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クルマの「剛性」=気持ちいい車、数値化ではない。2015/09/06



鳥取市内の中古屋さんにて
写真:帰省先の中古屋さんにて。古くなると交換価値は下る。使用価値は大丈夫か?ボディ剛性の経年変化はどんなものだろう?

雑誌「カーグラフィック」2015年10月号に、たいへんためになる記事があった。
自動車評論家の福野礼一郎さんが自動車設計者2名から話を聞き出す「クルマの教室」。初回の今月号は「ねじり剛性」。連載が楽しみだ。早く単行本にならないかなあ。

「剛性」は自転車でもよく使われる言葉だ。クロモリ(鉄)でフレームをオーダーする際など、サイズだけでなく、自分の脚力や使用目的に合わせた剛性も考えて、いろいろ悩み考えたものだ。果たしてオーダーどおり剛性のバランスが再現できているかはともかく。フレームだけでなくホイールやクランク、ハンドル、ステム等のパーツも剛性に大きく作用するので、結局は総合バランスみたいな話になってしまうのだが。

剛性が高い自転車だとスッと進むが、高すぎると脚が負けてしまって、長距離はもたないとか、剛性が低くてもペダリングをスルスルと綺麗に回せるなら、かえってトータルでは速い、とか俗説なのか事実なのか実際のところよく分からないが、自転車オーダーの楽しみ方の一要素であったのかもしれない。

でクルマの剛性だが、その記事によると
1)「剛性」とは「ばね定数」のこと。クルマのボディも変形して戻るという点でばねと一緒
2)コスト、質量などが一定ならボディ剛性は高ければ高いほどいい。クルマの剛性は「低い方がいい」ということはまずない。
3)クルマを運転して「気持ちいい」と感じるのは、運転操作の操作量や操作速度の大小に応じてクルマが正確にリニアに反応するということ。そのためにボディ剛性が重要。
4)剛性が低いとサスペンションがまともに機能しない。
5)日本車はボディ剛性に対する考え方がヨーロッパ車に比べて大きく遅れていた。
6)分かっているのに剛性を上げられなかったのは、剛性向上で得られる効果は「ステアリング操作がぴたりと決まる」とか「サスがきれいに動く」とかもっぱら感覚的なものが多くて数値化ができない場合が多かったから(社内で通らない)。
7)(車名は公開できないが)ボディ剛性が低すぎてまともに走らないクルマがあった。強度設計だけで剛性で設計していない。
8)FF車はボディ剛性でFR車と比べると不利。
9)路面が荒れている場合は、剛性が高いとサスがしっかりストロークしてダンパーが仕事をするので、接地性が向上してその結果操縦性が向上する。
等々。

納得納得。前は四駆のステーションワゴンに乗っていて、今はFR(後輪駆動)だが、高速道路の長いトンネルで路面が荒れているようなところでも、今のクルマの方が、スパ-ンと安定して走るので、とても運転しやすい。乗ってて気持ちいいのは、きっと剛性が高いからだろう。私のは同じ車種の中では一番安いタイプだが、基本のボディは一緒で6000ccくらいのエンジンを積んだモンスターマシーンのようなグレードもある(補強はしているでしょうが)ので、その分ボディ剛性としてはお買い得なのだろう。ボンネットを開けると、ボディとエンジンの隙間が多くてスカスカなのもご愛敬。

数値化できない、しにくいところに価値が宿ることが示されて、なんだか嬉しくなりました。

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