラリーのような感覚でスタートしたが、上五島の上りと下りしかないような道を強烈な日差しと暑さの中、ひたすら自転車で走っているうちに、だんだんと気持ちが変わってきた。

それをはっきりと意識したのは、「猪ノ浦教会」というリアス式海岸の奥にある小さな集落の小さな教会に立ち寄ったとき。歴史的、建築的な観光要素は何もない教会。

厳しいであろう生活の中で、個人的蓄財等に優先して、自分たちの教会づくりを仲間とともに進めてきた人達の思いのようなものが、こんな私にも伝わってくるようになったのだ。好きなように自転車を購入して好きなように旅をしている今の私には無い、なにか尊いものがそこにはあるような気がした。

大型台風が近づいてきたので、予定より早く旅を打ち切ったが、五島にはぜひ再訪したい。

◇日程:2022年9月14日~17日 船中1泊現地2泊
◇自転車:グランボア650Bランドナーoyakata
◇行程:
9/14(水)京都18:46(のぞみ49号)=21:30博多 博多港23:45=(フェリー太古)=9/15(木)5:40青方港~8:28頭ヶ島大橋~教会への里道(旧道/遊歩道)~8:50頭ヶ島天主堂9:30~(昼食)~11:45丸尾教会~12:20冷水教会~12:55青砂ヶ浦天主堂~13:50曽根教会~14:20小瀬良教会~14:50江袋教会~15:08仲知教会~(津和崎灯台を目指していたが、断念して引き返す)~16:20民宿「小串」泊(小串郷)
9/16(金)民宿「小串」8:40~(林道)~9:40青方教会(パンク修理)~10:35跡次教会~11:20小浜~11:50猪ノ浦教会~12:55焼崎教会~14:35真手ノ浦教会~15:25大曽教会~16:30民宿「こより」泊(青方)
9/17(土)民宿「こより」8:45~(ポタリング)~9:20青方フェリー乗り場12:10(出港)=17:50博多港 博多18:59(のぞみ64号)=21:38京都
13の教会を巡礼。

◇峠: 青方峠(53m)、立石峠(61m)、黒崎峠(76m)、白草峠(127m) 
※峠の標高は低いが、上五島の道は上りと下りしかないような感じで、走り応えがある。自転車と出会うことはほぼ無い。日常的に軽快車に乗って買い物に行く、ということがほとんどないのか、商店の前にも駐輪をみない。
道路の路肩は狭いが、自転車が珍しいからか、クルマは間隔をあけてマナーよく追い越してくれる。これまで走ったエリアで、いちばん自転車に優しい運転をしてくれるのが上五島のクルマ。但しレンタカーには気をつけないといけない。

◇宿:民宿「小串」(新上五島町小串郷)、民宿「こより」(新上五島等青方郷)

※1日目の走行ログ(クリックで拡大)

※2日めの走行ログ(クリックで拡大)



以下は写真。グーグルフォトでも

フェリー「太古」
写真:フェリー「太古」には輪行状態で搭載

青方フェリー乗り場
写真:上五島、青方のフェリー乗船場

頭ヶ島大橋
写真:頭ヶ島大橋

頭ヶ島天主堂への里道
写真:頭ヶ島天主堂へは、舗装路のピークあたりから「里道」とある旧道を通った。


頭ヶ島天主堂
写真:頭ヶ島天主堂
頭ヶ島天主堂
写真:頭ヶ島天主堂
頭ヶ島天主堂 遠望
写真:頭ヶ島天主堂 遠望

丸尾教会
写真:丸尾教会
丸尾教会のロザリオ像
写真:丸尾教会のロザリオ像

冷水教会
写真:冷水教会

青砂ヶ浦天主堂
写真:青砂ヶ浦天主堂
青砂ヶ浦天主堂
写真:青砂ヶ浦天主堂

白草公園駐車場より矢堅崎を望む
写真:白草公園駐車場より矢堅崎を望む

曽根教会
写真:曽根教会

小瀬良教会
写真:小瀬良教会

江袋教会
写真:江袋教会

仲知教会
写真:仲知教会

「立串」集落
写真:「立串」集落

民宿「小串」
写真:民宿「小串」。広く快適な部屋と美味しい食事。
「小串」の部屋からの日の出view
写真:「小串」の部屋からの眺め。日の出の海。

青方教会
写真:青方教会
青方教会
写真:青方教会

跡次教会
写真:跡次教会

猪ノ浦教会
写真:猪ノ浦教会
猪ノ浦教会堂
写真:猪ノ浦教会

焼崎教会
写真:焼崎教会
焼崎教会
写真:焼崎教会

焼崎への道
写真:焼崎への道から

真手ノ浦教会
写真:真手ノ浦教会

オラショ
写真:真手ノ浦のオラショ館

大曽教会
写真:大曽教会 今回の旅のフィナーレに相応しく、その存在感の確かさに感動した。

輪行
写真:輪行袋につめてフェリーで帰る

太古フェリー
写真:太古フェリー 博多行


                                  おしまい

足摺岬・柏島・高茂岬・宇和海2022/07/16


柏島
写真:高知県の西南端、柏島

足摺岬、柏島には大学1年の春、250ccのオートバイで行ったことがある。
春の冷たい雨で体が冷えて柏島の宿に着いたところ、東京都立大学のサイクリスト2人と一緒になり、旅の充実感について、なんだかうらやましく思った記憶がある。

愛媛県、宇和海の先端、柏島。スキューバダイビングのスポットとしても有名らしい。
リアス式海岸沿いに走るのは、隣の集落の間にも峠が全部あるようなもので、結構走りごたえがある。もともと、道路はなく、船で行き来していたところに無理やり通した道なので、当然である。

◇走行日:2020年11月12日~17日 5泊6日
◇使用自転車:グランボア650Bランドナーoyakata

◇行程:11/12(木)自宅(京都)8:50=(自動車)=淡路島=徳島道=16:45中村(走行450km(泊)クルマをデポさせてもらう
11/13(金)中村7:35~14:00足摺岬~16:22竜串: 走行98km
11/14(土)竜串8:15~10:35叶埼~15:00大堂山展望台~16:00柏島:走行63km
11/15(日)柏島8:00~14:17宿毛~大島1周~16:35愛南町御荘:走行85km
11/16(月)御荘7:40~9:12天嶬鼻~10:37福浦~11:55高茂岬~13:35外泊~14:50愛南町御荘~16:30宿毛:走行97km
11/17(火)宿毛=(輪行:土佐くろしお鉄道)=中村(デポ地)8:45=高知自動車道、瀬戸大橋、山陽自動車道=16:35京都

◇峠:----
◇宿泊:11/13 中村:民宿「こばん」、11/14 竜串:「ホテル南国」
    11/15 柏島:「和泉屋旅館」、11/16 御荘:「山城屋旅館」
    11/16    宿毛:「秋沢ホテル」

足摺岬への道
写真:足摺岬への道

高茂岬
写真:高茂岬

高茂岬からの宇和海
写真:高茂岬から望む宇和海

世立の犬戻り
写真:世立の犬戻り

グランボア650Bランドナー
写真:今回の旅装備、グランボア650Bランドナー

愛南町御荘の商店
写真:愛南町御荘の商店

外泊の集落
写真:外泊の集落

宿毛にて
写真:宿毛にて

宇和海ツーリングmap
走行ルート *クリックして拡大


グランボア ほぼシュパーブプロ スポルティーフ2021/11/29

久しぶりにグランボア サンツアーシュパーブプロ ほぼフルセット スポルティーフを連れ出して走ったので、掃除をしました。納車は2008年5月なので、もう13年も前ですが、輪行していないのでフレームのキズも少ないです。
ついでに自転車部屋の主として、唯2つ、サイクルラックに鎮座して、タイヤを地面に付けずに保管されているCASATIとDE ROSAも磨いて写真を撮りましたが、それらはまた別稿で紹介します。

グランボア スポルティーフ
写真:グランボア スポルティーフ

サンツアーシュパーブプロほぼフルセットのグランボア スポルティーフ。
なぜ、「ほぼフルセット」かというと、ヘッド小物がサンツアー スプリントなのと、チェーンがシマノ デュラエースだから。シートピラーはシュパーブだが、まあそれは不問。

シュパーブプロのブレーキは、リターンスプリングが内蔵され、外からは見えないという、マニアックな造り。そのブレーキに泥除けを付けられるようにして、スポルティーフに仕立てたのがこの自転車。シュパーブプロ フルセットのロードレーサーというのでは、サンツアーが健在なりし頃には、普通に存在していたであろうから、サンツアーが滅亡した後につくるには、もうひとつ面白くない。

シュパーブプロ ブレーキ
写真:シュパーブプロ ブレーキ

シュパーブプロのブレーキは泥除けをつけることを想定されていない所謂「ショートサイズ」なので、ブレーキシューの取り付け調整幅の最大位置にして、泥除けを入れるスペースを確保するようにフレームをオーダーした。といっても、そのあたりのことは全てアイズバイシクルの土屋さん任せ。「泥除けをつけたシュパーブプロ」「ラグとかメッキにしてください」と要望を伝えただけ。

ラグも、よく削り込まれていて、今回、改めて惚れ惚れした。
グランボア ラグ
写真:グランボア スポルティーフ ヘッドのラグ廻り

グランボア ラグ
写真:クラウンのラグ

シュパーブプロ 前ディレイラーとギア
写真:シュパーブプロ 前ディレイラーとギア

シュパーブプロ リアディレイラー
写真:シュパーブプロ 後ディレイラー

シュパーブプロ ハブクイック
写真:シュパーブプロ 前ハブ

シュパーブプロ ハブ
写真:シュパーブプロ ハブ

シュパーブプロ ブレーキレバー
写真:シュパーブプロ ブレーキレバー

シュパーブプロ Wレバー
写真:シュパーブプロWレバー

写真:シュパーブ シートピラー

シートピラーにはリクセンカウルのアタッチメントを付けている。若干不格好だが、走るときにはリクセンカウルのバッグを付けるのでやむを得ない。縦長でスマートで、ファスナー位置が上にあるので、ツーリング中にカメラ等を出し入れするのに、実に使い良い。

写真:リクセンカウル サドルバッグ 装着例

グランボア サンツアーシュパーブプロほぼフルセット スポルティーフ 全体像。

グランボア スポルティーフ

                                  失礼しました

還暦記念に京都から鳥取 クロモリスポルティフで220㎞2021/05/30

 歳は誰でも何をしていてもとれるもので、不肖還暦になりました。還暦誕生日の前日、記念に京都の自宅を5時過ぎに出て、国道9号でなく交通量の少ない道、遠坂峠、若杉峠、戸倉峠経由で出生地鳥取へ約220km走りました。特に疲れたりどこかが痛むこともなく、まあ特筆すべきことでもないですし、普通に走って、記念撮影。カーボンのロードレーサーで走った時よりも、断然気持ちよかったです。グランボア700cデモンタ(スポルティフ)。

ちなみに鳥取へは、ほぼこのルートで56歳の時に実行、57歳時にも走って毎年走ろうと思っていましたが58歳時は天候不順で中止、59歳時は新型コロナで自粛しました。

[写真] 2021年5月22日(土)5:12 京都の自宅を出発

[写真]篠山 7:52
篠山
[写真]篠山 7:54
柏原
[写真]柏原陣屋 8:49
柏原
[写真]柏原 8:52
柏原高校
[写真]柏原高校 8:53
水分れ
[写真]水分かれ=本州で最低標高の日本海と太平洋の分水界 9:04
青垣
[写真]青垣 9:51 つばめやさんの看板が新調されていた。
青垣
[写真]青垣 9:54(トイレ休憩)
遠阪峠
[写真]遠坂峠 10:47
大屋町
[写真]大屋町 12:22 六地蔵が街道沿いに多い
大屋町
[写真]大屋市場 12:33 まさかシェルと出光が合併するとは想像もしていなかったろう。小さな町で隣り合うガソリンスタンド。
大屋町
[写真]大屋町 12:43 いつもこの六地蔵の横で、パン昼食をとる。
日の出ホールディングス但馬醸造所
[写真]日の出ホールディングス但馬醸造所 13:15 小学校跡。仕事で2回おじゃまさせてもらった。地元の朝倉山椒でつくった「但馬のゆず山椒」は絶品。
若杉峠
[写真]若杉峠 14:15 そこそこ急坂。
戸倉峠
[写真]戸倉トンネル 14:47 2桁国道29号線だが、鳥取自動車道ができてからは交通量激減。トンネルから若桜まで出会ったクルマは5台以下。
若桜橋
[写真]若桜橋を渡ったところ 15:26
若桜
[写真]若桜 15:28
若桜鉄道隼駅
[写真]若桜鉄道隼駅 16:12 スズキのオートバイ「隼」の聖地になっているらしい。
河原
[写真]千代川 16:48 今回は河原(地名)で千代川に合流するまで走り、千代川右岸を鳥取市街へ。千代川の清流が美しい。個人的には四万十川よりも美しいと思う。比較する必要もないけれど。
鳥取城址
[写真]鳥取城址 17:23 卒業した高校への通学に使っていた橋が木製にかけ替えられ、大手門も復元されたというので、立ち寄ってみた。右後ろに見える体育館は在学当時のままの外観だ。
[写真]出会橋 17:35 小学校の通学に使っていた橋を渡って帰ることにした。後ろの山が久松山(きゅうしょうざん)で、鳥取の街を目指す時のランドマーク。
[写真]鳥取自宅  17:38 91歳父と還暦息子で記念撮影。メータ読みの平均速度20.7㎞/h。
[写真]走行ログ ※クリックして拡大
  ○ルート解説
 ・篠山への国道372号線(デカンショ街道)は、バイパスではなく山沿いの旧道。
 ・篠山から柏原への国道176号線沿いには走り良い旧道が並行して存在(大山街道)。
 ・柏原から青垣は、前回までは加古川の左岸を走ったが、今回京橋を渡って丹波市役所甲賀山の右岸にしたところ、とても良かった。
 ・山東町はJR梁瀬駅前の道を走る。
 ・和田山駅前を過ぎてすぐ、円山川沿いに降りる旧道があり、実に快適にジャスト大屋橋に出られる。
 ・若桜からは八東川左岸に実によい道がある。国道29号線も交通量少ないが、左岸がおすすめ。若桜鉄道の駅舎が渋い。
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これまでの3回のタイムを比較してみました。
最初の2回はカーボンのロードレーサー(トレック エモンダ5.2)で走り、今年はクロモリの700Cデモンタブル(スポルティフ)で走りました。

走る前は、ロードレーサーで走ったほうが速くて楽なのかな、となんとなく思ったりもしていましたが、実走後はそんなことはないと実感し、タイムを比較しても有意な差は感じられません。

もちろん、タイムトライアル的に走っているわけではありませんし、3回とも微妙に走る道が違います。同じ道を走っている区間でも、写真をとったり休憩の違いがタイムの違いという感じです。

大きく違うのは疲れ方。クロモリのデモンタで走った今年は、走り終わっても疲れを感じませんでしたが、これが自転車、その年の体力や体調、気候条件等どの因子の影響が大きいかを掴むことはできません。結果として、クロモリのデモンタで走って、とても気持ち良かった、それ以上でも以下でもないということです。

京都鳥取220㎞比較
(表)京都-鳥取220㎞ 走行タイム比較(クリックして拡大)

表をみて驚いたのは、このルートの核心部ともいえる、大屋橋--若杉峠 区間のタイムが3回ともほぼ同じなこと。2時間31.32分です。3回ともこの区間でパン昼食をお地蔵さんの傍らでとっているので、休憩時間も含めたタイムですが、それでもほぼ一緒なのは信じられません。タイムは、GPSでログをとったものを「カシミール」に落として地図上から計測しています。

▼2017/6/17走行時  TREKエモンダ5.2
若桜鉄道八東駅
▼2018/5/26走行時 TREKエモンダ5.2

○走行日:2021年5月22日(土)
○使用自転車:グランボア700Cデモンタブル(スポルティフ)
○峠:老ノ坂(219m)、天引峠(トンネル)262m、鐘ヶ坂(トンネル)267m、遠坂峠(376m)、若杉峠(729m)、戸倉峠(トンネル)731m
○行程:京都(自宅)5:12~5:49老ノ坂~7:08天引トンネル~7:50京口橋~7:58篠山城~8:37新鐘ヶ坂トンネル~8:51柏原~9:07水分かれ~9:47青垣~10:46遠坂峠~11:43大屋橋~14:15若杉峠~14:47新戸倉トンネル~15:25若桜橋~16:15隼駅~17:37鳥取自宅 合計12時間25分(休憩・観光含む) 平均速度(サイクルコンピュータ計測)20.7㎞/h

富山湾岸サイクリングコース&久比岐自転車道(2020/8)2021/03/06


富山湾岸自転車道
写真:富山湾岸自転車道

私は、サイクリングロードというものが好きではなかった。

最近でこそ、まともなサイクリングロードが増えてきたのかもしれないが、以前は、自転車のためではなく、道路から自転車を隔離(自転車も車両であって、道路は自動車だけのものではないので、自転車を邪魔者扱いするのはとんでもないこと!)するために作ったとしか思えないものとか、作ったきり放ったらかし、簡易すぎる舗装がひび割れ雑草が生い茂っているようなものなどが多かった印象。

自由に走ることが自転車の魅力なのに、サイクリングロードだと管理された空間に押し込められるように感じてしまう。

例外的に走って嬉しいのは、鉄道の廃線をサイクリングロードに転用しているもの。

2020年の夏、新型コロナウイルスの緊急事態宣言が一旦解除され「go to travel」施策が開始されたものの、なんだか普通にサイクルツーリングするにはもうひとつ気が乗らなかった。

そこで、あまり人とも会わないであろうサイクリングロードをたまには走ってみるか、酷暑なので海に近いところがいい(海の近くというのは案外涼しく、盆地など内陸のほうがどうしようもない暑さ)、と思い、富山から新潟にかけての海沿いをメインに走ってみることにした。

それともうひとつ、このコースにした理由がある。
宮本輝「田園発 港行き自転車」という小説を読んで、小説に登場する”北国街道””滑川駅””入善””愛本橋””などの地名を訪ねたいと思ったのだ。
愛本橋
写真:小説の重要な舞台となった愛本橋

その小説は、富山の地方紙に連載されたもので、地元へのサービス精神にあふれていて、まあそれはそれでいいが、読者を飽きさせないような工夫を散りばめながらさらっと書き進めている印象で、渾身の力作という感じではない。

私がもしも小説家だったら、各地の地方紙向けの連載小説をそれぞれの地域のネタをちりばめながら創作し、それを単行本化、あわよくば各県の観光振興策等にも上手く関与するというスキームをつくれば、一生食いはぐれはなかろう、などとすぐに考えてしまうのがあさましい。

重要な役回りに自転車メーカーの社長が登場するが、自転車に関する描写は、正直、悲しいレベル。アシスタントの人が資料考証とかもっとちゃんとして作家先生に提供してあげれば良いのに、と思った。

それはともかく、この小説を読んで富山に行ってみたい、と思ったのは事実。

黒部川扇状地にある入善町出身の主人公曰わく(文庫本(上)P11) 「私の自慢のひとつは、この湧水のおいしさと豊富さだが、もうひとつ誇れるものがある。黒部川の川べりには、ゴミひとつ落ちていないということだ。煙草の吸い殻、スナック菓子の袋、(中略)、そんなものを川べりで目にしたことは、私はいちどもない。嘘だと思うなら、ぜひ私のふるさとに来てくれ」
とまで書かれては、行ってみずにはいられない。嘘だと思ったのではなく、清浄な場所を自転車で走りたいという、気持ちで。
黒部川河口
写真:黒部川河口:下黒部橋より


大平峠
写真:大平峠 

親不知を通過するには、国道8号線の長大トンネルを何本も通過しないといけないので、峠越えルートをとった。ちょうどその日そのとき、親不知トンネルではタンクローリーが横転する大事故があって通行止めが続いていたとのことで、エスケープしてよかった。

新潟県に入ってからの自転車道「久比岐(くびき)自転車道」は、北陸本線の旧線路跡とのことで、これもまた、期待できる。

久比岐自転車道入り口
写真:久比岐自転車道入口
久比岐自転車道
写真:久比岐自転車道

そんな感じで2020年の夏、富山から新潟への基本海沿いサイクリングロード活用ツーリングを実行した。

いつもと違うのは、サイクルジャージでなく綿Tシャツで全て走ったこと。酷暑下では、荷物を背負わずTシャツで走るのが、一番涼しくて気持ち良い。袖から背中に風が抜けるので。化繊でピッタリしたサイクルジャージより断然快適なのだ。綿でもなるべくペラペラの薄い細やかな生地が良い。ウインドブレーカーを持参すれば峠でも汗冷えの心配はない。

今回の反省としてはパンク修理のこと。2日目のホテル出発時、後輪がパンクしているのに気づいた。チューブを交換して5分ほど走るとまたパンク。今度は念入りにタイヤの裏側を指で丁寧になぞってみたところ、ほんの小さいガラス片が刺さっていた。タイヤをきちんと確認せずにチューブをはめたので、すぐに新しいチューブもパンクしたのだ。パンク修理の基本を怠ったことを反省した。パンクしたチューブは、後刻、休憩がてら糸魚川市内の自転車屋さんでパッチを貼って治してもらった。パッチセットは持っていたが。

○走行日:2020年8月24日夜~27日
○使用自転車:グランボア650Bランドナー
○宿泊地:小川温泉 ホテルおがわ
               柵口(ませぐち)温泉 権現荘
○峠:大平峠(638m)
○行程:8/24 京都自宅20:30=(北陸道)=23:50尼御前SA(車中泊)8/25 7:20=8:45富山市内城河原公園(デポ)9:22~9:40岩瀬~10:15常願寺川今川橋~10:20水橋魚躬(みずはしうおのみ)~11:00滑川駅~11:40早月川早月橋~12:00魚津(昼食)12:30~13:20生地鼻生地灯台~13:40黒部川下黒部橋~14:53入善駅~15:40愛本橋~15:55舟見~16:55小川温泉ホテルおがわ(泊) 走行87km
8/26 ホテルおがわ(出発時にパンク修理)8:53~朝日小川ダム(もう1度パンク修理)9:23~10:04泊駅~10:46富山湾岸サイクリング道路終点~境川境橋10:51~11:33上路~12:10栂海新道交差~12:40大平峠~13:25電気化学青海工場~13:33青海(昼食)~14:12姫川姫川橋~14:30糸魚川駅前~15:05早川早川橋~15:07久比岐自転車道入口~15:51能生川能生大橋(旧)~16:42柵口温泉権現荘(泊)走行84km
8/27 権現荘8:40~9:25能生大橋(旧)~10:15筒石~11:16谷浜駅 (輪行)=富山・城河原駅(デポ地)15:20=(北陸道)=19:57京都自宅 自転車走行38km

 ルート軌跡(クリックして拡大)