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MTBにフルサスは必要か?2016/12/27

結論からいえば、「MTBにフルサスが必要か?」という設問への私の回答は、「別に必要ではないが、あると断然面白い」といったところ。詳しくは、下記をご覧ください。

コメンサルMETA TRAILLimited2016モデル

コメンサルMETA TRAILLimited2016モデル
写真:フルサスMTB:コメンサル META Trail Limited 2016モデル

2016年5月にコメンサルのフルサスMTB ”META Trail Limited”を 所有ラインナップに加えた。

MTBには、前サスペンションが登場する前の、今で言うフルリジッドの時代から乗っており、フルリジットのMTBでダウンヒルレースに出たりしたこともあるので(同じ日に、ヒルクライムレースで峠を登って、そのまま下りがダウンヒルレースになるという、牧歌的な時代であった)、サスペンションなんかなくても自転車は楽しめる!といった思いが根本にあった。それゆえ、フルサスペンションについては好意的ではない自転車生活を送ってきた。

モーターバイクみたいな自転車には乗りたくない(学生時代は250cc自動二輪に乗っていたが・・)、なんというか、シンプルさこそ自転車の魅力で、バネ、サスペンションみたいなものは余分で美しくないという意識があった。乗り手自身の「美」は捨象して。

しかし、2015年にコメンサルのトレイル用前サス150mmクロモリハードテイルMTBを購入して、これまでの認識を変えざるを得なくなった。MTBといえば軽量クロカンMTBだと思ってこれまで過ごしてきたのだが、どちらが山道を乗って楽しいかというシンプルな問いかけの前に、これまでの自分の考えを改めたのだ。

競技でタイムや順位を競うわけでもなく、ただ、乗って愉しむ里山ファンライド用に使うのなら、サスペンションのストロークの長いトレイルモデルが、断然楽しい。

そう思ってくると、これまでまったく欲しいと思わなかったフルサスモデルに興味がわいた次第。

で、実際フルサスMTBに乗ってどうなのか。
心配していた舗装路の登りは、少なくとも苦痛ではない。それまでは、フルサスでの舗装路登りはだるーい感じだと想像していたが杞憂であった。「走らない・・。ハードテイルで来ればよかった」と思うことはなく、ストレスは無い。しかし、速いかというとそうではなく、やはり遅いのだと思う。ロードバイクと比べるのはナンセンスだが、自分がロードに乗っていたらおそらく絶対抜かれることがないであろうと思われる乗り方の人にあっさり抜かれるのは、悔しい。

ペダルを踏むとスっと前には出てペダリングに気持ち悪さは無いが、そもそもギヤ比が軽いので、スピードの乗りが悪いということ。ロードバイクだと時には重いギヤを踏む気分になることもあるが、私のフルサスMTBの場合、何故かしら重たいギヤを踏む気持ちにならない。そういう設計になっているのであろうか。不思議だ。重たいギヤだとぎっこんばったんなって前後のサスがムダに作動しがちということから、軽いギアでクルクルとペダルを回して走るように仕向けているのかもしれない。軽めのギヤで回転を上げて走るのはスポーツ走行の基本なので、悪いことでは全然ないが。

他の人と一緒に走る時は、フルサスで行くのは躊躇する。シングルトラックや下りでフルサスが有利というか楽しくても、アプローチの舗装路登りで人より遅れるのはなるべく避けたいし、登りでヘロいのに、下りはフルサスで有利、というのは、なんとなく美学に反するからだ。

登り全般にフルサスが弱いのではなく、ダブルトラックやシングルトラックで路面が荒れているところでは、フルサスのほうが断然強い。これまで、押しだと思っていたところも、フルサスだと後輪のトラクションが効いて足を付かずに登れたりする。

山で遊ぶおもちゃとして考えた場合、フルサスは最高!

でも、MTBを1台だけ持つのだとすると、前サスのみの(ハードテイル)トレイルモデルかと思う。オールマイティさでは、やはりハードテイルにアドバンテージ。

「MTBにフルサスが必要か?」という設問への、私の回答は「別に必要ではないが、あると断然面白い」といったところ。

追伸
 2018年12月、フルサスMTB買い替えました。
SCOTTフルサスMTB