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恐るべし耐久力!キャットアイのライトとソニーの電池2016/11/20

「キャットアイ」という大阪の会社がある。自転車乗りなら、サイクルコンピューター(スピードメーター)やリフレクター、ライトを製造している会社として知っている人も多いと思う。道路の反射板とかそっちのほうが会社としてはメインの業務かもしれないが。

ネコの多頭飼いみたいに、多数の自転車と一緒に暮らしている私は、メーターとライトはキャットアイ製品に統一するようにしている。キャットアイの場合、ブラケットがほぼ統一されているので、使い回すのに便利だからだ。

それに、長く自転車生活を続けていると、キャットアイ製品の品質が高いのではないかと、自然に思えてきて、あえて他社製品を買う必然性を感じられなくなるからである。別に、比較テストをしたり、意識しているわけではないが。

そんな感じで過ごしている日々、本日、屋根裏収納庫に置いたままにしている妻のランドナーを掃除してみようと思い立った。

彼女は結婚して数年は自転車に乗っていたが、出産前から遠ざかり、その後はランニングやマラニック、ロゲイニングを楽しんでいるので、四半世紀以上、輪行袋に入れたままの状態になっている。

我が家の屋根裏収納庫というのは、夏は推定、摂氏60度以上になるであろうし、物質の保存には過酷な空間である。

中に入っていた自転車はどうなっていたのか!?

タイヤ、これはユッチンソン(仏)。今はハッチンソンと言っているようですが、は無残に風化してボロボロ。

輪行袋の中には、当時は、何でもない部品だった、アラヤ20Aリムとか、ウイナープロのボスフリー(13-24、6速)、ゼファールソリブロックのフレームポンプ、サンプレックスのリアディレイラー、ストロングライト99のクランク&チェーンホイール、セディスポのチェーン、など、いまではちょっとしたお宝を発掘した気分。それらの品は外見上、特に劣化もなく、気分が高揚した。

で、ハンドルを見ると、まったく記憶してなかったが、キャットアイのライトが付いていた。きっと電池の液漏れでボロボロだろう、と思いながら、念のためスイッチを入れたら点灯した。

これにはほんと、びっくり!
過酷な夏を何度もくぐり抜け、まったく放たらかしにされて自然放電とか諸々あるだろうに、四半世紀以上のブランクを経ても点灯するなんて。

ちなみに電池はSONYのアルカリ単2×2。電池の使用期限をみると92-02 とあったので、1992年02月であろう。期限を過ぎて24年。恐るべし、当時の日本製品。いや-、久々に驚愕しました。

キャットアイ CATEYEの自転車用ライト
写真:これが、キャットアイの恐るべき耐久力をもつライト

米山悟「冒険登山のすすめ」ちくまプリマー新書20162016/11/30


冒険登山のすすめ

「なるべく天然の山を天然の方法で登りたい」

「人で混雑する人気ルートや紅葉シーズンの百名山のような山は、ここでいう山ではありません」「人で混んでいる山はもはや山ではなく、公園のようなものです」

「自由を感じるための山登りは、人とほとんど会わないルートや、道のないルートです。それは特殊な場所の話かと思うかもしれませんが、それは違います。そういうところはたくさんあり、山域の面積のほとんどを占めています。多くの人は、有名な山のそのうちいくつかのルートしか目に入らないだけなのです」

米山悟「冒険登山のすすめ」ちくまプリマー新書264 筑摩書房2016より

久々に感動する山の本に出会った。最近刊行された山の本では、宮城公博「外道クライマー」集英社インターナショナル2016 が面白かったが、この本は、真面目に面白いし、共感できる。

地下足袋や冬山イグルー山行のすすめには、ちょっと実力的に、私などお呼びではない感じで引いてしまったが、全体として、実践に裏打ちされた知性が伝わってきて、秀逸な本だと思った。

「筑摩プリマー新書」というのは高校生向きのシリーズ本のようであるが、55歳のオヤジが読んでも、とってもためになる。もっとも、肝心の高校生が読んでどう思うかは、謎だ。

「高校生向け」の本というのは、名著が多いのか、自転車の分野でも、今でも折に触れて読み返しているのが 五十嵐高「サイクルスポーツ攻略法」岩波ジュニア新書137 岩波書店1988。

この本は、「単なる情報本ではなく、乗り方・買い方・オーダーのしかたから、走る自転車の力学までこれ一冊でわかってしまう。ただしこれは、単なる情報本ではないぞ。自転車ブームを見直し、未来の都市と交通のことも考える、自転車乗りのバイブルだ」と裏表紙に内容要約文が書かれている。

自転車本の相当数に目を通して四半世紀以上過ごしている私にとっても、「自転車本の古典」のひとつとしてスペシャルな名著だと断言したい。