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富山湾岸サイクリングコース&久比岐自転車道(2020/8)2021/03/06


富山湾岸自転車道
写真:富山湾岸自転車道

私は、サイクリングロードというものが好きではなかった。

最近でこそ、まともなサイクリングロードが増えてきたのかもしれないが、以前は、自転車のためではなく、道路から自転車を隔離(自転車も車両であって、道路は自動車だけのものではないので、自転車を邪魔者扱いするのはとんでもないこと!)するために作ったとしか思えないものとか、作ったきり放ったらかし、簡易すぎる舗装がひび割れ雑草が生い茂っているようなものなどが多かった印象。

自由に走ることが自転車の魅力なのに、サイクリングロードだと管理された空間に押し込められるように感じてしまう。

例外的に走って嬉しいのは、鉄道の廃線をサイクリングロードに転用しているもの。

2020年の夏、新型コロナウイルスの緊急事態宣言が一旦解除され「go to travel」施策が開始されたものの、なんだか普通にサイクルツーリングするにはもうひとつ気が乗らなかった。

そこで、あまり人とも会わないであろうサイクリングロードをたまには走ってみるか、酷暑なので海に近いところがいい(海の近くというのは案外涼しく、盆地など内陸のほうがどうしようもない暑さ)、と思い、富山から新潟にかけての海沿いをメインに走ってみることにした。

それともうひとつ、このコースにした理由がある。
宮本輝「田園発 港行き自転車」という小説を読んで、小説に登場する”北国街道””滑川駅””入善””愛本橋””などの地名を訪ねたいと思ったのだ。
愛本橋
写真:小説の重要な舞台となった愛本橋

その小説は、富山の地方紙に連載されたもので、地元へのサービス精神にあふれていて、まあそれはそれでいいが、読者を飽きさせないような工夫を散りばめながらさらっと書き進めている印象で、渾身の力作という感じではない。

私がもしも小説家だったら、各地の地方紙向けの連載小説をそれぞれの地域のネタをちりばめながら創作し、それを単行本化、あわよくば各県の観光振興策等にも上手く関与するというスキームをつくれば、一生食いはぐれはなかろう、などとすぐに考えてしまうのがあさましい。

重要な役回りに自転車メーカーの社長が登場するが、自転車に関する描写は、正直、悲しいレベル。アシスタントの人が資料考証とかもっとちゃんとして作家先生に提供してあげれば良いのに、と思った。

それはともかく、この小説を読んで富山に行ってみたい、と思ったのは事実。

黒部川扇状地にある入善町出身の主人公曰わく(文庫本(上)P11) 「私の自慢のひとつは、この湧水のおいしさと豊富さだが、もうひとつ誇れるものがある。黒部川の川べりには、ゴミひとつ落ちていないということだ。煙草の吸い殻、スナック菓子の袋、(中略)、そんなものを川べりで目にしたことは、私はいちどもない。嘘だと思うなら、ぜひ私のふるさとに来てくれ」
とまで書かれては、行ってみずにはいられない。嘘だと思ったのではなく、清浄な場所を自転車で走りたいという、気持ちで。
黒部川河口
写真:黒部川河口:下黒部橋より


大平峠
写真:大平峠 

親不知を通過するには、国道8号線の長大トンネルを何本も通過しないといけないので、峠越えルートをとった。ちょうどその日そのとき、親不知トンネルではタンクローリーが横転する大事故があって通行止めが続いていたとのことで、エスケープしてよかった。

新潟県に入ってからの自転車道「久比岐(くびき)自転車道」は、北陸本線の旧線路跡とのことで、これもまた、期待できる。

久比岐自転車道入り口
写真:久比岐自転車道入口
久比岐自転車道
写真:久比岐自転車道

そんな感じで2020年の夏、富山から新潟への基本海沿いサイクリングロード活用ツーリングを実行した。

いつもと違うのは、サイクルジャージでなく綿Tシャツで全て走ったこと。酷暑下では、荷物を背負わずTシャツで走るのが、一番涼しくて気持ち良い。袖から背中に風が抜けるので。化繊でピッタリしたサイクルジャージより断然快適なのだ。綿でもなるべくペラペラの薄い細やかな生地が良い。ウインドブレーカーを持参すれば峠でも汗冷えの心配はない。

今回の反省としてはパンク修理のこと。2日目のホテル出発時、後輪がパンクしているのに気づいた。チューブを交換して5分ほど走るとまたパンク。今度は念入りにタイヤの裏側を指で丁寧になぞってみたところ、ほんの小さいガラス片が刺さっていた。タイヤをきちんと確認せずにチューブをはめたので、すぐに新しいチューブもパンクしたのだ。パンク修理の基本を怠ったことを反省した。パンクしたチューブは、後刻、休憩がてら糸魚川市内の自転車屋さんでパッチを貼って治してもらった。パッチセットは持っていたが。

○走行日:2020年8月24日夜~27日
○使用自転車:グランボア650Bランドナー
○宿泊地:小川温泉 ホテルおがわ
               柵口(ませぐち)温泉 権現荘
○峠:大平峠(638m)
○行程:8/24 京都自宅20:30=(北陸道)=23:50尼御前SA(車中泊)8/25 7:20=8:45富山市内城河原公園(デポ)9:22~9:40岩瀬~10:15常願寺川今川橋~10:20水橋魚躬(みずはしうおのみ)~11:00滑川駅~11:40早月川早月橋~12:00魚津(昼食)12:30~13:20生地鼻生地灯台~13:40黒部川下黒部橋~14:53入善駅~15:40愛本橋~15:55舟見~16:55小川温泉ホテルおがわ(泊) 走行87km
8/26 ホテルおがわ(出発時にパンク修理)8:53~朝日小川ダム(もう1度パンク修理)9:23~10:04泊駅~10:46富山湾岸サイクリング道路終点~境川境橋10:51~11:33上路~12:10栂海新道交差~12:40大平峠~13:25電気化学青海工場~13:33青海(昼食)~14:12姫川姫川橋~14:30糸魚川駅前~15:05早川早川橋~15:07久比岐自転車道入口~15:51能生川能生大橋(旧)~16:42柵口温泉権現荘(泊)走行84km
8/27 権現荘8:40~9:25能生大橋(旧)~10:15筒石~11:16谷浜駅 (輪行)=富山・城河原駅(デポ地)15:20=(北陸道)=19:57京都自宅 自転車走行38km

 ルート軌跡(クリックして拡大)


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