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隧道(トンネル)の扁額(へんがく)2018/12/02

(2018.12.22 追記4 撥雲洞トンネル)
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自動車で走っていると、一瞬のことなので目に留める機会も少ないかもしれないが、自転車だとしっかり目にとまるものがある。

その一つがトンネルの扁額(へんがく)。扁額というのは高い位置に掲出される額や看板のことで、寺社の門やトンネル、茶室などが代表例。

気をつけてみると、トンネルには扁額として漢文でなんらかの意味を記されているものが、しばしばある。

昔はトンネルを掘るというのは大事業で、トンネルが開通した記念というか、揮毫感覚なのか、ふさわしい一句、みたいな感じで付けたのかもしれない。

今の高速道路やバイパスだと、トンネルなんてそれが普通で、いちいち感動を味わうことはなく、「○○3号トンネル」とかいった感じの表示で済まされているが。

難しいことは十分承知しているが、トンネルの一つ一つのに漢文調の扁額をつけることを何らかの内規等で定めたら、日本文化のためにもなかなか良いのではなかろうか。

その地域の歴史や故事にちなんで、ふさわしい文字を扁額とする。そのことで、地方の文化人や役所の中の文人的な役割を評価することになると思う。

私の高校の同級生で、中国哲学を学び、仙人になる方法とか、諸々、東洋の哲学や文学に通じた人物がいるが、そういう人に、世間的にも活躍の場を提供できたら素晴らしい。

新しい高速道路やバイパスのトンネルでもこれはという箇所には、しかるべき言葉が選定され、扁額をこしらえる。

運転手はともかく、同乗者は、扁額にこめられた思いに一瞬、心を寄せる。もちろん、一方的な価値観の押しつけであったりするものであってはならない。日本国憲法の精神から逸脱しないという前提で。

まあ、奇跡的にそんなことができても、税金の無駄使いとか、グローバル指向の世で無駄の象徴のように糾弾されるのがオチだろうが。

というようなことを考えたのは、常々そこを通過する度に思っていたのだが、今日も自転車でいつものルート、奥嵯峨から保津峡沿いを走っていて、小さなトンネル2つの扁額に接したからである。

六丁峠を越えて、最初にであう「落合隧道」には「竭誠盡敬(けいせいじんけい)、「誠をつくし、敬をつくす」との意味。
落合隧道

その次に現れる「鵜飼隧道」には「平安乾域とある。「乾(いぬい)」は方角でいうところの北西であるので、このトンネルが平安(都)の西北、ということであろうか。
鵜飼隧道

去年、その高校の同級生と息子さんと一緒に走った三重県の長野峠旧道には、トンネルの扁額を切り出したモニュメントがあり、「其の功をもって裕とす」とある。”天然への畏敬と人間賛歌とが微妙なラインでせめぎあう面白い言葉”だという解釈をwebから得たが、よくわからない。

トンネルの扁額に気づくのは、サイクルツーリストの特権?かも。惹かれる扁額がありましたら、ぜひ、ご一報をお願いします。

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<追記4>
宮津と栗田(くんだ)の境、栗田峠の「撥雲洞(はつうんどう)トンネル」
撥雲洞トンネル
栗田峠、撥雲洞トンネル(宮津側)

撥雲洞トンネル
トンネルの説明板

撥雲洞トンネル扁額
撥雲洞トンネル宮津側扁額


撥雲洞トンネル扁額
撥雲洞トンネル栗田側扁額「農商通利」

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<追記3>
国道9号線、京都市と亀岡市の境である「老ノ坂」トンネルの扁額

老ノ坂隧道扁額
亀岡側。左が旧トンネルで今は歩行者/自転車用。右が現役トンネル。
扁額は「老ノ坂隧道」とありますが、下に
との漢文の碑があります。
何と書いてあるのかとwebで検索したところ、ブログ「轍のあった道」に説明がありました。引用させていただきますと、
”「遠邇之利往来之便」
yoshim氏のサイトに京都国道事務所からの回答として意味が掲載されている。そのまま転載すれば、「(この道ができたことにより)遠いところにも近いところにも利益をもたらし、往来の便がよくなった。」という意である。”
とのことでした。

京都市側の旧トンネル(歩行者/自転車用)には、「和風洞」と扁額があります。
和風洞

現役トンネルは「松風洞」ですが、拡張工事の際に外されたのか地上に置いてあります。
松風洞

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<追記2>
舞鶴市「大波隧道(旧)」の扁額
大波隧道扁額
「鶴高沖」とありますが、どういう意味なのでしょう?鶴は舞鶴の鶴だと推測しますが。

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<追記1>
兵庫県「鐘ヶ坂トンネル(昭和)」の扁額


「鐘ヶ坂」には明治、昭和、平成の3つのトンネルがあり、今、通行可能なのは平成年間のもの。地形図には昭和のトンネルも表記されていたので、自転車で走るにはクルマが少ないであろう古いトンネルのほうがいいと思って行ってみたが、閉鎖されていた。

扁額があるが、皆、明治のトンネルについては記しているが、この昭和トンネルの扁額についての解説をみつけることができなかった。
鐘ヶ坂旧トンネルは閉鎖
 鐘ヶ坂トンネル(昭和)にも、兵庫県知事の扁額がある。

京都丹後鉄道宮津線 由良川橋梁(2018/12)2018/12/04

由良川河口にある由良川橋梁に行ってきました。由良川の上流部は身近なエリアですし、源流部にも何度も行っていますが、河口部は初めてです。

川と海との境の鉄橋を渡る気動車の姿は、旅情を誘います。
西舞鶴を起点に、由良川河口、宮津へと走りました。舞鶴も、宮津も、丹後由良、栗田、いずれも渋くてよい味を出しています。寺社も立派です。

○走行日:2018年12月2日
○使用自転車:KONA ROVE LTD
○峠:真壁峠(127m)
○行程:西舞鶴~真壁峠~由良川橋梁(右岸)~八雲橋~由良川橋梁(左岸)~丹後由良~栗田~宮津
○走行キロ:57km

由良川鉄橋
写真:由良川橋梁右岸上流より

由良川鉄橋
写真:由良川橋梁右岸上流より

由良川鉄橋
写真:由良川橋梁右岸上流より

由良川鉄橋
写真:由良川橋梁右岸下流より

由良川鉄橋
写真:由良川橋梁右岸下流より

由良川鉄橋
写真:由良川橋梁右岸下流より。波が打ち寄せ、海のようであった。

由良川鉄橋
写真:由良川橋梁左岸上流より

由良川鉄橋
写真:由良川橋梁左岸上流より

由良川鉄橋
写真:由良川橋梁左岸上流より

由良川鉄橋
写真:由良川橋梁左岸上流より

由良川鉄橋
写真:由良川橋梁左岸上流より

  走ったルート