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スノーシューかワカン(輪カンジキ)か?2017/01/16


ワカンとスノーシュー
写真:左はワカンの定番「エキスパート オブ ジャパン」。右はスノーシューの定番「MSRライトニングアッセント」。

雪山装備で、ワカンかスノーシューか、迷う人は多いかもしれない。

私の所属する山岳会でも新入会員の方などで、しばしば、そういう話を聞く。

私の中での結論は出ている。ストックで済む山行や場所なら、スノーシュー。ピッケルを使わないといけない山行ならワカンもあり。

ワカンは「手段」で、スノーシューは「目的」になり得る。
ワカンを使って楽しいと思ったことはないが、スノーシューだと、雪上行動の自由を得た感覚が得られ、そのために雪山に行こうという気持ちになる。

商業ツアーで、例えば北八ヶ岳のペンションに泊まって、スノーシューハイク+暖かい珈琲+スウィーツ、なんていう企画は成り立つだろうが、スノーシューの代わりにワカンというのはあり得ないというか、聞いたこともない。ワカンを装着すると、それは雪景色を楽しむスノーツアーではなく、鍛錬道場になってしまう。

これまでに、同じところにスノーシューとワカンを持ち込んで比較考察した私の体験からである。

ワカンはツボ足とニアリー。スノーシューはスキー(私はゲレンデスキーしかやっていないのでテレマークとか山スキーとの比較はできない)とツボ足との間か。

ワカンはスノーシューと比べると軽量なので、ワカンを検討する人の多くは、その重量差を問題にしているようである。確かに、ザックに付けて背負う時には、ワカンの軽量メリットを感じられるかもしれないが、足に装着して雪中を歩く時には、スノーシューの性能メリットはワカンとの重量差デメリットを相殺して余りある。

ワカンでラッセルするのはスノーシューの2倍(当社比)の体力が必要。スノーシューとワカンの混成で山行すると、そのことを実感できる。ワカンの人に、スノーシューの人の2倍位の体力があれば同じペースで進めるが。もちろん、雪質による違いはあり、新雪ほどスノーシュー有利で、雪が締まってくるとワカンとスノーシューとの差は縮まるが、残雪期でもスノーシューで不便に思ったことはない。

私が思うのに、冬山のストイックな長期間に渡る山行で、それこそ30kgオーバーの荷物を背負わざるを得ず、そういったシチュエーションで軽量化をシビアに考える、というのであれば、スノーシューとワカンの重量差は問題になるが、日帰りや数日の山行で、その重量差を問題にするような体力なら、そもそも積雪期に山に入らないほうがいいと思う。

また、ワカンに雪上での「浮遊感」を期待するのは無理がある。「ツボ足とどこが違うの?」「無いよりマシか」という程度に考えておいたほうがいい。

ピッケルを使う、例えば積雪期に穂高の稜線に行く、というのであれば、ワカン。スノーシュー歩行を楽しむ、なんていうことを目的にしているのではなく、アイゼンと併用できるワカンの独壇場。硬派なイメージの山岳会に所属したことのある人からは、「皆、ワカンでしたよ。スノーシューの話なんて聞きませんでした」という話であったが、雪山の対象と目的が違うということ。登攀メインでアイゼン&ピッケルにはワカン、ストックで歩けるスノーハイクには、スノーシュー。

急斜面でもストックの範囲内であれば、例えばMSRのライトニングアッセントのようなスノーシューなら全然問題無いと思う。

先日、MSRライトニングEVO(コストパフォーマンス重視の入門モデル)の最新モデルを装着した人と同行したが、EVOはスノーシュー本体がプラスチックのため、急斜面での蹴り込み性能が劣る印象を受けた。アルミの外枠で製造されているライトニングアッセントの性能がやはり上である。

急斜面の下りでは、後ろ向きの態勢で、スノーシューを斜面に蹴り込みながら下る。急な斜面では、登りも下りも、キックステップと同じ感覚で、スノーシューをしっかり蹴り込めば、面白いように行動できる。スノーシューのアイゼン部分を斜面にペタっと置こうとするような、通常のアイゼン歩行のやり方ではなく、アイゼンは無いものと思って、スノーシューが大きな靴の感覚で、キックステップをするのがコツだと思う。

滋賀県野坂山地2017年1月
写真:新雪でラッセル。(2017/1/14 滋賀県野坂山地)
※新雪がどんどん降り積もる状況ではスノーシューでも、腰まで沈む。

TREK970 MTBをドロップハンドルに改造2017/01/28


TREK970ドロップハンドルに改造
   写真:TREK970 ドロップハンドルに改造

MTB、1996年モデルのTREK970SHXを、2016年12月、ドロップハンドルに改造した。

SHXはサスペンションフォーク付きのモデル名。リジットフォークのTREK970というのもあったので、購入当時、リジッドにしておけば良かったと今なら思える。でも当時は、効いているのか効いていないのかよくわからないエラストマー式のフロントサスペンションというのも、いざという時に効くのなら、普段はサスの存在を感じさせずに推進力ロスが無くて良いかもしれないと思っていた。

15年以上、妻の実家に保管させてもらっていたのだが、数年前に引き取った際、フロントサス内のエラストマーがドロドロに溶けていて、リジッドに交換したのだが、再度、フォークも交換してドロップハンドルにした。

フォークを交換したのは、色の問題で、黄色にしていたのだが、クロームにしたく、塗り直すよりも新品のクロームを購入したほうが安いため。もちろん、クロモリ。

Vブレーキではなく、カンチブレーキ最終年度のモデルのため、変速関係での改造の苦労は無かった。8速なので、ロード用のデュアルコントロールレバーと互換性がある。但し、2016年現在では3×8速の手元変速レバーは普及品の「クラリス」しかなかったが、結果、特に不満はなく、十分な性能だと思う。
MTBドロップハンドルにクラリスのレバー
 写真:シマノ クラリスの3×8速用 デュアルコントロールレバー

米国トゥルーテンパー製のクロモリフレームには、細身のパーツが似合い、当時のシマノXTのクランクやディレイラーを交換する気持ちも必要性もなかったので、そのまま。カンチブレーキはXTRなので、今となってはお宝感も発生。
米国トゥルーテンパー製クロモリチューブ
 写真:米国トゥルーテンパー製クロモリチューブ
シマノXT
 写真:シマノXTのスリムな後変速機

 写真:シマノXTRのカンチブレーキ

この機会にVブレーキに改造しようと一瞬思ったりもしたが、ディスクブレーキ時代の今更、性能を重視するよりは、MTBカンチのフィーリングを楽しむ方がこの自転車を保有する意義があると考えた。それと、なにより、TREKオリジナルのシートクランプ一体式のブレーキケーブルアウター受けがシンプルで面白いので、残したいと思った。
TREKオリジナルカンチアウター受け
 写真:TREKオリジナル カンチブレーキアウター受け

ハンドルは、ドロップが浅くてリーチも短い、ディズナの製品にした。
メーカーのホームページから引用すると
 <ディズナのクロスシリーズは、ピュアなオンロードではなく、オフロードでのシクロクロスレースやシクロクロス遊び、少しラフなスタイルのオンロードをイメージしており、特にフラットロードからドロップに移行するライダーなどを重視しながら製品開発に取り組んで行きます。
 バンディーハンドル ¥5,985(本体¥ 5,700)
●ポリッシュBK・ポリッシュSL ※ポリッシュ加工はトップ部分のみ
●6061 T-6 ダブルバテッド
●トップ部分385mm/エンド部分470mm(C-C)
●298g●ドロップ:100mm・リーチ:60mm
●ドロップエンド付近約120mm区間ハンドル径:22.2mm
●クランプ径:31.8mm
超コンパクトのセミドロップスタイルのハンドル。ドロップハンドルでありながらプロムナード的にも使用でき、またアーバンスタイルやオフロードに於いても扱いやすい設計の新たなカテゴリーを印象付かせるハンドル。エンド付近の径をフラットハンドルと同じ22.2mmとしフラット系ブレーキレバーを装着可能。勿論通常のドロップ用ブレーキブラケット取付け部分は23.8mmに設定しており、多目的なドロップハンドルとしても魅力的。ハンドルを裏返してディズナのWレバー用マウントなどを使用しフラット用ブレーキレバーでアップスタイルなプロムナードにも変身する。60mmのリーチと100mmの超コンパクトなドロップとしての機能性能は勿論、他には無い存在である。>

とのことで、MTBにはいい感じである。
ディズナのMTB用ドロップバー
 写真:ディズナのMTB用ドロップハンドル

で、そもそも何のためのドロップハンドル改造かというと、最新スケルトン+ストロークの大きいサスペンション+27.5インチ+油圧ディスクのMTBを2015年に導入してからというもの、今更ながらであるが、旧式のMTBでシングルトラックに入る機会が無くなってしまったからだ。

かといってクロモリフルリジットのMTBも好きである。山仕様でなく、他に活用できる道があれば存在意義を見いだせるわけで、「輪行用、急勾配ツーリング、1泊まで」という極めて限定的な用途に思いが至った。イメージ的には四国の祖谷の集落を巡って、若干のシングルトラックの押し担ぎも含まれるようなツーリング。

最新のディスクMTBだと、大柄すぎて輪行する気持ちになれない。26インチ細身のカンチMTBだと気楽に輪行できる。

舗装路がメインの用途なので、タイヤもスリックにした。中途半端にオフロード性能を求めるよりは、走りのしなやかさを求めた。本当はグランボアのエートル(650×42B)の26HEバージョンがあればいいのだが、そうすると650Bデモンタランドナーと同じになってしまうので、ミシュランのスリックで良しとしよう。

旅にはランドナーが一番だが、時にはドロップMTBも。
もっとも、フラットハンドルのままのMTBでもワンデイから1泊のツーリングなら何の問題もないのだが、マニアの性として、単なる古いMTBだと思われる自転車に乗ってツーリングしたくないというこだわりが、こういう行為をせしめているのである。

まだ、本番で使っていないので、結果がどうなるかは、後日報告したい。