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三江線 全駅コンプリート(ランドナーで)2016/10/01

JR三江線<広島県三次(みよし)-島根県江津(ごうつ)間>が廃止されることになりました。廃止予定日は2018年4月1日。

2007年に江の川と三江線沿いを走り、かねてより、もう一度訪ねたいと思っていましたが、廃線の動きの報道に接し、今度は、全35駅を訪問することにしました。

1日の運行本数は少ないのですが、駅は綺麗に掃除され、花の手入れもきちんとされていて、三江線は、本当に地域の人に愛され大切にされている存在なのだと感じました。

三江線の維持にどれくらいのお金が必要なのか知りませんが、鉄道が無くなることで地域の衰退に拍車が掛かることにもなりかねません。地域の誇りを保ち、それこそ「国富を守る」ためにも、鉄道が存続できるようにオルタナティブな道がとれないのでしょうか。災害が生じても道路は税金で治しますが、鉄道は基本的には事業者負担。国土を守る費用として、原発関連に使われる費用とは比べものにならない小さな金額で、鉄道を生かして地域振興をはかることはできないものなのでしょうか。狭義での経済合理性の枠内で考える限り、赤字ローカル線の廃止は「やむを得ない」ことになりがちですから、パラダイムの変革で活路を見いだせないものでしょうか。

ルートは、基本的に下りで交通量も少なく、実に走りやすくて気持ちの良い道です。写真を撮りながらなので止まることも多く、走行距離はメーター読みで140km、ツーリングとして1日に走る距離としては長いのですが、楽ちんでした。

江津駅前のビジネスホテルに泊まり、翌朝は三江線に乗車しました。窓の外、自分が走ってきた道を眺めながら。

【使用自転車】 TOEI700Cランドナー
【行程】
2016年9月9日(金) 京都市内五条葛野大路GS21:10=(中国道)=24:40七塚原SA(車中泊)
9月10日(土)七塚原SA6:15=6:35三次駅近くの駐車場(車デポ)7:12~7:15三次駅~8:16長谷駅~9:40作木口駅~10:04口羽駅~10:40宇都井駅11:05~12:07潮駅~12:55沢谷駅~13:09浜原駅~14:47石見川本駅~16:04川戸駅~17:06江津本町駅~17:18江津駅~ビジネスホテル(泊)
9月11日(日) ホテル~江津駅6:00=(三江線423D)=9:21三次駅=デポ地10:00=(中国道)=16:00京都(自宅)

三江線 粟屋駅
三江線粟屋駅:綺麗に花が生けてある。この後、他のたくさんの駅でも一緒だった。

江の川と三江線
三江線と江の川に沿って走る

三江線 潮駅
潮駅

三江線 江津本町駅

三江線コンプリート

キャラダイス バーレイ サドルバック2016/10/06

キャラダイスのバーレイというサドルバックを入手した。「クラシックサドルラック」という純正のラックと一緒に。

TOEI650Aランドナーのフロントキャリアを外し、ライトツーリングモデルに改造したので、英国風というわけではないが、サドルバックを積極的に使ってみようと思った次第。

装着するにはサドルループが必要。ブルックスのチームプロだと後付けのループになるので、なんというかもうひとつ。TOEI650AはブルックスのB17でサドルループが最初から付いているので、装着はバッチリ。というかブルックスのループ付きサドル用に開発された製品かもしれない。どちらも英国のメーカーだし。

仏のジルベルトゥのサドルのループにも問題なく付く。

TOEI650Aに装着して実走したが、ガタつきや異音も発生せず、使い良い。

専用のアタッチメントをシートポストやサドルに固定装着しなくてもいいので、複数の自転車で使い回すのにも良い。サドルはブルックスのB17か、ブルックスプロフェッショナルならチタンベースのループが付いているのにするのがベターだが。

キャラダイス バーレイ
写真:キャラダイス バーレイ

キャラダイス バーレイ
写真:TOEI650Aランドナーにキャラダイス バーレイを装着

キャラダイス バーレイ
写真:キャラダイス バーレイとリクセンカウルのフロントバック

カーボンとクロモリの乗り味の違いと、自転車の命名についての一考察2016/10/08


グランボア スポルティフ
写真:グランボア 泥除付レーサー
   サンツアーシュパーブプロほぼフルセット 2008年納車

CASATI ゴールドライン
写真:CASATIゴールドライン  1990年購入

TREK ドマーネ2016モデル
写真:TREK ドマーネ 2016モデル

 今日は、ちょっと昼ご飯に”猪ラーメン”へと向かい、まっすぐ周山街道(R162)を走るとすぐなので、いつもの保津峡から水尾経由、長野を回って行きました。約50km。

このところクロモリの自転車に集中的に乗っているので、今回は最新のカーボンモデル。トレックのドマーネです。

先週、グランボアの泥除付レーサー(チューブはカイセイ022、ナガサワのクラウン)に乗って、スッと踏むとススーと走る感触に自分の自転車ながら感動しました。その前は、写真(中)のCASATIで、自転車が身体の動きにリニアに反応する、スパッとした走りを楽しみました。今日はカーボンの乗り心地、乗り味について感じるべく、神経の大部分を集中してTREKドマーネで走りました。

そこで思ったのは、「クロモリは人間(の入力)との対話があるけれど、カーボンとは希薄」ということです。カーボンはひたすら前進することに集中していて、ムダなことはしませんよ~といった感じ。

クロモリは、スッと脚を入れれば、自転車もそれに瞬時に反応してくれます。調子のいいとき、ガンと踏めばドーンと進んで、疲れると、自転車もなんだか進むのをいやがるみたいな感じ。

カーボンだと、人間はモーターになった感触で、自転車はモーターの回転を推進力に忠実に変換しているけど、フレームの存在感が希薄です。空気中に浮遊しているみたいで、存在を感じるのはモーターとしての自分とホイールとサドルとハンドルだけ。

クロモリがマニュアルミッションの車で人馬一体の楽しみ方とするなら、カーボンはオートマ(しかもステップATではなくてCVT)車で、とにかく楽に速ければいい、みたいなものかもしれないと、思ったりもしました。

クロモリはフレームの存在というのをすごく感じます。それだけ重いということかもしれないけど。

定量的な比較はしていませんので、まったく定性的な、まあどうでもいいような個人的感想ですが、クロモリは自転車との対話があるから、旅にはぴったりだと思いました。なんか、「こいつと一緒に走っている」という気持ちが生じ、自転車が仲間のように思えるのです。

となると、自分が乗っている自転車に名前を付けたくなる気持ちになるのも、不思議ではありません。1970年代とか80年代は、けっこうそういうノリがあったのではないでしょうか。

今のカーボンロードバイクに名前を付けて呼んでいる人は、多くはないと思いますが・・・。

ウチが自転車に名前を付けるカルチャーだったとすると、最初の数台はいいのですが、そのうち、
◇家人:「おとうさん、いいかげんにしてくださいよ」
◆私:「う~ん、じゃあ今度の自転車の名前は ”トメ”にするよ」
そして、またしばらくして
◆私:「すまん、また1台生まれてしまった。名前は”トメ吉”にするから」
◆私:「あーっ、ごめん。また1台出来てしまった。名前は”トメ子”だからな」

てな、繰り返しになって、ウチの自転車の名前は、トメ、トメ子、トメ代、トメ吉、トメ夫、などなど、いつもこの子でおしまいです、という決意のようなものをつけないといけなくなります。※ご親族やご先祖にそのようなお名前の方がいらっしゃいましたら失礼をお許しください。どの子がどの名前だったか、覚えられなくなる可能性が高いので、私は自転車に名前を付けていません。

ボスフリーの不調を回復。油を差すだけ。2016/10/10


TOEI650Aランドナー
写真:TOEI650Aランドナー 1987年納車。最新の改造は2016年。

本日、TOEI650Aランドナーに乗っていたところ、下りでペダルを止めて慣性走行になると、後輪から若干の異音が生じ、チェーンがチェーンステーに接触するというかクランクの回転を停めていいるのにチェーンが暴れる現象が生じました。ペダルを回すと問題は解決するので、ペダリングを続けて、昼食予定地まで走りました。

フリーかハブの不調だと思って、アイズバイシクルに電話しましたら、若きD店長(20歳代)が応対され、「それはフリーの油ぎれの可能性が高い。車輪を外してフリーを回しながら隙間に注油するといい。フリーの爪まで壊れていることもあるので、その場合でしたら治らないけど」との返答を頂きました。

京都の美山町(今は南丹市)という自転車に理解のあるエリアだったので、昼食を頂いたお店にはゲージ付フロアポンプとか様々な用意があり、お店の人に「CRC(呉化学工業の一般的なスプレーオイル)をお願いできませんでしょうか」と頼みましたら、「よくあることです」と快く貸して(使った分はお返しできませんが)くれました。

で、若きD店長のおっしゃる通り、CRCを吹き付けましたら、無事、治りました。その後80kmほど走り(今日の全行程は150km)ましたが、まったく問題ありません。帰りにアイズバイシクルに寄り、D店長に御礼と「いったん不調になったフリーでも油を差しただけで大丈夫なのか、応急処置的なものなのか」と尋ねたところ、「大丈夫」とのこと。

フリーは(伊)レジナというメーカーのエキストラです。ボスフリーです。恥ずかしながら四半世紀以上自転車に乗っていながら、ボスフリーに注油の必要があることを知りませんでした。

家に帰って、ウチには主な自転車関連本は揃えているつもり(この5年間は弱いですが)なので、メンテ本を海外の翻訳本も含めて(概して海外の本の方が真剣度が高い、というかまともなものしか翻訳されないのかも)見ましたが、そのことを記述している本は、ほとんどありませんでした。そもそも、最近出版された本でボスフリーのメンテに紙数を割くというのがあり得ないのは判ります。本を出版する際の原価に紙代は大きいと思うので、真っ先に削られるのは経済合理性からいっても仕方ないです。

ほとんどありませんでした、と書いたのは、さすが、新田真志「自転車メンテナンス・ブック」アテネ書房1987 にはちゃんと書いてありました。「ボスフリーは1ヶ月に1回、注油するように」と。走行キロ数については記されてないので、乗らなくても油分が飛んだりしてその頻度なのかどうかは謎ですが、ともかく、ボスフリーに注油の必要ありと。

多分、普通の店というか、バイトちゃんが対応するような店なら当然のこととして、「お客さん、こんな古い部品でしたら、もう駄目ですよ。寿命ですよ」と冷ややかなコメントで終わっていることでしょう。

数年前から、ランドナーが一定のブームらしかったそうですが、ネット情報とオークションでパーツを集めて、それらしく造ったりしても長続きしないだろう、後のメンテを考えても、やはり信頼できる店にお願いするのが一番だと、改めて思いました。D店長も、コンサル料をとったりしませんし。パソコン関係の有料サポートみたいに。

ランドナーとロードレーサーの走行比較の一例2016/10/19

ランドナーとロードレーサーとを、同じ人間が同じように乗ったら、どれくらい速度が違うのか?

「同じ人間が同じように乗る」ことを担保してきっちり実験・分析するのは大変な労力がかかり、そこまではなかなかできないので、実験ではなく過去の走行ログから単なる一例として、考察してみた。

<方法>
1)スマホアプリ「山旅ロガ-」で計測した走行ログを使用。計測区間の距離等は「ルートラボ」を使用。途中で写真を撮ったり工事規制のために停止することが無い区間というのは案外少なく、同じようにノンストップで通過している区間を抽出するのに苦労した。厳密にはランドナーの場合、トンネル通過時に停止してダイナモを操作しているが、そのことは捨象。
2)計測日が異なるので風力による影響等、同一ではない。
3)乗車する人間(私)のコンディションも同じとはいえないが、いつものサイクリングペース(ことさら急いだりゆっくりではなく、その自転車で気持ちいいペース)で走行している。タイムトライアル的な走りでの比較ではない。
4)計測区間は周山街道(国道162号線)の京北町弓削川の橋(弓削の集落の南端。バイパスが分岐する地点)から弓削の集落内旧道を走り、バイパスと合流して深見峠(トンネル)までの6.8km、平均斜度+2.5%の緩い上り区間と、深見峠(トンネル)から美山町安掛(赤橋)までの下り区間。下り区間は6.0km、平均斜度-3.7%。トータルで12.8km。
5)比較した自転車はTOEI650Aランドナー、グランボア泥除付レーサー、TREKエモンダ2015年モデル。

<比較した自転車のスペック等と計測結果>
下記表をご覧ください(全ての表がクリックで拡大)



<考察>
①峠への上り下りを合わせた区間トータルで、グランボア泥除付レーサーの所要時間を100とすると、エモンダ106.3%,ランドナー115.1%(表2)。平均速度は泥除付レーサー28.0km/h、エモンダ26.3km/h、ランドナー24.3km/h(表1)。

②上り区間では、泥除付レーサーを100とすると、エモンダが105.9%、ランドナーが112.2%(表3)。平均速度は泥除付レーサー21.2km/h、エモンダ20.0km/h、ランドナー18.9km/h。

③泥除付レーサーが上りきったトンネルに到着した時点で、各車20km/hで走行しているとすると、エモンダは405m後方、ランドナーは783m後方にいることになる。

③下り区間では泥除付レーサーを100とすると、エモンダが107.4%、ランドナーが122.1%(表4)。平均速度は泥除付レーサー44.2km/h、エモンダ41.1km/h、ランドナー36.2km/h。

上りよりも下りでランドナーとレーサーの差がついた。これは、ランドナーの走行時には向かい風が強かったというのも影響しているが、ギア比の問題が大きいと考えられる。ケイデンス100の場合、ランドナーは最大が46×15で38.6km/h、泥除付レーサーは50×13で48.4km、エモンダは50×12で52.4km/h。ランドナーは下りでペダルが空回りになり、高速走行ができないのと、気持ち的にもレーサーのように回さないので、比較すると遅くなったのだと思う。エモンダは泥除付レーサーよりギヤ比が高いのだが、泥除付レーサーよりも遅くなっているのは、これまでの経験で軽量な自転車よりもある程度重たい自転車の方が下りでのスピードのノリが良いことと関係があるのかもしれない。脚力的にもエモンダの最大ギア比を有効に使うだけのパワーが無く、ギヤ比を活かしきれてないのだと思う。

⑤今回の比較ではクロモリの泥除付レーサーが最新カーボンのエモンダよりも速かったが、このことをもって素材を語る際の一般化は、もちろん、できない。エモンダで走行したのは泥除付レーサーの1年半前。先シーズンも今シーズンも、走力にそんなに変化はないと自分では思っている。年齢は54歳から55歳になっているが。仮に今シーズンの走力が上がっていたために、泥除付レーサーが速かったのだとしても、泥除付レーサー(クロモリWレバー仕様)とエモンダの差はその程度のもの。逆にいえば、ちょっと練習すれば最新カーボンよりもクロモリで速く走れることになる。

⑥レーサーはランドナーよりも断然速いかと思っていたが、その差は思っていたよりも小さかった。レーサーで走ると速いと思うのは、レーサーに乗るチーム練習会だとメンバーに引っ張ってもらえて気合いが入っているのが大きいだろう。写真撮影等のため停車することが少なく基本、ひたすら走っているだけだし。チーム練習会だと峠が数個の山道を午前中だけで110kmくらい走行するのが普通だが、ランドナーでツーリングすると110kmは1日かかる。感覚的にはランドナーの性能はレーサーのスピードの2/3位かと思っていたが(楽しさは全然別。ランドナーが”走らない”という感覚は全く無い)、脚力のある人のランドナーなら、普通のレーサーよりも十分速く走れる可能性が高いことがわかった。もっとも、ランドナーにまたがると、スピードを上げることよりも、自然とゆったり気持ち良く走ることになってしまうことが多い。

<まとめ>
峠道の登りと下りを含めた区間で考察したところ、登りよりも下りの方がスピード差が大きかった。ランドナー走行時は向かい風で、その影響もあると推測されるが、ギヤ比の差が大きいと考えられる。ランドナーにも14や13のスプロケットを入れていれば、その差は縮まったと思う。走行性能そのものでいえば、ランドナーとレーサーとの間に、思ったよりも差はなかった。

写真:グランボア泥除付レーサー 走行ログ計測日に撮影


写真:TREK エモンダ 走行ログ計測日に撮影

写真:TOEI650Aランドナー 走行ログ計測日に撮影