但馬:春来峠旧道、久斗山、安泰寺(2018/9) ― 2018/10/06
兵庫県、但馬の山間に、ドイツ人住職の禅寺がある。安泰寺といい、世界各国から禅の修行者が集い、自給自足的な生活をしているらしい。
タブレットで地形図をつらつら眺めていて、安泰寺を「発見」してから調べたのが上記のこと。住職のネルケ無方さんの著作も、数冊入手した。
週末毎に台風や雨が続いたが、久々に好天予報となった9月の休日、かつて吉永小百合主演、早坂暁脚本のNHKドラマ「夢千代日記」で有名になった兵庫県湯村温泉に車をデポし、巡ってきた。
写真:湯村温泉
湯村温泉から坂を上がり、小学校(照来小学校)の坂を越すと、照来盆地が開ける。
山間の美しい景観が広がった。
写真:照来盆地
多子(おいご)、切畑、と走り、山間のルートを春来峠を目指す。
写真:多子の神社
いつもクルマで国道9号線を走る時には、「春来トンネル」で通過してしまう山上に、「春来」の集落がある。春が来る、ムラなのだろうか。
写真:春来小学校。
写真:春来 集落
写真:春来峠旧道
小さな峠をいくつか越え、「久斗山」集落へ到着。
写真:久斗山 バス停。公衆電話等社会インフラの結節点。
バス停、バス転回場には「バス開通の記念碑」があった。電灯や水道開通記念碑は見かけたことがあるが、バスは珍しい。しかも1987年(昭和62年)建立。世はバブル経済の胎動、日本は広い。
写真:バス開通の記念碑
写真:バス開通の記念碑 碑文
今でこそ、久斗山集落は平時の道路状況ならば、車でさほど時間がかからず町の中心部から行き来できるのだが、かつて自家用車が普及する前、バスが無ければ、本当に不便な地区であったのだろう。
全国的にみれば「秘境」というほどの所ではないので、その分、世間的に全く注目されずに地域の中では隔絶され続けていたのかもしれない。
その久斗山から、更に山の中、行き止まりの一軒家が安泰寺である。
写真:安泰寺
写真:安泰寺の石庭
写真:安泰寺への道。積雪が多いと、トラバース道は単なる山の斜面になるので、歩きでも通行は困難になるだろう。
写真:地域の中心街、浜坂駅前。
写真:浜坂から湯村へは、岸田川の堤防を走ると快適。湯村は山間の温泉地のイメージだったが、浜坂からの標高差は少ない。
【走行日】 2018年9月23日
【使用自転車】 kona rove ltd
【峠】春来峠(431m=自動車の旧道)
【行程】京都市内5:30=湯村温泉駐車場8:25~9:03照来小学校~9:17多子~10:10柤大池~10:24春来(そばを食す)~10:55春来峠旧道~11:52大熊~12:21久斗山~13:11安泰寺~14:25浜坂駅15:00~15:30湯村温泉駐車場=(入浴)=19:30京都市内自宅
詳しくはルートラボで
写真の続きはGoogleフォトで(60枚)
おしまい
グランボア ミラン カンチブレーキ ― 2018/10/07
写真:グランボア ミラン カンチブレーキ
この度めでたく納車された、”グランボアoyakata650BランドナーER”には、サイクルグランボア(株)が開発製品化したカンチブレーキ「ミラン」がインストールされています。
その開発顛末については、グランボアのブログ(2017.12.4ブレーキの製作)
を参照してください。
36,000円もするカンチブレーキですが、ビジュアル的には、正直、おとなしい地味なブレーキにしか見えません(個人的感想)。物理学を学んだり、工学的経験値が豊富だったり、自転車部品への教養豊かな方ならインスピレーションが働くのかもしれませんが、凡人のサイクリストには。
随分前になりますが、仕事で酒業界を担当したことがあり、その時、灘の大手酒造メーカーさんの話で今でもよく覚えている話があります。
「メディアの方とか評論家の方は、手作りということに結構価値をおかれたりしているようですが、例えば高等小学校を出てこの道50年、精米に従事している方がいらっしゃるとします。設備投資がまわらない酒蔵で、昔ながらの方法で、その米磨き職人さんが心を込めて米を磨き、酒を造ったとしても、酒は酵母の生化学反応で出来るわけで、旧来の方法で心を込めて磨くということと出来上がった酒の品質の関係度合いは大きくはありません。それよりかはちゃんとした設備を入れ、旧来の方法よりも正確に効率良く米を磨いて酒をつくったほうが、いいとは思いませんか。人力でやって意味ある仕事と、さほど関係ない仕事とあるのです」。私の解釈も入って、そのままの言葉ではないと思いますが、そんな感じ。
カンチブレーキ「ミラン」についてはどうでしょう。大メーカーなら、所有のプレス機や鍛造設備で安価に効率的に製造できるものを、「手作り」で人的コストが大きいための結果であれば、さほど魅力的ではありません。
設計デザインの創意工夫への対価に加えて、汎用のプレス機では対応できない良い材質を使っているとか、機械よりも人力の精度が優れていることも多いので、そういう部分のコスト構造なら納得。ただ、精度といってもカンチブレーキの場合、本体がどんなに精度よくても、ブレーキシューのセッティング誤差というかやり方で、製造公査など問題にならないほどのばらつきが生じるでしょうから、パーツの精度にどこまで意味があるかは、よくわからないような気もします。
前フリはそれくらいにして、自転車パーツは、やはり使ってナンボ。本日インプレッション走行をしてきましたのでその報告まで。
コースは自宅から山陰本線の保津峡駅往復。途中に「六丁峠」という結構な傾斜の峠があります。直線の高速ダウンヒルから一挙に減速、といったシーンはありませんが、急勾配でコーナーが多いツーリング的シーンには合致しています。
結果、「ミラン」の感想としては、「使うとすごいんです!!」。
そのおとなしい外観とは違った意外な印象。きわめて現代的な味付けで、ブレーキレバーを引くと、「私はよく働きますよ!」といったメッセージがすぐに伝わってきます。
グランボアのセンタープルブレーキ「シュエット」と似た味付けで、そのあたりは開発者である土屋さんの好みなのかもしれません。
グランボア製品を求めるユーザーとしては、これまでマハック等のブレーキを使ったことがあるけど、それよりも性能が良くて美的センスも優れたものを、少し値が張っても欲しい、飲みに行くのをガマンすれば十分ペイするので、グランボアのにするか、といった感じなのではないでしょうか(勝手な想像)。
制動力についてはナンの心配もない、というか、とてもよく効きます。
シマノのXTRカンチよりも断然。
写真:シマノXTRカンチブレーキ
ここでいきなりXTRカンチの登場ですが、実は、本日、パナソニックのシクロクロスフレームに換装した初乗りで、グランボアの後、まったく同じコースを同じようにパナシクロXTRで走ったインプレッションがそうなのです。ビアンキ シクロクロス(カンビアコルサ=イタリア製オーダー品)に装着していたXTRと比較しても同様です。
もちろん、ブレーキの性能というのはブレーキ単体だけではなく、フレームとリムとタイヤとブレーキレバーのマリアージュですから、簡単ではありません。
とはいっても、パナシクロフレームは、シマノのカンチを使用することを基本として設計されているでしょうし、そこのところは公平な比較です。
ちなみにグランボアのフレームはマハックのブレーキ台座で設計されていますので、逆にパナシクロのフレームにミランを装着すると、想定される性能が発揮できない可能性は高く、逆もまた真で、グランボアフレームにXTRだと、もっと効かないでしょう。
TOEI650Aに装着しているミスターコントロールカンチとの比較はどうでしょう?
今日は乗っていませんが、このコースはこれまでに数え切れないくらい数々の自転車で走っており、カーブのひとつひとつ、ブレーキの感覚は覚えています。
ミランの方が良く効くと断言できます、すみません。
写真:ミスターコントロール カンチブレーキ。ビジュアル的には力強い。
パーツの組み合わせは下記のとおりです。
*グランボアフレーム-グランボアパピヨンリム-グランボアエキュルイユ650×38B-吉貝GC202Qレバー
*パナソニック オーダー シクロクロスフレーム(クロモリ)-マビックOPEN4リム-グランボアシプレ700×30C-シマノアルテグラ6600レバー
*TOEIヤマネスペシャル2フレーム-アラヤ20Aリム-グランボアルナール650×32A-吉貝DC204Qレバー
まとめとして、グランボア ミラン はその穏やかな外観に似合わず?、とてもよく効くブレーキですが、極めて現代的というか、ガツンと効くタイプです。
実用的にも美的にも一流品といって間違いありません。最初に別の品を買って買い換えるよりも最初から良い品を装着したほうが結局はお得ですが、駄品を使ってこそ、良い品がわかるというのも真ですし、まあ趣味ですから、そこはお好みで良いのかもしれません。
これまで私が六丁峠を走って一番感動したブレーキはというと、このブログでも前に書きましたが、カンパ コーラス です。効く!と感じてからのジワーとした感覚、手のひらに伝わる官能評価が、さすがカンパ、気持ちいい、というところです。サイドプルですしレーサー用ですからランドナーやシクロクロス車には装着できませんが。
失礼しました。
※追伸:グランボア ミランへの改善お願い
タイヤを外す際、カンチブレーキの左右のワイヤーがポロンと外れるので、輪行の際等で紛失するリスクがあり、何か改善策が欲しいです。マハックの千鳥でしたら、ワイヤが外れないのですが、せっかくのグランボアオリジナル球形千鳥ですし、、。
写真:グランボア シュエット センタプルブレーキ
写真:カンパ コーラス サイドプルブレーキ
紅葉峠:台風で倒木だらけ ― 2018/10/08
「グランボアoyakata650BランドナーER」が納入されて、最初のワンデイ プチツーリングに行ってきました。といっても、いつもどおりに走っているだけですが。
2018年9月の台風21号の強風で、京都北山方面は倒木だらけで、未だに花脊峠、芹生峠、神吉から周山に抜ける道、持越峠など、全面通行止めのままで、いつものルートを走ることができません。
今回は、神吉から「紅葉峠」で亀岡盆地に降りてみました。特に通行止めの掲示は現地にはなかったのですが、やはり倒木だらけで、自転車を担いで通行しました。オートバイでは無理でしょう。
亀岡盆地からは保津川沿いの林道で六丁峠へ抜けようと思い、しばらくは倒木を乗り越えて進みましたが、絶望的な倒木の連なりを目の前にして、敗退して、保津小橋まで戻り、老ノ坂を通って帰りました。ランドナーコースですらこんな感じですから、MTBでシングルトラックを楽しむのはかなり厳しいかもしれません。
写真:いつもの河原家住宅。大銀杏は台風でも無事だったが、若干歪んだような気がする
写真:南丹市神吉診療所
写真:紅葉峠
写真:紅葉峠展望台にて
写真:こんな感じの倒木箇所が複数あり、亀岡盆地側からも神吉盆地側からもクルマやバイクでは通行困難
写真:無事、亀岡盆地に下りる
写真:亀岡盆地にて
写真:保津川沿い、旧山陰本線が対岸の道を抜けようとしたが、、、
写真:倒木を乗り越え乗り越え、進んだが、写真の地点で絶望的になり、引き返した
写真:保津小橋まで戻り
写真:沈下橋の保津小橋を渡って、帰路についた
写真:松尾橋付近にて。愛宕山がくっきり。
【走行日】2018年10月8日 9:00出発~14:50帰着 走行キロ56km(メーター)
【使用自転車】グランボアoyakata650BランドナーER
【峠】六丁峠(181m)、紅葉峠(380m)、老ノ坂(219m)
グランボアER輪行はフォークダウン式ルーフキャリアにも便利 ― 2018/10/14
写真:フォークダウン式ルーフキャリアにER輪行式ランドナー
グランボアのランドナー&スポルティーフ、つまり泥除け付きの輪行方法の基本形態には
3つある。
泥除けがあると、ロードバイク式の前後輪を外すだけで輪行袋に入れるという方法がとれず(大きい輪行袋にすれば泥除けが付いていても可能だが、JR他鉄道各社の持ち込み規定を逸脱するので、鉄道車両に持ち込むという意味での輪行は不可)、ロードバイクとは別の方法をとらないといけない
1)フォーク抜き...伝統的方法で、最もコンパクトになる。対応する自転車の場合、慣れれば20分程でできるので、私的には、やはり一番のお薦め。列車内でコンパクトなのは余計な気遣いの度合いが減る。人間、鍛錬すれば能力向上は得られるので、最初は面倒くさいとおもっても、自分自身の能力開発だと考え、フォーク抜き輪行にチャレンジするのも良い。但し、輪行袋がキツキツのサイズだと、本当に名人芸のようにしないとフレームサイズによっては難しくなるので、例えばグランボアのデモンタ用輪行袋の外袋だけを使用(外袋だけの販売もある)して、ゆったり輪行袋をストラップ(輪行袋に縫い合わせ済み)で締めて使うのがお薦め。
写真:フォーク抜き輪行
2)デモンタブル・・・私も所有しているが、実は、輪行にかかる時間は、フォーク抜きと比べて圧倒的に早いわけではない(私の場合)。分割して2つになった自転車を2つの袋に上手に入れてパッキングするのに、案外頭を使う。尤も、自宅でデモンタ輪行のトレーニングをきちんとすれば、もっと早くなるかもしれないが。
写真:デモンタ式輪行。フォーク抜き方式よりも底面の幅が広くなる。
3)グランボアER輪行(イージーリンコウ)・・・前後の泥除け、通常は前キャリアのために簡単に外せない前泥除けを、そのために開発したフォーククラウンを使用することにより、簡単に前泥除けを外せるようにして、ロードバイクとほぼ同じ方式で輪行できるようにしたもの。輪行状態では一番嵩張る。
写真:ロードバイク式輪行の一例(ER輪行ではない)
今回、ER輪行のランドナーを入手したのだが、実は、まだER輪行は体験していないのだが、前泥除けが簡単に外せるということで、フォークダウン式ルーフキャリアを使うのに、実に便利だということを伝えたい。自転車2台クルマ1台でツーリングに行く場合、ステーションワゴンの場合、毛布でくるんで荷室に2台入れるということも勿論可能なのだが、なんとなく、キズがつきそうで精神衛生上良くない。で、1台はルーフに載せる、といった場合。
カーサイクリング中心の人も、ERランドナーはお薦めである。自転車用ルーフキャリアではフォークダウン式が一番安定してシンプルだし。
周山から佐々里峠周回:ランドナー2台で ― 2018/10/14
神奈川から「山岳サイクリング研究会」の客人を迎え、京都北山ツーリングを実施しました。周山までクルマで行き、佐々里峠を通って周回。京大芦生演習林入口にも足を伸ばし、秋の北山を満喫しました。
写真:周山にクルマをデポ。久々にルーフに自転車。ER輪行方式なのでランドナーでもフォークダウン式で簡便。
写真:美山道の駅で休憩。
写真:美山産松茸の松茸ごはん、800円也。道の駅で購入。
写真:美山町北。重要伝統的建造物群保存地区。
写真:美山町北。外国人の観光客も多数。
写真:美山町北。
写真:知井谷を佐々里峠へ向かう。美山町田歌。
写真:芦生へピストン。美山町口芦生。
写真:美山町芦生。京大の演習林事務所。
写真:美山町佐々里。
写真:佐々里峠
写真:峠を下って、広河原。山国の谷を通って周山に戻る。
【走行日】2018年10月13日
【使用自転車】グランボアoyakata650BランドナーER。
M氏:アルプスのランドナー。
【峠】佐々里峠(707m)
【行程】嵯峨嵐山駅7:00=周山8:00~9:00深見トンネル~9:13美山道の駅9:45~10:06北11:04~12:10芦生演習林12:37~13:08佐々里~13:50佐々里峠14:14~14:21広河原14:26~14:50小布施~(山国)~15:57周山=京都市内
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