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隧道(トンネル)の扁額(へんがく)2018/02/24

自動車で走っていると、一瞬のことなので目に留める機会も少ないかもしれないが、自転車だとしっかり目にとまるものがある。

その一つがトンネルの扁額(へんがく)。扁額というのは高い位置に掲出される額や看板のことで、寺社の門やトンネル、茶室などが代表例。

気をつけてみると、トンネルには扁額として漢文でなんらかの意味を記されているものが、しばしばある。

昔はトンネルを掘るというのは大事業で、トンネルが開通した記念というか、揮毫感覚なのか、ふさわしい一句、みたいな感じで付けたのかもしれない。

今の高速道路やバイパスだと、トンネルなんてそれが普通で、いちいち感動を味わうことはなく、「○○3号トンネル」とかいった感じの表示で済まされているが。

難しいことは十分承知しているが、トンネルの一つ一つのに漢文調の扁額をつけることを何らかの内規等で定めたら、日本文化のためにもなかなか良いのではなかろうか。

その地域の歴史や故事にちなんで、ふさわしい文字を扁額とする。そのことで、地方の文化人や役所の中の文人的な役割を評価することになると思う。

私の高校の同級生で、中国哲学を学び、仙人になる方法とか、諸々、東洋の哲学や文学に通じた人物がいるが、そういう人に、世間的にも活躍の場を提供できたら素晴らしい。

新しい高速道路やバイパスのトンネルでもこれはという箇所には、しかるべき言葉が選定され、扁額をこしらえる。

運転手はともかく、同乗者は、扁額にこめられた思いに一瞬、心を寄せる。もちろん、一方的な価値観の押しつけであったりするものであってはならない。日本国憲法の精神から逸脱しないという前提で。

まあ、奇跡的にそんなことができても、税金の無駄使いとか、グローバル指向の世で無駄の象徴のように糾弾されるのがオチだろうが。

というようなことを考えたのは、常々そこを通過する度に思っていたのだが、今日も自転車でいつものルート、奥嵯峨から保津峡沿いを走っていて、小さなトンネル2つの扁額に接したからである。

六丁峠を越えて、最初にであう「落合隧道」には「竭誠盡敬(けいせいじんけい)、「誠をつくし、敬をつくす」との意味。
落合隧道

その次に現れる「鵜飼隧道」には「平安乾域とある。「乾(いぬい)」は方角でいうところの北西であるので、このトンネルが平安(都)の西北、ということであろうか。
鵜飼隧道

去年、その高校の同級生と息子さんと一緒に走った三重県の長野峠旧道には、トンネルの扁額を切り出したモニュメントがあり、「其の功をもって裕とす」とある。”天然への畏敬と人間賛歌とが微妙なラインでせめぎあう面白い言葉”だという解釈をwebから得たが、よくわからない。

トンネルの扁額に気づくのは、サイクルツーリストの特権?かも。惹かれる扁額がありましたら、ぜひ、ご一報をお願いします。

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<追記1>
国道9号線、京都市と亀岡市の境である「老ノ坂」トンネルの扁額

老ノ坂隧道扁額
亀岡側。左が旧トンネルで今は歩行者/自転車用。右が現役トンネル。
扁額は「老ノ坂隧道」とありますが、下に
との漢文の碑があります。
何と書いてあるのかとwebで検索したところ、ブログ「轍のあった道」に説明がありました。引用させていただきますと、
”「遠邇之利往来之便」
yoshim氏のサイトに京都国道事務所からの回答として意味が掲載されている。そのまま転載すれば、「(この道ができたことにより)遠いところにも近いところにも利益をもたらし、往来の便がよくなった。」という意である。”
とのことでした。

京都市側の旧トンネル(歩行者/自転車用)には、「和風洞」と扁額があります。
和風洞

現役トンネルは「松風洞」ですが、拡張工事の際に外されたのか地上に置いてあります。
松風洞

<追記2>
舞鶴市「大波隧道(旧)」の扁額
大波隧道扁額
「鶴高沖」とありますが、どういう意味なのでしょう?鶴は舞鶴の鶴だと推測しますが。

<追記3>
兵庫県「鐘ヶ坂トンネル(昭和)」の扁額


「鐘ヶ坂」には明治、昭和、平成の3つのトンネルがあり、今、通行可能なのは平成年間のもの。地形図には昭和のトンネルも表記されていたので、自転車で走るにはクルマが少ないであろう古いトンネルのほうがいいと思って行ってみたが、閉鎖されていた。

扁額があるが、皆、明治のトンネルについては記しているが、この昭和トンネルの扁額についての解説をみつけることができなかった。
鐘ヶ坂旧トンネルは閉鎖
 鐘ヶ坂トンネル(昭和)にも、兵庫県知事の扁額がある。

コメント

_ takaginotamago ― 2018/02/25 11:21

こんにちは。道路トンネルの扁額はすぐに思いつきませんが、琵琶湖疎水の水路トンネルや鉄道のトンネルには多くの石額・扁額があるようです。なかには電車に揺られて毎日通っているのに直接見えないので気づかなかったりしてね。
琵琶湖疎水の洞門石額(水路トンネル)
ttp://www.city.kyoto.lg.jp/suido/page/0000007764.html
鉄道トンネルの扁額(大阪周辺)
ttp://www.osaka-kentei.jp/pdf/2015/osk_houkoku2015_11.pdf

_ 管理人 ― 2018/02/25 18:20

貴重な情報、ありがとうございます!
私が毎日通勤で通っている阪急京都線の西院の地下にもぐるトンネルにも扁額があったとは!恥ずかしながら、存じ上げませんでした。

鉄道の扁額というのは、ほんとマニアックですね。運転手の人には見えるかもしれませんが、殆どの人が気づかない場所で、日々、列車の通行を見守る扁額。

道路からのアクセスが無い、山中の峠とか親不知子不知のようなところ、に扁額があれば、なんとも深い感動を覚えます。

北陸線の旧線で今は道路になっているところのトンネルに扁額があるのか、以前自転車で走った時には確認していませんでしたが、また、行ってみたいです。

道路トンネルでは、確か国道9号の老ノ坂にはあったと思います。山城と丹波の境。

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