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北上山地、自転車ツーリング(2015/11)2015/11/01


北上山地:平庭峠
写真:北上山地:平庭峠
北上山地:岩手県野田村「苫屋」
写真:北上山地:岩手県野田村「苫屋」

2015年の11月、北上山地を走ってきました。前から、何故か行ってみたかったエリア。

金曜の夜、帰宅後に京都を出発。浜松SAで車中泊し、東京経由で、岩手県盛岡の北の岩手町沼宮内の旅館に泊まりクルマもデポ。自動車で行ったのは、東北へのリアルな距離を感じたかったから。高速道路利用なので、まだまだ甘いですが。

翌日から自転車で北上山地を走り、野田村の「苫屋」という電話もネットも無い宿に宿泊。翌日、宮古市のビジネスホテルに泊まり、始発列車で輪行してデポ地へ戻り、そこから1000km以上のドライブをワンデイで楽しんで京都まで帰りました。

北上山地というのは、老年期の地形で、目立ったピークはありません。広大な丹波高地みたいな感じで、音楽に例えればシューベルトのピアノソナタ。淡々と心地良い音がつながる感じで、淡々と自転車で走ると本当に気持ちの良いエリアでした。

海に近い道路は、東日本大震災の復興事業の影響で、ダンプやトラックが多く、自転車走行は勧められません



追加の写真はGoogleフォトをご覧下さい(89枚)

北上山地ツーリング1日目
北上山地ツーリング2日目


1000km走2015/11/04


岩手山をバックに
          写真:岩手山をバックに

1000km走をした。自動車ですけど。

1週間前、自転車チームで琵琶湖1周をした際、「来週は1000km走って、4日かけてサイクリングするんです」と話したところ、
「1日250kmの4日間ですか!いい練習になりますね」とあっさり言われて「いやいや、自動車で1000km走ってデポ地に行き、そこからサイクリングなんです」「なんだ、そうですか」こんな感じの会話。

「1000km走る」と聞いて何を思い浮かべるかは、個人によって随分異なる。自転車レースを真面目にやっている人なら1ヶ月の走行km、ランニングの人だと実業団レベルの練習量か。クルマだと1ヶ月の標準的走行キロ数とされているようだ。

今回の私の場合は、往路は1.5日かけて京都から東京経由、盛岡の北、岩手県岩手町沼宮内まで。復路はワンデイで磐越道から北陸道経由京都まで。往復で2102km、平均燃費16.1km/l、平均速度86kmという内容であった。

ドライブではなく、自転車で北上山地を走るため、自転車を運ぶのが主目的。新幹線でなくてクルマにしたのは、自分で運転して、東北への距離感を感じてみたいと思ったから。

ひたすら遠くまで運転してみたいという思いもあったのも正直なところだが、荒野を自分ひとり1台だけ走るのではなく、公共の道路なので、クルマの運転においては体力・集中力的に安全を担保できなければ駄目で、限界を極めてはいけない。クローズドなコースで行われる耐久マラソンレースなどでは、自分を限界まで追い込んで、倒れてしまっても自己責任で、他人に迷惑はそれなりにかかるけれども、他人の生命を奪ったりするリスクは無い。でも、クルマだと、限界まで疲れて、事故を起こしたのでは自分自身へのダメージはともかくとして、社会的にも言語道断である。公共の空間での自動車の「耐久走」は、決してやってはいけないのである。

過労運転による悲惨なバス事故を契機として、現在ではバスの場合、ドライバー1人が交代乗務なしで運転できるのは昼間運転なら1日に原則500km、夜間なら原則400kmと定められている。安全のためのひとつの基準であろう。

ということで若干、逡巡したが、過去の経験から1日700kmでは、どうもなかったので、睡眠時間をしっかりとれば大丈夫だろうと判断して実行した。

大阪-東京往復が1000kmなので、大阪の工場や職場から東京に荷物を運んで1日で帰ってくる、とか仕事では経験した人もけっこういらっしゃるだろうし。

私の場合、普段通勤や仕事で車を運転することは全くない、いわばサンデードライバーであり、1000キロ走というのはそうあることではないので、備忘録として残す。

【走行記録】(飲食の記録は自販機等レシートが無いものは含まず)
・金曜:仕事を終えてから京都の自宅を出発20:30→京都東インター→新名神→四日市JCTで分岐を間違えて名古屋高速経由東名→美合PA(休)→0:06浜松SA<車中泊>

・土曜:浜松SA(リボビタンD¥157、6:54)→8:55海老名SA(休)→9:45東京IC→首都高(事故渋滞)→11:05川口JCT→東北道→矢板北PA(昼食・ほうじ茶、アーモンドグリコ、ミルミル、ダースチョコ \499、13:08)→菅生PA(給油53L、15:04)→15:48志波姫PA(休)→17:10西根IC→(下道)→17:30沼宮内(旅館 泊)

・日曜:自動車は旅館の駐車場にデポさせてもらい、自転車ツーリング
・月曜:自転車ツーリング。翌朝は早いのと京都までの運転があるため午後8:00には寝る。テント山行みたい。
・火曜:4時起床。5:07発宮古駅からJR山田線の始発で7:17盛岡着、沼宮内へ(輪行)、デポ地に戻る。
沼宮内8:28→8:58西根IC→菅生PA(昼食、ブラックガム、飲むヨーグルト \281、11:50)→(磐越道)→磐梯山SA(コーヒー、パン \280,13:23)→(北陸道)→黒埼PA(給油48L、15:10)→小矢部川SA(夕食=海鮮丼、リボD \1654、18:04)→賤ヶ岳SA(レッドブル\205、20:31)→20:53米原JCT→21:40京都東IC→(下道)→(GSで給油36L、22:02)→22:15自宅着

 だいたい想定通りのペースであった。基本、法定速度で走ったので、楽だった。私の場合運転の疲れは眼からくるので、法定速度だと動体視力的に眼への負担が少ないのであろう。特に疲れを感じたり特筆すべきことはなく、無事、終了した。

スペシャライズドM5・MTBをフロントシングルXTR・XT11速に2015/11/14

12年前に購入したMTB スペシャライズドM5をフロントシングル化した。
フロント32×リア11-13-15-17-19-21-24-28-32-37-42

ギヤの段数が多いほど、ペダルへの負荷調整が効いて楽に、あるいは速く走れる、ということで、自転車機材の「進化」は、基本的にはずっと多段化の流れできている。

私の場合、リアのエンド幅が120mm・5速から趣味としての自転車を始めたが、あっという間にエンド幅は126mmから130mm、MTBは135mmが標準になり、今ではMTBは142mmもメジャーに、スプロケットは11速にまでなっている。

ところが、このところ、MTBではフロントシングルが流行してきている。フロントのギヤチェンジをしなくていいので、フロントチェーンが外れるリスクが無い、軽量化できるといったメリットからか。後ろが11段で前3枚なら33段変速になり、そもそも、そんなには要らないという、シンプルな感覚からかもしれないが。

そのかわり、後輪の最大ギヤが40Tや42Tになり、自転車の伝統的美学からは外れる。ロードレーサー的感覚だと前が大きくて、後ろは小さいのが偉い、のだから。MTBの独自の進化というか、ロードレーサー的価値観からの独立が外形的にも現れてきているのかもしれない。前のギヤ枚数が少ないほうが、ペダリングしやすいという現実的な理由もある。

ランドナーをフロント3枚にした時、何か本格的な気持ちがしてとても嬉しかったが、その後Qファクターが狭いほうがクランクを回しやすいことを体感し、旅系自転車でも今は全てフロントWにしている。

写真のこのスペシャライズドMTBもシマノXTRでフロント2枚が登場した際、早速インストールしたが、この度、フロント1枚にした。

Vブレーキで軽量化優先のシンプルMTBなので、フロントシングルがふさわしいという考え。軽量化を考えXTRにしたが、リアスプロケットを42Tにしたかったので、スプロケのみXTにした。(※純レース機材とされるXTRは40Tまでしかない)

実測9.6kg。フロントWより-0.2kgの軽量化となった。山岳サイクリング時の担ぎでは、ボトルの水1/3分軽くなったということか---実走には関係なさそうであるが---。

フロントシングル化デメリットもある。ショップがシマノに確認してくれた話なので間違いないと思うが、仕様として、最大ローの42Tに入れてクランクを逆回転させるとチェーンが内側に外れて8から9速目に落ちる。最大ローに入れてのラチェッティングは出来ない。42Tはあくまで非常用ということか。ビジュアル的にも42Tだけ表面仕上げの色も別になって差別化されている。

200gの軽量化の効果はともかく、フロントシングルのシンプルな操作感は楽しみだ。

スペシャライズドM5 XTR1×11
フロントシングル、リア11速化

シマノXTRフロントシングル
リアスプロケがフロント(32T)よりも大きいというのは、かつての自転車美意識からはあり得ない。

シマノXT11-42スプロケット
最大の42Tの表面処理の色は異なっている。黒くて見えにくくしてある。

重くても魅力的コメンサルCOMMENCAL META HT AM Cr-Mo(Limited)2015/11/23

 
コメンサルMETA HT AL Cr-Mo

コメンサルMETA HT AL Cr-Mo
         京都北山 沢池にて

 自転車はネコのようなもので、気をつけてないと、すぐ増える。我が家はネコは3匹だが、自転車の数は秘密で客観的には「自転車屋敷」のようになっているのかもしれないが、気配を消す営業努力はしているわけで、知らないふり(たぶん...)をしてくれている妻に大感謝。
 
 MTBは東京に転勤していた12年前から増えてなかったのだが、久々に増やしてしまった。もっとも数ヶ月前から1台はネットオークションで里子に出し、2台は田舎に疎開させたので、京都の家を圧迫することはないのだが。

 今日、初乗りしたのは表記のコメンサル。1980年代、最初のMTBとしてアラヤのマディフォックスに乗り、爾来、クロモリフルオーダーMTBからキヤノンデール・TREK・スペシャライズド等米国メーカーMTB、ミヤタが本気で開発した時のフルサスなど、何台に乗ってきたかは謎として、久々だが比較事例には事欠かない(当社比)。

 アンドラ公国にあるメーカーで、アンドラ公国というのはヨーロッパのピレネー山脈、スペインとフランスの国境の山中にある国。そこにあるコメンサルという自転車会社も、まあ、一言でいってマイナーというか「変な」会社でスタートしている。途中で経営方針を転換し、今では、普通のメーカーにシフトしているが。

 MTBシーンではダウンヒルはフルサスペンション(前後にサス)が当たり前になっているのだが、ハードテイル(前だけサス。後ろはサス無し)「下り系マシン」を提唱している。表記の自転車は、その一台で「AM」(=オールマウンテン=ダウンヒルでもヒルクライムでも里山ライドでもなんでも)の「HT(ハードテイル)という意味。

 しかもクロモリ!(クロームモリブデン鋼=鉄)。アルミの同タイプの方が軽いので、普通ならアルミを選ぶところだが、クロモリ原理主義者とまでいわなくても、クロモリの魅力を知っているつもりの私であるので、あえてクロモリモデルが商品化されているというのは、それだけの意味があるだろうと思って、選んだ。

 カタログスペックで13.5kg!。納車の時にペダル付きで計ったら14.5kgあった。
正直いって、私がかつて手に入れた自転車の中で、最大に重い。こんな重い自転車は無い。
現有MTBでもスペシャライズドM5は今回パーツも変更して9kg台半ばになっているのに。

 自転車は原則的に軽い方がいい。でも、変な軽量化だと進まない場合もあるというのがこれまでの経験。ロードレーサーでも、軽すぎるリムで全然進まないものもあった。軽ければいいわけではない。

 なんというか、私は行ったことがないので知らないが、想像するに、キャバクラで若いだけでモテるというかチヤホヤされて当然と勘違いしているお子ちゃまのようなものかもしれない。ほんの僅かの経験しかないが、お年を召していても、上七軒の芸姑さんのほうが舞妓ちゃんよりよっぽどワンダフル!といった感覚と自転車の重量は共通するところがあるかもしれないと思った次第。

 本日、舗装路とシングルトラックとダブルトラックの登り下り、新しい自転車を入手してインプレッションに毎回使うコースも含め、色々乗ったのだが、コメンサルのMTBに何の不満もなかった。楽しい、の一言。担ぎだとさすがにずしりとくるが、2時間も3時間も担ぐわけではないので、オールライト。体幹を鍛えるトレーニングだと思えば、それぐらいの重さがあっても良し。競技をしているわけではないし。

 フロントサスが150mmもあって、ヘッドアングルが65.5度と寝ているからか(フレームは総合バランスなので、そこだけの数字をとってもあまり意味ないが)、なんというか、おおらかというか、乗っていて楽しいのである。神経質な自転車と対極。タイヤも2.25の太さだし。

 1990年代、MTBのクロスカントリーレースに出走していた頃は、今日のコメンサルと対極の世界。人間のエネルギーを最大、推進力に変えられるのは、自転車のロードレーサー。そのポジションにMTBでもいかに近づけるか、というのが大まかな考え方だったと思う。

 ハンドルは540mmくらい(今日のコメンサルは750mm!)、ステムは長い方が偉い!、シートピラーは軽量化のためにアーレンキー止め、ストイックな感じのポジション。

 今日、コメンサルに乗って、最初びっくりしたのは、ハンドルが近くて、下手するとまるで軽快車にのっているくらい上半身が立つ。ハンドル幅が広くて、今風に腕をひろげて肺に空気をいっぱい吸い込む格好。

 なんか、素人さん(私もプロではなく、単に昔から乗っているだけですが)が乗っているみたいで、ウインドウやミラーに映った乗車姿勢をみると、恥ずかしい感じ。

 でも、楽しいのである。競技とかするのでなければ、カタログの文面どおり、この1台でいいのではないかと思った。

 考えてみると、ランドナー11.5kgでもフロントバックとか荷物をいれると15kgくらいにはなっているわけで、だからといって走りが鈍重で面白くないかというとそんなことは全くない。車両重量が14.5kgあっても、十二分な運動性能を有する、重さ以上の楽しさを与えてくれると思った次第。

まあ、自転車の場合、機材の重さよりも自分自身の肉体的能力をスペックアップすることが一番効果的というのが、シンプルな真実であるが。(私自身は全然たいしたことない肉体パフォーマンスなのは言うまでもないこととして)

追記:購入以来、週末は、ほとんどこのコメンサルに乗りました。SCOTTのクロカン用カーボンMTBは軽量で何の不満もないけれど、里山ライドにどちらを連れ出すかというと、コメンサル! 9kg台半ばの軽量MTB スペシャライズドM5は、残念ながら、担ぎ以外には魅力がなくなってしまいました。軽くてヒラヒラした乗車感は好きですけど。(2016/5/31記)