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ロードバイクとランドナーの登坂区間タイム実績比較2023/08/01


神明峠 グランボアランドナー
写真:登坂のタイム比較をした神明峠。2023/7/31撮影。グランボア10号ランドナー

私の場合、ロードバイクで走ってもランドナーで走っても、登坂の区間タイムの差は車種の違いに規定されるものではないということが判った。ロードバイクで走ったほうがランドナーよりも速いと思っていたのだが、そうとは言い切れないことが。

※タイムはキャットアイのサイクルメーターでオートストップモードで測定。ルート上で信号待にかかる頻度は少ないが、オートストップなので同条件とみなす。

毎回、自分にとって気持ち良いちょっと頑張るツーリングペースで走っているのだが、そのような過去データをStravaにアップしての考察。もちろん、計測実験のために走ってきたわけではないし、科学的な検証に耐えうるものではないが、今回の結果だけをみても驚いている次第。

ヤン・ハイネ著「オールロードバイク・レボリューション」山と渓谷社2022年で述べられている内容と齟齬がない印象をもった。

自転車は軽ければ良く走るわけではないということも。一定のレベル以上の材料と工作精度で作られているという前提において。

以下、今回このようなことを考察した経緯を述べる。

今年の夏は酷暑で、京都ではもう1週間以上、日陰の百葉箱で計測する最高気温が35度以上の日々が続いている。39度なんていう日もあった。

そんなわけで家から近い涼しいコースしか走れず、保津峡から愛宕山の山麓を回って周山街道という、いつもの「宕陰」コースばかり走っている。
自転車をその日の気分に合わせて選んで走るのだが、パナソニックのチタンで2日連続走ったところ、コース上にある神明峠の通過タイムと、いつも写真を撮る「河原家住宅」の到着タイムが2日とも同じだった。(いつも河原家住宅までは自宅から休憩等なし)
河原家住宅
写真:河原家住宅。2023/7/30撮影。自転車はPanasonicチタン。

全部同じペースで走っているわけではないのだろうが、ポイントとなる2箇所が一緒なのは不思議だ。メーターを見て、ペースを調整したのではない。
 
同じ自転車で2日連続同じタイムというのなら、それが現在の自分のペース。タイムトライアル的に走っているわけではなく(そんな走りはできない)、自分にとって気持ち良いペースで走っているだけなのだが。
それならば、自転車の種類を変えて、ランドナーで走ったらどういう結果になるだろうと興味がわいた。

次の日は愛宕山の千日詣があって午前中早めに帰宅したいので、ランドナーでは神明峠往復で走ってみた。

すると、なんと不思議なことに、自宅から神明峠までのタイムが56分で、昨日一昨日のパナチタンと同じであった。秒単位でもほぼ同じ。

ランドナーに贔屓して、昨日よりも速く走ろうとしたのではない。但し、軽いギアを多用して楽することは慎み、ロードバイクと同じような負荷がかかるように心がけた。タイムを調整して走ったのでは意味がないので、メーターは、六丁峠と水尾で見ただけで、神明峠の登りでは見ないようにした。

なんとなく、ランドナーはロードバイクより遅いと思っていたのだが、意外な結果となった。
正直、信じられなかった。

この3日間だけで結論付けるのは納得感がないので、過去データでも比較してみようと思った。
方法としては、これまで神明峠を通過した走行ログを「Strava」(web上に走行ログをアップして走行記録や他人とのタイム比較ができるアプリ)にアップ。
走行ログはこれまでもスマホの「スーパー地形」アプリで毎回gpx形式でとっている。

神明峠を通過するコース上に、Stravaで設定されている比較考察可能な区間は3つあった。
区間名「神明峠」7.76km、比高384m、平均斜度4.9%。同じ区間名だが「神明峠」5.43km、比高303m、平均斜度5.5%、「府道50号線climb」1.43km、比高162m、平均斜度11.3%。

2020年5月から2023年7月までの31件を時系列的にまとめたのが下の表。

 表1:2020年5月から23年7月までの31件の神明峠走行実績

全ての走行データがStravaの計測区間にアウトプットされた「府道50号線climb」で所要時間の短い順にソートしてみた。
 
 表2:「府道50号線climbでソートした表

タイム順にソートしたところ、車種は混在している。

もちろん、走行時期が異なるので、身体能力や体調や気候条件も違っており、同じ土俵で比較するには無理があるが、ロードバイクで走ればいつでも速かったわけではないことは明確。

なんとなくタイムの速い「第一集団」にロードバイクでの記録が集まり、遅れた「第二集団」がランドナーでの記録かとイメージしていたが、集団は形成されず、混在している。

ロードバイクで走る時は、走る意欲があって体調の良い時、ランドナーで走る時は淡々と速く走ろうとは思わず走ることが多いので、上の表以上に、ロードバイクとランドナーの差は少ないのかもしれない。

過去実績ではこのようでしたという印象論に過ぎない話ではあるが、自分の中ではその結果に驚いている。

追記

2023年9月1日にグランボア イタリアンレーサーで走ったところ、カーボンロードバイクのタイムと変わりなかった。

グランボア イタリアンロード
写真:グランボア イタリアンロードレーサー

鉄ムクのカンパ3アームクランク50x42 13〜23の5速。もちろん、クロモリ。
ホイールはアルミのグランボアリムの手組み。
カーボンロードのホイールは、デュラエース。重量差は歴然。

カンパ鉄3アームチェーンホイール
写真:カンパ鉄3アーム チェーンホイール

こんな自転車は趣味のもので走らないと思う人がいるかもしれないが、神明峠まで55分、河原家住宅まで1時間13分で、カーボンロードと変わらなかった。

Stravaにデータを入れたところ、「神明峠」区間で、私の中でベスト2位だった。これも、ある意味、予想しなかった結果。

但し42x23では六丁峠の最後の直線登りがダンシングでもギリギリ。もっと長かったら足をついてしまうかもしれない。